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エルフィナさんが空を飛ぶ

67話



キマイラを討伐してマリンウッドへと帰った翌日、俺はマリンウッドの領主カシムさんに誘われて宴に参加していた。


氾濫が起こる前に危機を未然に防いだ4人に対する労いということだ。


テーブルには海の幸がたくさん並んでいるが全て塩で焼いただけの物なのでエルフィナさんも苦笑いしていた。


個人的には久しぶりの魚は嬉しかったが刺身とかも食べたいので後で新鮮なのを買いに行こうと思った。


大量に買ってもイベントリーなら何の問題もないし、仮にマグロのように熟成させた方が美味しい魚があればそれは冷蔵庫に入れてアイテムボックスにしまえばいいのだ。


アイテムボックスも十分便利なスキルだと思う。


まあとりあえず今は塩焼きを楽しむしかない。


そう思っていたら酒を持ったエルフィナさんに絡まれてしまった。


「ミナト、しっかり飲んでいるか。」


「エルフィナさん、飲んでませんよ。もう酔っぱらっているんですか?」


「バカモン。これくらいで酔うわけがないだろう。ほらお前も飲め。」


そう言って酒瓶を口に突っ込まれた。


「ゲホゲホ。いきなり何をするんですか。」


「どうだ美味い酒だろう。問題が一つ減ったら酒もうまくなるってもんだ。」


うわぁ、エルフィナさんずっとこっちで復興支援してるからストレスが溜まってるのかもしれない。


ということはこっちに来ている騎士団もストレスが溜まっているかも。


それなら少しは協力してあげようか。


「エルフィナさん、復興の方は順調なんですか?」


「順調なわけないだろう。この寒さで震えながら作業して士気は下がる一方だが急がないといけないからな。私だって放置したいくらいなのに。」


「わかりましたよ。じゃあ明日はお昼で作業を終わってもらってみんなで美味しいもん食べましょう。」


「本当かミナト。さすが話が分かるじゃないか。」


そう言って背中をバシバシたたかれた。


しかし全員が集まれる場所は浜辺しかないからBBQでもするか。


みんなには肉を食わせて自分は海の幸を堪能しようと思った。


宴も終わって夜は領主邸に泊まらせてもらうことになった。


『なあティピ。チュートリアルの世界に海はないのか。』


『海が欲しいの?』


『正確には海の幸がいつでも好きな時に食べたいんだが。』


『私の能力が上がったことでチュートリアルの世界は拡張できるわよ。作ってあげようか。』


『できるのか。それならやってほしい。』


『じゃあ今晩はしっかりオーラを補充してよね。』


『マスターそれなら私も補充してほしいです。』


確かに最近いつも誰かと一緒でティピ達に補充してなかったからちょうどいいか。


風呂に入ってから部屋に帰ってティピ達に補充したんだけど、ティピが前より大きくなったからちょっと恥ずかしさが増して照れてしまう。


かなりたっぷり補充したので自分も疲れて眠ってしまった。


翌朝、早めに起きて港に向かうと丁度船が戻ってきて、取れた獲物を売る準備をしていた。


商品を見て、大量に購入していく。


鮮度が大事なのでどんどんイベントリーへと収納していく。


買うのに夢中で気がついたらかなりの時間がたっていた。


浜辺へと向かってBBQができるように準備をしていく。


昼前には何とか準備が終わったのでみんなが来る前に先に貝や海老を焼いて堪能しておく。


久しぶりの味に一人で感動している。


存分に堪能し終わったころ、エルフィナさんが騎士たちを引き連れてやってきた。


「ミナト、連れてきたぞ。」


「じゃあそれぞれの竈のところに肉とか野菜、酒も置いてあるので好きに焼いて存分に食べてください。」


そう言ったらそれぞれグループになって竈を囲んで肉を焼き始めた。


俺のところにはエルフィナさんが来て肉を待っているのでどんどん焼いていく。


「うめえ。何の肉かはわからないけど。」「いえこのタレが最高に美味しいわ。」


所々で歓声が上がっている。


オークとミノタウロスの肉はうまいだろう。


「ミナト、もっとどんどん焼いてくれ。全然足りないぞ。」


「そんなに急かさなくてもどんどん焼きますよ。」


このBBQは日が沈むまで続き、気がついたらカリムさんやガルシアさんが混ざって酔っぱらっていた。


みなさんストレスが溜まっているんだね、お疲れ様です。


領主邸に帰ったら風呂に入ってからエルフィナさんの部屋を訪ねる。


「どうしたんだミナト。もしかして夜這いにでもきたのか。」


「そんなわけないじゃないですか。」


「なんだこんな年増には魅力を感じないということか。」と言いながら腰をくねらせる。


「いやいやからかうのはやめてくださいよ。」


「なんだつまらないなぁ。もっとのってくれていいんだぞ。」


「洒落にならないですから。その内本気になったらどうするんですか。」


「私は夫もいないから問題ないが。」


そんなことを真顔で言うのもどうなんだろう。


「リーナになんて言えばいいんですか。まあそれは置いておいて、今回マリンウッドに来たのはエルフィナさんに相談があってきたんですよ。」


「相談とは?」


「春になったら空を飛ぶ輸送部隊をデビューさせる予定なんですけど。」


「それは面白そうだな。だが本当に飛べるのか?」


「もちろんですよ。今は訓練の最中ですけどちゃんと飛べますよ。」


「じゃあ明日試しに見せてくれないか。話はそれからにしよう。」


「分かりました。じゃあどこか人目のないところでお願いします。」


「わかった。」


「ではこれで戻りますね。」


「なんだ私と同衾していかないのか。」


「そんなことしませんよ。」


そう言って逃げるように部屋を出た。


その日はさっさと布団をかぶって寝ることにしました。


次の日、朝食を終えてエルフィナさんと森の方へとやってきました。


約束通り空を飛んで見せるためだ。


「じゃあ、早く見せてくれ。」と急かすので、


「わかりましたよ。」って言って飛行ユニットを装着して浮かんでいく。


「おお、本当に浮くんだな。だがそれだけではスキルの空歩でもできる。」


「まあこれからですよ。」


そう言って20メートルくらいまで上がって、20キロくらいで飛んで見せる。


しばらくやって見せてからエルフィナさんのところまで降りる。


「どうでしたか。」


「いいじゃないか。私も飛んでみたいぞ。」


エルフィナさんならそう言うと思ったので用意しておきました。


「じゃあこれをどうぞ。これにオーラを込めると自動で登録されて専用装備になります。」


飛行ユニットを渡して装着してもらう。


「早速飛んでみたいんだが、どうしたらいいんだ。」


「最初に片腕に装備している腕輪にオーラを流してください。そうしたら飛行ユニットが起動して浮かび上がっていきます。慣れてきたら両腕にオーラを流すと飛べますけど、エルフィナさんだと全力でオーラを込めると200メートル上空を50キロくらいまで加速するからいきなりは危ないですよ。」


「わかった。さっきのミナトみたいに調整したらいいんだな。」


そういって早速オーラを込めて飛んでいくエルフィナさん。


一応自分もユニットを起動して一緒に空へ上がる。


流石にエルフィナさんはオーラコントロールもレベルが高いのか自由に使えているようだ。


「エルフィナさん、もし全力で飛ぶならオーラシールド張らないと死ぬほど疲れますよ。」


って言ってみたがエルフィナさんは森の方へと飛んで行ってしまった。


しばらくしたら戻って来たけど


「ミナト、これはスピードを出したら危険じゃないか。」


って青い顔して帰って来たので、


「だからさっきオーラシールド張らないと危ないって言ったじゃないですか。」


「聞いてないぞ。」


とりあえずポーションを渡しておく。


「これの有用性はよく分かった。春までに帰って部隊の運用についてまとめておこう。それとこれはもらっていいんだな。」


「どうぞ。まあ登録したのでもうエルフィナさんしか使えませんけどね。」


そういって2人で地に降りる。


領主邸に帰る途中からエルフィナさんは僅かに浮いて帰った。


義足で歩くよりも楽だとのことだ。


地面に足をつかないで行くスタイルはどこかの便利な猫型ロボットの真似だろうか。

読んでくださってありがとうございます。


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