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エルウッドでの日々

70話



朝食を食べ終わってそれぞれが仕事に赴いたので、俺もベイカーさんのところへと向かった。


「おう、ミナトの旦那じゃないか。まだ武具は出来上がってないぜ。」


「それは別にいいですよ。ちょっとだけ、様子見に来ただけですよ。」


「来てもらって悪いが、面白いことは何もないぜ。」


「ベイカーさんが元気なのを確認できたらそれでいいですよ。」


「まあ何もないけどゆっくりしていってくれ。」


そういうのでベイカーさんの店の商品を見る。


昔よりも質のいいものが並んでいる。


しばらく商品を眺めてからベイカーさんのところを出たらすごい勢いで馬車がやってきた。


その馬車はすぐ目の前で急停車した。


すると中からゼスト商会会長のレオちゃんが出てきた。


「ミナトじゃないか。久しぶり。」


あまりの勢いに言葉が出なかった。


「丁度他国から帰って来たばかりなんだ。時間はあるかい。」


「今は予定はないです。」と答えたら馬車に連れ込まれてゼスト商会まで連行されてしまった。


ゼスト商会ではレオンさんがテンション高く出迎えてくれた。


そのまま執務室に連れていかれた。


「ミナトさん聞いてください。ラーメン店なんですけど出店してほしいという依頼がどんどん来てるんですよ。」


「それは嬉しいです。」


「もう、大工から忙しすぎると文句が来るくらいです。すでにエルウン地方には3店舗、ローウッド王国に3店舗、学園都市に1店舗開店してますよ。」


「そんなにですか。職人の育成は間に合ってるんですか。」


「もちろんです。変なものは出せませんからね。ただ新しい店舗はまだラーメンだけしか出せないんですよ。」


「それは仕方ないですね。」


と話しているとお茶が出てきた。


お茶を飲んでいると身ぎれいにしたレオちゃんもやってきた。


「実は今回の商談の帰りに面白いものを買ったんだよ。」


そう言ってレオちゃんが紙袋を机の上に置く。


「これは何ですか。」


「まあ見てくれたまえ。」と言われて中を覗くと茶葉が入っていた。


「茶葉のように見えますけど。」


「そう茶葉なんだけど、これはアヅチ帝国のお茶なんだよ。これから入れてみよう。」


そう言って湯を沸かしてお茶を入れてくれる。


なんとそれは緑茶だった。


久しぶりに飲んだ緑茶はとても渋かった。


「変わった色と味のお茶だろう。」


「そうですね。かなり渋いですね。」


「それがまたいいと思わないかい。普段飲まないものを飲むのも面白いだろう。」


そう言ってニコニコしている。


「アヅチは今内乱で大変だと聞きましたけどよく入れましたね。」


「中央には入れなかったけど、国境の辺りは比較的安全だったね。この茶葉はエルウッド王国の中にあった難民キャンプで購入したんだ。おそらくあの一団が春くらいに王都まで来るかもしれないな。」


無事にその一団がたどり着けることを願うばかりです。


それからしばらく会長からいろいろ話を聞いてその日は終わってしまった。


帰って夕食を作って、リーナたちと一緒に食べた。


夕食後の風呂にはハーフダークエルフのレアがやってきた。


緊張しているようだが大丈夫だろうか。


服を脱がされるところからだけどいきなり下からいった。


そしててんぱり始めた。


「レア、落ち着こう。深呼吸して。」


「スーハースーハー。落ち着きました。」と言って服を脱ぎ始める。


そして放置されている、目の前ではレアの脱衣が行われていく。


どうしようってプリシアを見たら、絶句していた。


とりあえず自分で服を脱ぐか。


服を脱ぎ終えると目の前には同じく脱ぎ終わったレアが。


目が合った、そして気づいたのだろう、ものすごく謝られた。


気にしなくていいからって言って風呂に向かう。


メルルもなかなかだったけどレアもいいですね。


しばらくしてようやくレアがやってきた。


そこからはそつなくこなしてくれた。


湯船に浸かると昨日のメルルと同様膝の間に入ってくる、ずっとこういう流れなのかな。


プリシアをみると頭を抱えていた。


風呂を出てリーナの部屋に帰る前にプリシアにあまり怒らないように言っておいた。


今日もライカのおかげでぐっすり眠れました。


次の日、昨日レオちゃんから教えてもらった難民たちがいるところへと行ってみた。


正確な場所はマッハを飛ばして調べておいたので、機甲トラックで半日で着いた。


そこは小さな村の近くだったのだが、きちんと柵で囲われていて集落のようになっていて、入り口には見張りがたっている。


烏合の衆ではなさそうなのでまとめているリーダーがいると思われる。


そこを訪ねると入り口で止められた。


「ここに何の用だ。」


「私はミナトと言います。レオナルドという商人にここで珍しいものが買えると聞いたので訪ねてきました。」


「見ての通りここは難民が集まっているだけの場所だ。よそ者を簡単に入れるわけにはいかない。」


「では、ここをまとめている人に会うことはできませんか。」


「そこは判断できないので、聞いてくるからまて。」


門番の一人が奥に行ったのでしばし待つ。


しばらくしたら門番が戻ってきて中に連れていかれた。


ひときわ大きなテントの前で門番が立ち止まって、中に声をかける。


中から「入れ。」って帰って来たので中に入る。


中には顔を仮面で隠した人物が座っていた。


見ためでは男性か女性かわからない、何よりも隙が一切ない。


「ワシはこの難民たちをまとめているカグツチという。今日は何用でここに来られたのか。」


「私はミナトと申します。ここにはレオナルドという商人から情報を得てやってきました。」


「そうか。しかし残念ながらここにはもう渡せるものはないのじゃ。」


「そうでしたか。それは残念です。変わった茶葉があると聞いていたので。ところでここは春まではもちそうですか。」


そう聞いたらカグツチさんの目つきが変わった。


「お主、本当の目的はなんじゃ。どこぞの貴族のように子供が欲しいならよそへ行った方がよいぞ。命が惜しくなければ別じゃが。」


と言って殺気を放ってきたがそこは受け流す。


「そんなものはいりませんよ。目的はただのおせっかいです。」


そう言うと殺気がなくなった。


「おせっかいとな。だがお主に何ができるのじゃ。」


「軽い食糧支援くらいなら。」


そう言うと何かを考え始めるカグツチさん。


考えがまとまったのか「食糧支援ができるといったな。だがここにはお主に払えるものがなにもない。それでも助けてくれるのか。」


「いいですよ。なにもいりません。」


そう言うと雰囲気が和らいだ気がした。


「では実情を話そう。正直春まではもたんというよりあとひと月が限界じゃ。嗜好品である茶葉なんかを出して交換してきたがもう出せるものはない。残っている食料が尽きればいよいよ子供を売るしかない。だがそんなことはしたくない。」


生きるために子供を売るのがこの世界では普通のことだ。


だからカグツチさんが甘いことを言っているのは確かだ。


でもそうしたくない気持ちはよくわかる。


「この集落の者たちは昔、アヅチ国で世話になった人に託されたのじゃ。だから何とか助けたかったのじゃが・・・・・・。」


そこで言葉に詰まってしまった。


きっと恩人に託された民を助けられないのがつらいのだろう。


可能な限り何とかしてあげたいものだ。

読んでくださってありがとうございます。


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