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電車の旅っぽいな 前編 【WEB】

作者: 雨澤 穀稼


   電車の旅っぽいな 前編


 酒田のカンダーラ祭りにゴダイゴのタケカワヒデユキさんが来られているらしい。

 ゴダイゴの代表曲の壱つ、ガンダーラと寒鱈にかけてあるのかな?

 ボーカルのタケカワヒデユキさんが、来られるのだから公認なのだろう!

 雪山の山越えは危険である(車だよ!)!

 電車も途中で止まっている(その区間バスが出ているらしい)!

 残念ながら……オープニングに間に合いそうに無いから諦めることにした。

 寒鱈汁はまたの機会にとっておこうと思う。

 無理して行ってもな……帰って来れないと困るからな。

 まだまだこちらの事情は、よそ者には分からないのだ(様子を見ながらフィールドワークをしようと思う(心象素描しんしょうスケッチにはフィールドワーク(常にネタを心象内に、ぶち込んでいかなければならないのだ!)が欠かせないのである!))。

 そうだ仙台に行こう! 仙台に行く事にした。

 大雪である。

 車で行くか? 行かないか? ん〜ん……どうしよう?

 無難に電車で行くか? と、ブ〜ンと駅へと向かい24時間パーキングに、車を止めて……? 係員さんが指を差す? 満車だ! もうちょっと遠い24時間パーキングへ……ブ〜ン……空いているが……ホイルローダーで雪すかしの真っ最中だ! メッチャ積もってるな……運転手か指を差しているぞ、あっちに止めろって事かな? 山盛りに雪の積もってる車と車の間がすかしてあった! 車を止めて駐車券を小物入れに入れておく(ここだぞここだぞと……自分に言い聞かせておく!)ワイパーを上げて止めた場所を覚えておく。駅へとテクテクテク。

 久し振りの電車だ! わくわくが止まら無い。

 やっぱり大雪である。

 仙台迄動いているようだ! うんうん、中々電車に馴染みが薄く、ついつい汽車(きしゃ)と言ってしまうのである。

 米沢駅前の牛肉どまん中を横目に見ながら、あえてキヨスクで牛肉どまん中の駅弁を買うのだ(作りたてのほっかほっかの牛肉どまん中があるというのにだ(ある意味贅沢である!))!

 福島方面へと進む電車。

 冷え冷えの牛肉どまん中を食そうと、そとばこをシュッ! 透明な中蓋をペニョ! 膝上に広げて眺めていると、女性の車掌さんが切符を拝見いたしたす!

 えっ? このタイミングで? マジっすか? 疎らな車内……意外にテキパキと切符拝見致しますが迫ってくる……あれこれあたふたとお弁当と包んであつた箱と、透明なフタとかお茶とかをぶちまけないようにしっかりと片手で押さえ持ち……うううう、う〜んと、ポッケから切符を取り出し、ウルトラアイさながら差し出して待つ……。

 小さな車掌さん鞄を下げた、女性の車掌さんはチラ見……はい! と確認をし、有り難う御座いました! と、壱礼されてバタンと車掌室? 操縦室? へと戻ってゆかれました。静かに見送るわたし! 零さないように……慎重に牛肉どまん中の駅弁を、膝の上にセットしなおして……頂きま〜す! 駅弁に付いてる少し短めの割り箸で、米沢牛の肉そぼろを(ひと)すくい……パク! おお! パク! うんうん! パクパクパク!

 走る電車のくもる窓の外は、白い雪の壁が流れてゆく……。

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