オークでラーメンを作ります
9話
不味いポーションをギルドに渡してから1週間がすぎた。
その間は特に大した依頼もなく、オークをたまに売って稼ぎ商店街で調味料を仕入れたり武器屋を見て回ったりをして過ごしていた。
今日は久しぶりにチュートリアルの世界へとやってきた。
この前にガチャガチャを回したらいろいろと手に入ったのでここで錬金したり、料理開発をしたいと思ってやってきました。
ついでに村によったらアッサムの武器がバルディッシュになっていて笑った。
使い心地はなかなかいいらしい。
後はライガーが鉱山を見つけたので採掘ができるように新たなGシリーズを造る必要もある。
やることはたくさんあるがここなら時間はたっぷりあるので一つずつやっていこうと思う。
まずはパーツセットを用意して錬金でGシリーズを造る、さらにパーツセットを重ねて錬成していく、そして精錬したらG-4改となった。
同じようにして5、6を造る。同様に予備で7、8も作成していたら一日が終わってしまった。
次の日は鉱山に行って危険がないかの調査に入った。
ランタンを用意して奥まで進んでいくとドワーフが蜘蛛のモンスターと戦っていた。
助太刀していいか聞いたら「よろしく頼む。」と言われたので一気に蹴散らしていく。
アイテムで大量の蜘蛛の糸を手に入れた。
その後そのドワーフにここで採掘してもいいか聞いたらいいと言っていたのでG-4改、5改、を置いて洞窟を出た。
今回のメインはここではないのでとっとと帰る。
戻ったら新たにガチャガチャから出たパーツセットⅠを使用して飛行パーツを改良する。
これを組み合わせて錬成した後で精錬したら飛行ユニット改となって装着したら50メートルくらいまで上がってランニングくらいの速さで動くことができた。
高さはもっと上昇できそうだったがちょっと怖くなったので止めておいたら『臆病ね』って言われて少し落ち込んだ。
仕方ないじゃないか初めてあんな高さまで上がったんだから。
落ちても大丈夫な確信が得られないと無理だよ。
次はパーツセットFを使って錬金を使うと狼型のユニットができると気工眼が教えてくれる。
パーツセットFをあるだけ用意して気工錬金を使用したら機甲狼が出来上がったのでロウガーと名付ける。
さらにパーツセットHを使って作ったユニットをライガー改とのロウガーに組み込んだら知能が上がったようだ。
これで学習していけばいろいろな状況に対応できることだろう。
今日はここまでにして村の家に帰って休もうとしたら夜にティピがやってきた。
『ミナト舌を出しなさい。』
「なんでだ?」
『私たち幻獣は定期的に契約者から体液をもらってオーラの補充をしないといけないのよ。』
「そうなんだ。ほら。」ちょっと恥ずかしかったので少しぶっきらぼうになってしまった。
こういう時DTにはどういう対応したらいいかわからないから困る。
ティピは何とも思ってないのかと思っていたら少し顔が赤いような気がするから少しは恥ずかしがっているのかもしれない。
そうして一日が終わった。
次の日はいよいよ今回のメインともいえる料理の開発だ。
何を作りたいかといえば、まずは大量の油だ、こちらはG-1たちがオリーブの木を発見してくれて実を回収してくれているので入れ物を作ってそこに錬金で油を取り出すのだ。
早速やっていこう。量が量なのでどんどんやらないと終わらない。
次々に作って入れていく。
途中で入れ物の材料が尽きたのでどうしようかと思ったがロウガーが大木を1本切り倒したので樽を作って入れ物にしてどんどんやっていく。
実がなくなる前にオーラが尽きそうなのでそれなりの量もできたし途中で止めて帰ることに。
ゆっくり休んで次の日、もう一つやりたいことそれはラーメンを作ることだ。
やはりこちらの食事だけでは満足しきれないのだ。
ということ今日は湖へとやってきました。
ここで竈を組んで大鍋を用意してオークの骨を煮込む。
ひたすら煮込んでいったんスープを捨てる。(もちろん地面に)
さらに水を入れて煮込んでいく。流石に豚骨よりは時間がかかりそうだ。
煮込み続けて数時間やっといい感じになってきた。
さらに続けてついに豚骨のスープが出来上がったので味見してみる。
いい感じだ、これに塩ス-プを足して用意した茹で麵を投入して食べてみる。
豚骨ラーメンの久しぶりの味に感動を覚える。
しかしまだ物足りないので今度はオーク肉を使ってチャーシューを作る。
この前醬油が手に入ったので分析している錬金でふやしておいてよかった。
ネギ、生姜は購入してあるから大丈夫だ。
じっくりと煮込んでいく肉がトロトロになったら味付けをしてさらに煮込んだところで少し切って味見だ。いい感じだがまだしみこみきってないから蓋をして置いておく。
帰るのもめんどくさくなってきたので錬金で簡単な小屋を作ってそこで休んで朝になったら今度はハイオークの骨を煮込んでスープを作ってみる。
オークのスープがかすむくらいに美味かった。
ここまできたらハイオークの肉のチャーシューも作ってみる。
これもめちゃくちゃうまかったがたまのぜいたく品にしようとイベントリーにしまおうとしたら『わたしにも食べさせなさい』とティピに怒られたのでラーメンを作ってあげたらとろけたような顔をしていた。
その後は錬金で屋台を作ってそれを動かすために錬金でGシリーズのモーター部分を大きくしたものを装着したら自動で動く屋台の完成だが街中では普通に牽いて歩けるようにバーもつけておく。
飛行ユニットの一部を組み込んで1センチくらい浮くようになっているから牽くのに力はあまりいらない設計にしておいた。
さてここでのやりたいこともいったん終わったので帰ろうと思ったら匂いにつられて寄ってきていたオークがライガーに狩られていてまたオークが増えてしまった。
ついでにレベルが88になっていた。
そんな日々を過ごしたが戻ってきたこちらはまだ夜だったので寝ることにした。
今日は休みの予定なので城でゆっくりしようと思っていたがリーナさんにお金を返してないのを思い出してリーナさんに会いに行く。
探しているとシズクさんにあったのでどこにいるか聞くと、今日はエルフィナさんの執務室で公務をしていると教えてもらったのでそちらへと行くことに。
しかし手ぶらで行くのも何なので執務室へと向かう前に厨房によってマドレーヌを焼いて持っていくことにした。
それなりに時間が経ってしまったがおやつにはちょうどいい時間だろうと執務室を目指す。
ドアをノックすると「入れ」と許可を得たので中に入る。
「なんだミナトか。今日は休みだろどうしたんだ?」
「リーナさんがこちらにいると聞いたので。」
「リーナに会いに来たのか?この国の第二王女に気軽に会いに来るのなんてミナトくらいだぞ。」
「用事があって来ただけですよ。きたら不味かったですか?」
「別に悪いとはいってない。ミナトくらい図太くなればほかの騎士にもチャンスはめぐってくるのになと思ってな。」
エルフィナさんは笑いながらそんなことをいう。
「義伯母様、そんなことを言われたらミナトさんが困りますわよ。何より誰も簡単に義伯母様の執務室に気軽にはこれませんわ。」
「ここに気軽に来れるやつがいるんだが。」
「・・・・・・。」
それじゃあ俺が普段から執務室に用もなしに来るやつみたいじゃないかと思うが突っ込まないでおこう。
「おやつを持って来たんですが休憩にしませんか?」
「それはいいな。」
「では私がお茶を入れますわ。」
と言ってリーナさんがお茶を入れてくれる。
その間にお皿を出してマドレーヌを取り出して盛る。
「おっマドレーヌかいいねぇ。これも久しぶりだ。」
「お口に合えばいいんですが。」
「あら、初めて見るお菓子ですわね。義叔母様は知っていらっしゃるみたいですけど。」
と言いつつリーナさんがお茶をカップに注いでくれる。
「これはマドレーヌという焼き菓子です。紅茶のいいお茶請けになると思いますよ。どうぞ食べてください。」
というとすぐにエルフィナさんが3枚くらい口にする。
「久しぶりのマドレーヌはうまいなぁ。」
「ふんわりとしていて甘くてとても美味しいですわ。」
好評みたいなので安心していたら、ドアがノックされた。
「入れ。」エルフィナさんが言うとミリアリアさんが入って来てお茶に加わったためお金の返却はできなかった。
さらになぜか今日の昼はミナトに作らせようみたいな話になっていたので先日完成したばかりの豚骨ラーメンをごちそうすることにした。
食べた感想次第で今後の屋台で販売するものが変わってくるのだから全力で作ることにする。
お先に失礼して厨房に向かって準備をすることにした。
さてラーメンだけではあれなので焼飯も作ろうかな。
といってもラーメンセットはイベントリーにあるので今から作るのは焼飯だ。
そのためにいつもより硬めに米を炊いて、中華鍋に油を敷いて十分に熱くなったところで米、卵、刻んだベーコン、ネギを順番に投入して炒めきる塩胡椒で味を調えると完成だ。
今回はラーメンがガッツリ濃いのでシンプルにしておくことにした。
さあ皿にもってイベントリーに次はお湯を沸かして麵をゆでる。
温めた器にスープ、麵、チャーシュー、ネギを盛り付けてイベントリーに。
こちらをじっと見ているここの料理長に味見用に余った焼飯とラーメンを一杯を渡して厨房を後にする。
後ろの方から「あっずるい」とか喧嘩する声が聞こえてきたがとりあえず無視しておくことにして王族用の食卓へと移動する。
中に入ると席に座って既に4人が待っていた。
何故かシズクさんもいたが多めには用意してあるから大丈夫。
ミリアリアさんの後ろに立ってこちらをにらんでいるエルフの執事とメイドさんがいる。
「ミリアリア様毒見をしていない食事などとってはなりませんぞ。」
「セバスはうるさいの。ミナトが作るんだから大丈夫じゃよ。」
「ミナト様だからとかではありませぬ。もしもがあったらどうするのかということですぞ。」
「わかったわかった。ミナトそういうことじゃから先にセバスとルリアに食わせてやってくれんかの。」
話は終わったらしいので先にセバスさんとルリアさんのところにもっていくと
「わたしは関係ないから先に頂戴ね。」とエルフィナさんがいってくる。
まあエルフィナさんは状態異常耐性とか持ってそうだもんね。
「「「ズルいです。」わ。」」
って3人がハモっていうが気にせず出されたラーメンをすするエルフィナさん。
セバスさんとルリアさんも「これは!!」って夢中ですすりだした。
時に焼飯を掻き込みながらすすりつづける。
ほったらかしの3人の鋭い視線に気づいたセバスさんが慌てて「大丈夫そうですな。」って。
許可もおりたし3人にも同じものを出していく。
その間にルリアさんはリーナさんとミリアリアさんにエプロンを着けていく。
「「「いただきます。」」」
と3人が食べ始める。
感想もないまま一心不乱に食べ続けていることが何よりの感想だと実感した。
その後食べ終わった全員から絶賛されたので屋台でラーメンを売ることに決めた。
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