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新しい生活が始まる14

90話



次の日の朝、早めに起きてスープを作っていく。


あれからライカが俺を起こさなかったことから何事もなかったと思う。


ロウガーはそれなりにモンスターを狩ってくれたようだ。


おかげでみんなそれなりに眠れたんじゃないかな。


スープが出来上がったので鍋の蓋を開けると、いい匂いが漂いだしてみんな起きだしたみたいだ。


アリアには幌馬車の子たちにスープを配ってもらい、レイン、ミレイヌには助け出した子たちにスープを飲ませてもらう。


食事も終わって出発する。


特に何事もなく進んでいると幌馬車の子たちは退屈になったのかアリアに何かを話しかけているようだ。


何を話しているかまでは聞こえないが明るい調子なので問題はないと考える。


しばらく走っていると前方から叫び声が聞こえる。


何が起こっているのか、カグラに先行して様子を見てきてもらう。


何せこちらには保護した子たちがいるのだ、ショックを与えることはしたくない。


カグラたちが戻ってきて報告してくれる。


「護衛を連れた商人が襲われているみたいです。」


「戦況はどうだ。」


「何とも言えない感じですね。今の状況ならほっといても何とかなるようにも見えますが、山賊に援軍が来ると厳しいでしょう。」


「援軍はありそうなのか。」


「今部下に探らせております。」


カグラと話していると、モモがあらわれて「報告致します。間もなく山賊の援軍が到着しそうです。」と報告してきた。


ということは助けないと負けそうなのね。


仕方ないからここに馬車を残してカグラとモモを連れて商人のところへと向かう。


丁度山賊の援軍が到着して護衛の冒険者が押し込まれそうになっているところだった。


こちらは山賊の背後から奇襲をかけた形になったので、走ってきた勢いのまま山賊を倒していく。


山賊がようやく後ろの俺たちに気づいたようだ。


「な、なん・・・・・・。」言い切る前に倒してしまう。


気づいた山賊がこちらにも向かってくるけど相手にならない。


まあこの世界において一般人って弱いから仕方ないよね。


山賊を倒し終わったら護衛の隊長格の男が「すまねえ助かった。」とお礼を言ってきた。


「気にしないでください。困った時はお互い様ですよ。では我々はこれで。」


と言ってきた道を戻り馬車のところへ。


みんなを安心させてから出発する。


もう一日野営してからアイアンウッドに到着した。


屋敷に帰って弱っている子たちの世話をクリス達にお願いして、元気な子たちはシェリルさんに託した。


以前に助けた子たちはだいぶ元気になったそうなので隣の屋敷に移ったそうだ。


助けた子たちはお風呂から出て身ぎれいになって少し気持ちも落ち着いたようで部屋で眠ってしまったらしい。


まあ大変な目にあっていたから仕方ないよね。


今日はもう休んでいいとレイン、ミレイヌ、アリアに告げたら何故か3人にお風呂に連れていかれてしまった。


脱衣所で「ご主人様もお風呂に入らないと、少し臭いますよ。」と言われたらすごく臭いが気になってしまい3人とお風呂に入ることになった。


確かに今回は小屋も出すことがなかったから3日くらい汗をかきっぱなしだし、寝たのも外でだから汚れもあるだろうしゆっくりお風呂に浸かるのも悪くない。


風呂場に入ると3人で体を洗ってくれる。


洗ってもらってスッキリしたから今度は洗ってあげようとしていたら、なぜかカグラとモモ、その一味50名が並んでいた。


そして50名は顔を隠したままだった。


一応聞いてみることにした。


「カグラ、この行列は何?」


「はっ、これはお館様自ら褒美に洗ってくださると聞いてみな参上しました。」


「いやいや、褒美にした覚えはないし、ちゃんと給金は出すよ。」


「それでは褒美はないということですか。」


えー、なんかみんながっかりしているけど、これが褒美でいいのだろうか。


「わかったよ。全員任せるといい。」


こうなったら全員きれいに洗ってやろうじゃないか。


洗い始めて5時間が経過してようやく最後のカグラを洗い終えることができた。


さすがに汗だくになったのでもう一度汗を流して風呂に浸かる。


湯舟に50人は浸かることができないので最初に洗った者は浸かり終えて出ている。


今はなんとか10人くらいが残っているだけだ。


こうして湯につかると疲れが癒されていく。


「いやー、やっぱり風呂はいいねえー。」と言いながら足を伸ばす。


「確かに気持ちいい。こんな広い風呂には中々入れませぬから。」と言いつつカグラが近寄ってくる。


それを見たレインもにじり寄ってくる。


風呂はみんなのんびり入ろうよと思っていたら足の上にモモが乗っていた。


「お館様失礼しております。」


・・・・・・。まあいいけどね。


お風呂から出てみんなでフルーツ牛乳を飲んでまったりと過ごした。


それからは弱った子たちが普通の食事をできるまで体に優しいスープを別に用意していく。


1週間ほどしてだいぶみんな元気づいてきたから庭で焼き肉をすることにした。


焼く場所は6か所用意した。


肉はミノタウロスとハイオーク、後は野菜を少し用意し、できたら焼きおにぎりもしたいところだ。


飲み物はレモン水かお茶しかないのが少し残念だ。


こんなことなら酒をもっと仕入れておいてあげたらよかった。


いずれこのアイアンウッドで作れるようにしていきたい。


さて庭で火を起こして、鉄板の上でどんどん肉を焼いていく。


割り当ては俺の担当が3か所、鍛えた料理人が1か所ずつ、あとはミレイヌとレインで1か所担当してもらっている。


焼けたらどんどん皿に盛っていって、どこからでも自由にとっていい形式だ。


ミノタウロスの肉は大人気のようだ。


もちろんオリジナルの焼肉のたれがあってのことかもしれない。


かなりの量を焼いたのでお茶を飲んで一休みしていると、助けた子たちが近づいてきた。


「助けていただいたのに、お礼が遅くなって申し訳ありません。それに毎日美味しい食事まで用意してくださってありがとうございました。」


「みんなが少しでも元気になってくれてよかったよ。」


「すべてミナト様のおかげです。確かに辛かったんですけど、あそこで死んでしまった子のことを考えると助かったのに落ち込んでもいられないなって。」


「そっか。でも無理はしないで、しんどい時はうちのメイドを頼っていいからね。」


「はい。」


そう返事をしてくれた。

読んでくださってありがとうございます。


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