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えじき

作者: 武田ウグイ

えじき


ネット上にこんな話があった。戦後の財閥解体、農地解放のあおりを受けてとある資産家が破産した。その家長である人物はとんでもなく性豪だった。本妻とその家族がいながらも妾を十人以上囲っていて、あいだに生まれた子どもたちを全員養っていたらしい。それを可能にしていた財産が消え去ってしまいそのショックで資産家は巨大な心中をしようと決めたのだという。

昭和のはじめY県に避暑のために作った別荘に一族郎党、それからたくさんの妾とその子どもたちを呼び集め、当時民間で売られていた覚せい剤で抵抗できなくさせたあとに、一人づつ刃物や銃、鈍器で殺していったのだそうだ。四十人以上の人間を手にかけたあと彼は死体をまるごと埋めたり焼いて処理し、自らも命を絶ったそうだ。当時は社会の混乱期だったのと、犠牲者の数があまりに突飛だったのでただのうわさとして片づけられ、ニュースや公式の事件になることは一度もなかったのだという。しかし、その屋敷は今もY県の山奥、逆ヶ原という場所に残っているのだそうだ…。


おれたちは車を降り、山道を1時間ほど歩いて赤い屋根の屋敷を見つけた。それは洋館にみえた。鬱蒼とした杉林のぽつんとした陽だまりにあったそこは、周りを囲っていたはずのレンガの壁もほとんど倒壊して、日当たりのいい南のちょっとした尖塔にはツタが生い茂っている。人に使われなくなっておよそ半世紀以上だと聞いていたが、それだけの歳月を経ながら建物としての形は保てているのは驚きだった。


「いかにも出そう(・・・)だな」  


相沢が言った。奴はふくよかな腹を揺らしながら山道を歩いてきたせいか、ハアハアと息をはずませながらビデオカメラのモニターを洋館から外さない。その監督はこのおどろおどろしいセット(・・・)を見て「ヒャー!」と奇声をあげた。


「いいな! すばらしいやっほう! まるでホラーゲームに出てきそうじゃんか! 今まで最高だ! さあ撮るぞ!」  


企画者として歓喜に堪えないようだ。奴は自前のTVカメラのようなごつい機材を背負ってきたリュックから取りだすと、近寄りがたい雰囲気を放つ洋館に突っこんでいった。さすがに機会になりそうなものには目の光り方がちがう。おれと相沢と近藤、そして松本さんはへとへとな足取りで吉田のあとを追って洋館の石段に腰をかけた。日陰になっていて涼しい。


「いやーここまでくる必要あったのかな」  


近藤は浅黒い四角い顔ににじんだ汗をふいていた。今回が参加二回目の新参だ。吉田の友だちで大柄なからだが非常にたくましい雄牛のような見た目で、その見た目通りに一行の荷役をしていた。ここまで彼がかついできたリュックがなければ撮影が成り立たない。前回の撮影の時には吉田がいつまでも謝意を伝えないので、忖度に駆られたおれが代わりに言うと「いいんだよ、トレーニングしたいから吉田にいって連れてきてもらったんだ」とにこやかに言っていた。その鍛えられた身体をみればおそらく本音の言葉だろう。


「近藤さんは吉田のこだわりぶりを知らないの?」  おれが訊いた。


「あいつは映画が好きだとだけ知ってたけど、偽動画のためにこんなところまで来るとは思わなかったよ。きみらはよく付き合ってるな」


「いちおう、おれたちが始めたことでもあるからね…」  相沢がはっと声をあげた。


「あ、そうだ。関係者のコメンタリーも撮っとこう。思い出にはなる」


肝心の投稿動画の映像を撮るのは吉田なのだが、相沢は常時カメラを回すように吉田から言われている。なにを映しても良いと。あとで映像をチェックして使えるものを使うのだそうだ。そのビデオカメラはおれに向けられた。おれはにっと笑みをつくる。カメラの前のマナーだ。


「今回の撮影は……ええと、その、うまくいくと思いますか? 本音でどうぞ」


「こんないい舞台があるのならそのぶん怖そうなものが作れそうだね」


「松田さんは?」  相沢は彼女にカメラを向けた。


「私は自分の演技に自信あるよ。セリフがないだけやさしいし」


このむさいグループの紅一点である松田さんが得意げな声で言った。彼女はショートパンツとタンクトップの大きくはだけた服でとても夏らしい。

そんな恰好でここまでこれたのは、彼女を不愉快な気持ちにさせる前に男たちがここまで順番におぶってきたのだ。

幸いだったのがこの山は蚊がいないのか、素肌の多い彼女が蚊に刺されなかったことだ。蚊の羽音すらも聞かないのは妙な感覚だった。


「でもさ、これ他人の所有物じゃない? まずくない?」


相田はぎょっとしてカメラを持つ手がゆれた。おれもぎょっとした。近藤は近くにキジ撃ちに行っていたためいなかった。偽心霊動画の撮影は今回で五度目だが、いつも都合の悪いことに目をつむってノリだけが先行していた。バレなければいいという了解が暗黙裡にあった。

しかし、リーダーの吉田は割れた窓から屋内を撮りながら答えた。


「大丈夫だよ。だいたい、ここまで来るのに誰も出くわさなかったし。他の人間がそもそもいないのさ」


そのうち奴は、屋敷の玄関へ、蔓やツタがおどろしく絡みあって門のようになっている玄関からするっと中に入ってしまった。


「すごいね、吉田くんは」


松田さんがうっとりした声で言った。おれは彼女と先ほど初めて知り合っただけだ。しかし、男性として自然な心理として妬みのような感情を吉田に覚えた。今日の夕方には帰るのだが、それまでこの気持ちは表に出ないようにしなきゃならない。異性の関心を買いたいのは男の常だが、今回の撮影ではどうやってもおれが他人に先んじられる機会もなにかしらの要素がない。なによりも松田さんは吉田のツテで呼ばれたのだ。



大学の映像サークルにいるおれ、相沢、吉田の三人はその小規模さもあいまって誰からもその成果を期待されていなかった。閉じた集団は往々にして奇妙なノリで変なことをはじめる。動画サイトのYouTubeに心霊フェイク動画を投稿するようになったのが、おれたちのそれだった。

いたずらの気持ちではじめたことだったが、登録者数はじょじょに上がっていった。ピュアな感想や小賢しくフェイク手法のうんちくを垂れるコメント欄はカオスだったが、それでもネットの世界の片隅でおれたちは少しだけ名を得ていた。


そしてその功はほとんど吉田の働きによるところが大きい。編集も撮影も企画も、おれと相沢が発案したことなのに実働はすべて吉田がしていた。奴は映像作品を作る趣味とこだわりがあるらしく、それなりの機材と編集技術を持っていた。なによりも吉田の家は金持ちだ。一回だけ上がらせてもらったマンションは駅前一等地にあった。コンシェルジュという管理人が24時間受付にいるくらいの豪奢ぶりだ。すいすい動く広いエレベーターに運ばれて、高層階の吉田の部屋に入ってみれば何インチかもわからない巨大TVに四隅のスピーカー、四方の棚にビデオとDVDがごまんと埋められ、デスクの上にはPCが三台、そしてよくわからない機材が占めていた。素人が及びそうにもない性癖を感じた。


「おれ、映画監督になりたいんだよ」  吉田は誇らしげにそういっていた。


発案者を置き去りにしてほぼ吉田がけん引してきたこの活動だった。お人よしとノリだけで動くほどおれたちはバカじゃないが、吉田から視聴回数から得た広告収益を、たかが4000円でも手にしたときには(そもそも吉田がチャンネルに関する主権を握っていたのだし)、おふざけでも、すこしだけ報われた気分になった。そのままなら、たった三人でバカをやっていただけなら、おれはあとで振りかえって青春の一幕として記憶にしまっておけたのだと思う。


今回が過去四回と雰囲気がちがうのはやはり松田さんがいるせいだ。当事者の自分が言うのもなんだが、やはり異性が絡むと男はそれまでと態度を変える。近くの同性の挙動を盗み見はじめ、口調にも勇ましさが混じるようになる。被害妄想と一蹴されるだろう、勘違いと半ばわかっている感情が東京を発ってからおれを少しずつ苛んでいったのだ。


他の三人はなにを考えているのだろう。相沢はデブでどんくさい男だ。だからおれのような根暗とウマが合っていた。しかし、この数時間でメガネレンズの向こうの細い目に、以前のような親近さをこの数時間でみることができなくなった気がする。なにを隠そう、松本さんの肢体をカメラ越しに頻繁にみているのをおれは先ほどから観察しているのだ。


吉田は? 吉田はおれと相沢とちがって軸足はここに置きつつもそれなりに外と交友があった。それだけ精力的に活動する男だった。いきなり二人の人間がこのおふざけに参加できるのも、吉田の評判に裏づけられているからだろう。そして吉田はなによりも撮影に偏執を発揮していて、松本さんはただの俳優でありそれ以上のことを奴が見据えているようなことはなさそうだが…。


近藤は前回からみてきたが最もパワフルで男らしい奴だ。同じ大学のウェイトリフティング部だというが、おれはこいつを構内で見かけたことがない。いかにも雄々しくて陽気そうな見た目に反して、松本さんに話をしたりすることもない。道中の車内ではむしろ男どもと話すほうが多かったし、着いてからももくもくと荷物を運んでいた。それだけなのだ。


「おーい! よさげなとこ見つけたから入ってきて! 撮影をはじめるぞ!」


屋敷の中にいる吉田が叫んだ。




【怖い話】 Y県の怪談 怖い話 心霊スレッド


678.匿名さん

2025/08/31(水) 23:57:13

>>677 もしかして2010年の逆ヶ原大学生失踪事件のこと?



679.匿名さん

2025/08/31(水) 23:57:45

>>678 そう。そこ行ってきた。怖いエピソードの収穫あるで



680.匿名さん

2025/08/31(水) 23:59:09

>>679 そいつら立ち入り禁止の場所に入った自業自得だってめっちゃ叩かれてたやん



681.匿名さん

2025/08/31(水) 23:59:14

>>679 小学生のころにそいつらの作った心霊動画みたことある

さっき見たらただの作り物やん



682.匿名さん

2025/08/31(水) 23:59:54

概要貼っとく。

逆ヶ原大学生失踪事件とは、Y県S市の逆ヶ原で5人の男女の大学生が集団で行方不明になった事件。当時〇✖大学の映像サークルに所属しており、YouTubeで偽の心霊動画を投稿していた(A、B、C)が、知り合いの二人の別の大学の学生(DとE。そのうちEは女性)を誘い、逆ヶ原の山中にある廃屋へ向かい、全員が失踪した。

家族らからの届を受けて警察は現場周辺の山林を捜索したが、大学生らは発見できなかった。

廃屋内で見つかった被害者の所持品のなかのビデオカメラには、EをめぐってA、B、C、Dの四人の男子大学生が口論している映像が映っていた。警察は彼らがもともと人間関係のトラブルを抱えていて、失踪にも事件の可能性が高いとして当時ワイドショーなどで頻繁に報道された。2023年現在でも大学生らは発見されていない。



683.匿名さん

2025/09/01(木) 00:01:43

wikiみたけどこわ……現場の状況から女をめぐって殺し合った可能性もあるけど死体がないから断言できないんやろ



684.匿名さん

2025/09/01(木) 00:01:53

殺し合うほどいい女だったんか



685.匿名さん

2025/09/01(木) 00:02:25

>>684 流失写真みたけどそうでもないぞ。中の下



686.匿名さん

2025/09/01(木) 00:02:43

なんかBの実家が金持ちで外国人犯罪者グループと絡んでて、それで消させたとか言われてるよな。Bは香港にいるとか



687.匿名さん

2025/09/01(木) 00:03:56

不可解すぎて説が定まらないのがこの事件の怖いところ。

殺し合い説、Bと外国人の共謀説、神隠し説、遭難説、野生動物説



688.匿名さん

2025/09/01(木) 00:04:34

当時TVでさんざんやってて超能力者も霊視してたけど「言葉ではとても表せない不気味な場所にいる。それだけしか言えない」っていってた…こわすぎ。



689.匿名さん

2025/09/01(木) 00:05:23

>>679 で、なんの収穫があったんや? てかそもそもなんで行ったん?



690.匿名さん

2025/09/01(木) 00:08:07

まずワイのスペック。30半ばのおっさん 独身 関東圏の実家暮らしで仕事は会社員や。趣味は1人で長距離ドライブ 相棒は愛車の軽バン

職場の夏休暇で、北陸を回った後の帰り道で逆ヶ原に寄った。そこに行くつもりはなかったんやけどな、カーナビの地名みて事件のことを思いだして時間あったからついでに行ってみたんや。



691.匿名さん

2025/09/01(木) 00:08:57

現場どんな状況やった?



692.匿名さん

2025/09/01(木) 00:09:34

山の中で舗装がなくなって荒れた砂利道になってた。でもそのまま車で行けた。ネットでみたら当時は歩いていくしかないくらい藪で覆われたらしいんやけど、話題になったせいで多少整備されたのかなって感じやった。現場の屋敷についたのは20分くらい走ったあとやったな。



693.匿名さん

2025/09/01(木) 00:10:02

そいで?



694.匿名さん

2025/09/01(木) 00:10:56

そこまで行くともう圏外やったから覚悟して降りたで。杉林のなかが広くぽつんと更地になっていて屋敷はなんにもなかったで。wikiには書いてなかったけどもう事件もあったし解体されたんかもしれない。正直がっかりやった。



695.匿名さん

2025/09/01(木) 00:12:23

怖くなかったんか? わいならちびる



696.匿名さん

2025/09/01(木) 00:12:45

怖いよりもワクワクしてたのが本音やな。おれあんまり幽霊とか信じてなかったし、あの辺りの麓は田舎すぎて何にも見るとこないから観光地のノリで行ったんや。



697.匿名さん

2025/09/01(木) 00:13:37

昭和のはじめから建ってたらしいな



698.匿名さん

2025/09/01(木) 00:14:31

強すぎる



699.匿名さん

2025/09/01(木) 00:15:55

そこ廃墟なだけでそもそも心霊スポットとかじゃなかったんやろ? そいつらよく見つけたな



670.匿名さん

2025/09/01(木) 00:16:24

詳しいことはわからないけど、話はここから佳境やで。

わいはそこらへん見回ったんやけど、わいの軽バン以外にタイヤの跡はなかったで。人の足跡も。長いあいだ誰も来てないっぽいただの更地。でも山の中なのに蚊が全くやってこなかったのはなんか不気味やったな。で、見るものも特にないしわいは帰ろうかと思って入り口のほうに引き返したんや。



671.匿名さん

2025/09/01(木) 00:18:32

つづきはよ



672.匿名さん

2025/09/01(木) 00:19:05

で、車に乗ったとき、外からなんか人の声が響いたような気がしたんや。遠くで「おーい」って。おれは気のせいだと思って、エンジンにキーを差し込むとまた聞こえた。でも今度の声は「ぅおぉーい!」って男の声で後ろから聞こえてきた。命がかかってるような感じや

その時にはさすがにビックリしたわいはとっさにバックミラーを見た。そこには建物があったんや。



673.匿名さん

2025/09/01(木) 00:19:23

はあ? 



674.匿名さん

2025/09/01(木) 00:20:38

異界につながった?



675.匿名さん

2025/09/01(木) 00:21:11

その時はさすがにワイも????になった。ワイは車を降りて近づくと確かにTVやネットでみた屋敷やった。レンガの塀は崩れてそこらへんの土や草にほぼ呑まれてた。

唾を飲んで屋敷に近づいてみれば、漆喰の?白かった壁はくすみ切っててところどころツタに覆われてた。よくみれば屋敷の右の方には塔のような建築もあったんや。窓ガラスのあった場所はぽかんと空いてた。



676.匿名さん

2025/09/01(木) 00:21:32

噓松



677.匿名さん

2025/09/01(木) 00:21:43

>>676 まあ証拠ないから信じてくれなくてもええけどな。

そいで、ワイはやっと怖くなってきたんや。空気の感じ方は変わらないし、自分の頭がおかしくなった感覚もない。でも、状況は激変している。霊感的なものでヤバいと感じたワイは車まで走って引き返してエンジンをかけた。最後のつもりでまたバックミラーをみたんや。



678.匿名さん

2025/09/01(木) 00:21:56

それで? 与太だとしても気になる。



679.匿名さん

2025/09/01(木) 00:22:13

屋敷の門から誰かが飛び出てきた。そいつは若い男のようだった。すこし周りをきょろきょろしたあとに、わいの車に気づいたようで全速力でこっちにむかってきた。もう逃げることしか考えてないわいは全力で発進した。わいの反応が遅れたからそいつが寄ってくるほうが速かったんやが、近づいてみてわかった。そいつの上半身は真赤なんや。血だらけの。



680.匿名さん

2025/09/01(木) 00:22:55

ゾンビやん



681.匿名さん

2025/09/01(木) 00:23:05

さらにアクシデントが続いてな。わいの車はMTで乗り慣れてたはずなんやけどテンパってたせいでギアチェンジに失敗した。エンジンとわいの交感神経が悲鳴をあげるなかでその男がすぐ真後ろまで迫った。はじめてそいつの表情がわかった。すごく怯えている顔やったな。



682.匿名さん

2025/09/01(木) 00:24:25

そいつは幽霊なんか?



683.匿名さん

2025/09/01(木) 00:24:31

わからん。でもわいを怖がらせに来たわけではないと思う。問題はその後や。やっとギアを正常にはめられてわいは全力で発進した。そのまま来た道をぶっちぎって遠ざかっていったんや。でもだいたい50mもしないうちに車を停めた。めちゃくちゃ怖かったから逃げてしまったけど、あれは普通に助けを求めてたんじゃないかって思いはじめた。それでまたバックミラーを見てみた。屋敷はかなり小さくなってたけど、そこから続々と出てくる人の群れが見えた。



684.匿名さん

2025/09/01(木) 00:25:00

はよ



685.匿名さん

2025/09/01(木) 00:25:17

いろんな人間がいた。大人の男、女、無数の子どもたち、老人、全部で数十人くらいいたかな。そいつら全員ボロボロの衣服なんだけど、ところどころ血のようなシミがついていた。そいつらは最初に出てきた男を追いかけはじめた。男ももちろん逃げたんだけど、あっという間に追いついて、そいつを集団で神輿みたいに担ぎ上げた。道の先のおれには気づいていたようだったけれど、距離的にムリだと分かったのか諦めたような感じだった。

その大集団は男を担ぎ上げたまま屋敷に戻ったんだけど、担ぎ上げられた男の叫びが今でも耳に残ってるんよ。

「たすけて」 「おれがわるかった」 「やめてくれ」

そいつを担ぎ上げている連中だけが屋敷の中に入ると、今度は外に残った数十人がおれを見据えて一気に走ってきた。



686.匿名さん

2025/09/01(木) 00:27:12

食人族やん…



687.匿名さん

2025/09/01(木) 00:27:23

おれは、車を爆進させて逃げた。やつらのスピードは普通の人間並みやったから距離をとるまでに時間はかからなかったけど、それでも止まることなくあっという間に山道を超えて麓まで逃げて来た。さすがにコンビニのあるところまで逃げてきた。そのときになってやっと一息つける時間ができたけど、わいは自分の見たものに整理がつかなかった。コンビニで2Lの水を買って、その駐車場で心臓をバクバク鳴らしながらすぐ発進できるように1時間くらいあの亡者の集団をスタンバってた。でも、ついにそいつらは追ってはこなかった…。それがわいが逆ヶ原で経験したことや。



688.匿名さん

2025/09/01(木) 00:28:39

オチとかないんか?



689.匿名さん

2025/09/01(木) 00:28:43

後日談があるんや。家に帰ってから車のフロントの部分についているドライブレコーダーに、あの集団が写っていないか確認したんや。でも、車の始終の位置的にあいつらの音声しか入りこんでないだろうなと思いながら見てみた。そしたらな、それもなかった。慌てるおれの声しか入ってなかったんや。おれがみた亡者の集団は結局なんだったのか…わからずじまい。まあこんなところやな。でも興味と度胸のある奴はそこに行ってみたらどうや?



690.匿名さん

2025/09/01(木) 00:29:43

ちょっとお前打つの早すぎひんか? 



691.匿名さん

2025/09/01(木) 00:31:21

>>690 なんの話や?



692.匿名さん

2025/09/01(木) 00:31:54

>>691 お前たった30秒とかそれ以下でまとまった長文打ってるやん。



693.匿名さん

2025/09/01(木) 00:33:11

前から用意してたんだよ



694.匿名さん

2025/09/01(木) 00:33:56

>>693 たかが掲示板に器用なことやな



695.匿名さん

2025/09/01(木) 00:34:54

>>693 このスレで事件のことが気になってその屋敷をグーグルアースで見たんやけど、林の中に隠れて見つけられなかった。



696.匿名さん

2025/09/01(木) 00:35:35

>>695 やろ? そのせいでわいもわからんかった



697.匿名さん

2025/09/01(木) 00:36:53

>>696 でもな、付近の道路をストリートビューで確認してみたら、屋敷にむかうまでの砂利道は見れんかったけど、最初のところから軽バンみたいな朽ち果てた車が砂利道の脇に停まったままなのが覗けるんやが。記録遡ると2015年からずっとあるみたいやで。



697.匿名さん

2025/09/01(木) 00:36:57

チッ 



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