新しい生活が始まる11
87話
さて何故だがわからないけど風呂に侵入してきたカグツチさん(カグラさん)に抱き着かれているこの状況、どんな話がなされるのか。
「それでわざわざ風呂にまで来られて話とは何ですか。」
「まずはミナト殿にお礼を言わせてもらいたい。我らが飢えずに冬を越せたのはミナト殿のおかげです。ありがとうございます。」
「そんなことなら今じゃなくてもいいですのに。」
いい加減離れてくれないと意識してしまうよ。
「まあまあ焦らずに。まずはと申したでしょう。本当の用件はこれからですよ。」
「じゃあそろそろ離れてくれませんか。」
「どうしてじゃ。私の体では満足できませんか。お礼になりませんか。」
「そんなことはないんですけど。」
絶対わかってやってるよね、でも抗うこともできない。
「では存分に楽しんでくだされ。それぐらい感謝しておるということです。」
「もう感謝は十分伝わりましたから、そろそろ離れませんか。」
そう言うとカグラさんは手を前に回してきてこちらの下半身に触れてくる。
「ミナト殿も我慢できなくなりますかの。」
「いやホントに勘弁してください。そういうことはリーナが来るまではしないつもりなんで。」
「それは残念です。」と言って離してくれた。
カグラさんが距離をとってくれたので、振り返るとホントにカグツチさんと同じ人かという美人がそこにいた。
肩にかかる黒髪で、胸もカティアくらいはあるように見える。
「本当にあなたがカグツチさん何ですか。」
「はい。カグツチとは私が世を忍ぶ仮の姿です。今の姿が本当の姿です。」
「それでどうしてここに来られたんですか。」
「ミナト様に恩を返すためです。ミナト様は今、情報が欲しいのではないですか。」
「確かにその通りですけど。」
「だからこそミナト様に恩を返す機会だと考えて参上致しました。私の職業は忍者ですからきっとお役に立てると思います。」
「そういうことでしたらよろしくお願いします。こちらとしても助かります。では働いてもらう上での待遇とか何かこれはつけてほしいということはありますか。」
「それでしたらもし私の働きに満足いただけたなら、私をミナト様のお嫁にして頂きたいです。」
「ええええ。それはどうしてですか。」
いきなりのことで驚いて聞いてみると、カグラさんは頬を赤らめてくねくねし始めた。
そして両手で顔を覆いながらチラッとこちらを見て「言わなければダメですか。」と言ってくる。
「別に無理にとは言いませんけど、どうしてそうなったのかは気になりますね。だってカグラさんとは数回しか会ってないので。」
いきなり嫁と言われても心当たりがない。
教えてくれるかなって見ていたら、カグラさんが口を開きかけて真っ赤になって湯の中に沈んでしまった。
「大丈夫ですかカグラさん。」と近寄ろうとした瞬間周りに5人の忍者があらわれた。
そしてカグラさんを4人が抱えて消えた。
あっという間のことで驚いていると残った一人が「どうかカグラ様の願いをかなえてあげてくださいませ。」と言って消えてしまった。
それを見送り、風呂場でポツンと取り残されて、しばらくたたずんでいた。
それから部屋に帰って果汁ポーションを飲みながら夜風にあたっていると、後ろに気配がしたので振り向くと先ほどの忍者がそこにいた。
顔を隠しているから同じかはわからないけど。
見た目はリーナより小さい。
「先ほどは失礼しました。私はカグラ様の補佐をしているモモと申します。」
「そのモモさんがなにか用かい。」
「どうか、カグラ様の願いをかなえていただけないでしょうか。そのためならば我ら一同ミナト様のために全力で働かせていただきます。」
「べつにそれは構わないけどホントにいいの。」
「詳しくは申せませんが、カグラ様はそれくらい感謝しておられますので。何でしたら我ら一同もお好きにしていただいてもかまわないです。」
そこまで言ってくれるんだしいいのかな。
こちらとしては大助かりだから、とりあえず真面目に報酬も考えておこう。
「それじゃあ頼りにさせてもらうよ。」
「ありがたき幸せ。」そう言ってモモは消えてしまった。
まあ意図せずにだけど情報を取得する方法ができてよかった。
そろそろ寝るとするかと思ったらレア、リアが寝間着で部屋にやってきた、どうやら添い寝してくれるみたい。
そうして一日の終わりを迎えたのだった。
次の日、カグツチさんが連れてきた住人のなかから醬油、味噌を作れる人がいるか聞いてみた。
そうしたら何人か作っていた人が見つかった、ここでもやってくれないかとお願いしたら快く応じてくれたので必要な分の土地と建物を用意することに。
まだ空きの多い南側を整地することにして一人で作業を始める。
誰もいないのを確認してからシロを呼んで一気に作業を進め、近くに家を設置して、収穫して作業する建物を作り、5日くらいで準備ができたので引き渡したら驚いていた。
まだまだ土地の空きが多いので住民が来てくれることを願うばかり。
それからシェリルさんと相談して鉱山のない南側を切り拓いていくことに決めた。
さっそく森の調査をしようかと思っていたら、カグラから山賊の情報がもたらされた。
どうやらその山賊はアイアンウッドに移住しようとしている旅人を狙っているようだ。
ということでカグラたちの案内で山賊退治に向かうことに。
メンバーは俺とシェリルさん、あとはカグラと数人の忍びとなった。
アイアンウッドを出て西にある山へと向かう。
山賊のアジトはその中腹に穴を掘って作ってあるらしい。
このあたりの山岳地帯には複数の賊がアジトを作っているようだ。
そのアジトの一つへと向かう途中で丁度襲われている一団を発見したので救助に入る。
20人くらいの山賊に対し護衛が5人くらいで奮戦している。
カグラたちには反対側にから行くように告げてシェリルさんと突っこんでいく。
護衛との戦闘に集中していてこちらに気づいていなかったので不意打ちが見事に決まり5人を一気に倒せた。
最初にミスリル根で殴った一人は加減に失敗して遥か彼方へと飛んで行ってしまった。
それを見ていた複数人が動きが止まったのでチャンスとばかりに叩きのめしていく。
逆側から回り込んだカグラたちの奇襲も決まりすぐに全員捕らえることができた。
その一団はお礼を告げてアイアンウッドに向かっていった。
捕らえた賊をどうしようかと思ったが鑑定したら人殺しを生業としているようだったので、始末することになった。
しかし始末する前にまずはアジトに案内させることにした。
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