孤児院が燃えた
60話
2人の話を聞いて、オブリンへの怒りとヒナとレナへの可哀想という気持ちがあふれてくる。
みんなも話を聞いて2人を慰めている。
2人にはしばらくここにいることを提案してみた。
おそらく孤児院もオブリンのせいで困窮しているのだろう。
そのことをリーナにも話したけど、エブリンの時のように明確な証拠がないと貴族を裁くのは難しい。
下手をしたら侮辱罪でこちらが罪に問われかねないと言われた。
貴族同士なら何とかなっても立場が一般人だとかなり不利になるようだ。
リーナも協力してくれるみたいだが、今は様子を見るしかない。
夕食は簡単にオークを使った豚丼にしておいたけどヒナとレナは感激していた。
夜は俺の部屋で寝てもらって、約束したとおりカティアの部屋に行ったらプリシアと二人で待っていた。
部屋を暖かくしてネグリジェ姿でベットに腰かけていた。
「ミナトさん。お待ちしていましたわ。」
「二人共寒くないかい。個人的には眼福だけど。」
「そう言っていただけたら待っていた甲斐がありますわ。せっかくミナトさんがいらっしゃるのにあんまりかわいくないにもどうかと思いまして。寝る前には上着をきますので。」
そんな二人の心遣いに感謝をしながら、2人の姿を楽しませてもらいました。
しばらく時間を過ごしてからリーナの言ってたことを思い出した。
「カティア、プリシア、最近一緒の時間が少なくてごめん。」
そう言って2人に頭を下げる。
「ミナト様、頭を上げてください。」
「そうですわ。頭を下げる必要なんてありませんもの。」
「でも実際にあんまり時間が取れてないし。」
「ミナト様も忙しいのはわかっていますから。」
「もし気にしてくれるんでしたら私達にも何かお手伝いさせてくださいませ。」
そう言われると2人は婚約者だから秘密にする意味のないことに気づいた。
「じゃあ明日から今やってる訓練に参加してもらってもいいかな。」
「「はい。喜んで。」」
こうなるとリーナとアンジェリカも呼んでおかないとね。
「じゃあそろそろ寝ようか。」と言ってベットに入ると右にプリシア、左にカティアが入ってきて
「「おやすみなさい。ミナト様。」」と耳元で囁かれる。
「おやすみ。」って返して寝ようとするが眠れない。
しばらくして、両方から寝息がきこえてくる。
少し腕を動かそうとすると手がどちらかの足に触れてしまう。
程よい柔らかさが手に伝わってくるから余計に眠れない。
少しくらいなら触っても問題ないって考えと、自分から触ると自制ができなくなるって考えとで葛藤していると助けはやってきた。
『今日もティピちゃんにお任せよ。』
ってティピがやってきてぐっすりと眠ることができたのだった。
次の日、朝食を終えてヒナとレナはユカとチヨちゃんと一緒にサラさんに預けておいた。
その後、リーナとアンジェリカを迎えに行ったらリリスとリリイも付いてきたけどまあいいか。
訓練所に行って早速訓練を開始した。
宙に浮いているアイリス、レイン、ミレイヌを見てみんな驚いている。
「にい、わたしもやりたい。」とリリイが言ったのをきっかけにみんなやってみたいと言い出した。
予備の分もあるんでみんなに装着してみた。
全員に使い方の説明をして実際に使ってもらう。
みんなが少し浮いていき50センチくらいで一度止まってもらって移動の練習をしてもらう。
慣れてきたら自分で高さを調整してもらう。
ここでまた注意を忘れてたことに気付いた。
みんなが高さをあげていくとスカートの中が見えてしまうことを。
人数が多いとどこを見てもチラチラ見えてしまって困る。
よそ見をしていたら気づくのが遅れて飛んできたリリイを避けるのを失敗して押し倒される。
目の前には白い下着が見えている。
「にい、ごめん。」
「こっちこそゴメン。よそ見してた。とりあえず見えてるからどいてくれるかな。」
そう言ったら僅かにリリイも頬が紅くなる。
そしてゆっくりとした動作で上から降りてくれる。
しかし倒れていたのでみんなの下着が思いっきり見えてしまう。
すぐに立ち上がってみたら今度はアンジェリカが飛んできた。
今度はうまく受け止めようとしたら焦ったアンジェリカが方向を変えようとしたので手が思いっきりアンジェリカの胸をつかんでしまった。
程よい大きさの胸の感触が素晴らしいです。
「ごめん。」と言ってすぐにアンジェリカをゆっくりと手放すと
「だ、大丈夫ですわ。」と言って照れて飛んで行った。
それを見送ってからアイリス、レイン、ミレイヌを呼んで降りてきてもらう。
そして3人にはオーラシールドの使い方を教える。
でもまだオーラコントロールのスキルレベルが低いのか習得はできなかった。
この3人で使えないなら新しい隊員は全員使えないだろうから対策を講じる必要がある。
でもそれはミリアリアさんへのお披露目までにできていたらいいので今はできなくても問題ない。
考え事をしていたらリリイがまた突っ込んできていた。
受け止めたけど高さがまずかった。
丁度リリイの胸に顔が埋まってしまった。
「にいのエッチ。」
不可抗力じゃないかなって思っていたら後ろから抱きしめられて後頭部も柔らかいものに包まれる。
「リリイ、ミナトは私のですよ。」
どうやら抱きかかえてきたのはリーナのようだ。
やはり胸はリーナの方が大きいなあと考えてたら
「姉さま、わざとじゃない。」
「それならいいんですけど、ミナトですから。」
リーナ心配しなくても大丈夫だからと思いながら2人を引き離す。
それから昼食をみんなで食べて引き続き練習をしている。
リリス、リリイ、アンジェリカはオーラが尽きてしまったのでポーションを渡して休んでもらっている。
一通り夕方まで訓練をして解散となった。
レイン、ミレイヌ、アイリス、の3人は明日は実際の空を飛ぶ訓練をすると伝える。
リリスとリリイ、アンジェリカには飛行ユニットのことは秘密にしておくように言っておいた。
次の日、4人で王都を出発して人気のないところへと移動して飛行ユニットを起動する。
4人が空へと飛んでいき50メートルくらいで止まる。
「これからオーラシールドを展開している状態と無しの状態で馬車くらいのスピードで飛ぶのを体験してもらいます。じゃあ最初は無しで。しっかりついてきて。」
そう言うと時速20キロくらいまで加速してしばらく飛んで停止する。
「どうだったかな。」
「めちゃくちゃ寒いしスピードの維持がしんどいよ。」
「体力の消耗が激しいです。」
「長時間は飛べないと思います。」
しっかりと理解してくれてよかった。
「じゃあ次にシールドを展開して飛ぶからついてきて。」
そう言ってみんなを包むようにシールドを展開して飛んでいく。
しばらく飛び回って停止して感想を聞いてみる。
「さっきとは違って楽ちんだね。」
「これならずっと飛んでいられます。」
「体力の消耗もそんなにきつくないですね。」
「みんながオーラシールドの重要性を実感してくれて嬉しいよ。じゃあ一旦降りようか。」
降りて果汁ポーションを配って休憩する。
さらに夕方まで訓練をして王都へと帰ると遠くの方で黒煙が上がっているのが見えた。
4人でそちらへと走っていく。
燃えていたのは孤児院だった。
敷地の中では消火活動が行われていてすぐにそこに参加する。
消火が終わったので状況を確認していく。
逃げ遅れていた子供はムサシさんが飛び込んで助けたらしい。
肝心のムサシさんは怪我をしたアンさんの傍にいた。
院長に話を聞くと頻繫にきていたチンピラが孤児院に火を放ったらしい。
アンさんは子供たちを守ってやけどを負ってしまったようだ。
院長が今子供たちを確認している。
とりあえずムサシさんに中級ポーションを渡してアンさんに使うように言っておいた。
院長が確認している間に怪我をしている子供がいないか調べて回ったが大きな怪我をしている子はいないようだ。
「ミナトさん、子供が3人いません。院内には誰もいないのでおそらく先ほどのやつらに連れていかれてしまったのかもしれません。」
「わかりました。ちょっと探してきます。」
「すいませんがよろしくお願いします。」
レイン、ミレイヌ、アイリスを連れて探しに行く。
怪しいのはヒナたちを売ろうとしていたオブリンだと思うんだが、どこがオブリンの潜伏先かはわからない。
アイリスに聞いたら屋敷はわかるらしいのでまずはそっちに行ってみるが、屋敷は静寂に包まれている。
ライカに中を探ってもらったが孤児院の子供はいそうにない。
ティピが今王都を探索してくれているけどまだ発見の知らせはない。
あとは怪しそうなところを調べていくしかない。
一旦商店街の方に戻ってチンピラを見た人がいないか聞き込みを行うことにした。
しばらく聞き込みを行ったが有力な情報は出てこない。
これはもう無理かもと考えた時、ティピから念話がきた。
『ミナト、歓楽街のところにチンピラの仲間を見つけたわ。』
3人を連れて歓楽街へと向かうと、確かに以前孤児院へときていたチンピラの一人だった。
捕まえて孤児院のの子をどこに連れて行ったかを尋ねる。
チンピラは快く教えてくれた。
チンピラから聞いた建物へといくと門番に止められたが押し通って入っていく。
どうやらここは特殊な趣味をした者が集まる娼館のようだ。
そこら中に成人していないと見受けられる女の子が男の相手をしていた。
『ミナト、レンちゃんを見つけたわ。』
ティピが孤児院の子を見つけたようだ。
その部屋へと行く途中でチンピラが襲い掛かってくるがレインとアイリスが蹴散らしていく。
最上階の最も豪華な装飾を施された部屋の前には大柄な男が立っていた。
「なんだお前らは。」
「悪いが通らせてもらうぞ。」
「通すわけないだろうが馬鹿が。」
そう言って殴りかかってきた男の拳を受け流して後ろへとそらして足を払うと男はそのまま後方へと倒れこむ。
その男の顔をミレイヌが蹴ると後に続くかのようにレインとアイリスが蹴る。
そのまま男は何もできないまま気を失った。
男が意識をなくしたのを確認した後、豪華な装飾の扉を開けようとしたが鍵がかかっていたので扉を蹴り開ける。
部屋の奥には変態が2人いた。
1人は服を脱がされ下着姿のレンちゃんの足をペロペロとなめていた。
もう一人は2人の子のお尻を出させて鞭で打とうとしていた。
2人の変態はこちらに気づくと
「誰だ貴様たちは。どうやってここに入ってきた。」
と叫んでいるが答えてやる気もないので一瞬で近づいて扉の方へと蹴飛ばす。
扉のところでは3人が待ち受けていて2人の変態をボコボコにしている。
変態2人は何かを言おうとしていたが、言わすわけがない。
もし、もし仮にそれが貴族だった場合知ってしまったら厄介だから知らないうちに処理して警備隊に突き出してしまう作戦だ。
だから顔で判別できないくらいまで容赦なくやってもらおう。
3人に「もう大丈夫だよ。」って声をかけてあげると
「お兄さん、怖かったよぅ。」ってレンちゃんが抱き着いてくる。
他の2人もこっちに飛びついてきた。
泣き止むまでよしよしと頭をなでてあげる。
落ち着いたら3人に服を着せて変態2人と大柄な男を引きずって建物を後にする。
そして警備隊の詰め所にいって孤児院の襲撃及び誘拐の犯人として引き渡しておいた。
その後、孤児院に3人を連れて帰ると院長とムサシさんが迎えてくれた。
「ミナトさん、ありがとうございました。」
「ミナト殿、拙者がいながらすまぬでござる。」
「みんな無事だったからいいじゃないですか。」
そう言ってめでたく終わるものでもない。
孤児院の建物が半分くらいは燃えてしまったのだ。
どうしようかと思っていたら商業ギルドのイリアさんが職人を連れてあらわれて、すぐさま敷地内に仮設の建物が用意されたのだった。
行動の早さに驚いて聞いてみたら、リーナに頼まれて孤児院の件を調べていたところに、孤児院が燃えていると聞いたイリアさんはすぐさま職人と材料を集めて来てくれたらしい。
明日からすぐにでも燃えた建物の取り壊しと、新しい孤児院の建設が始まるとのことだ。
資金はどうするのかと聞いたら、孤児院の補助金が不正に使用されていたのを発見したのでその貴族から取り立てるらしい。
なぜイリアさんがそんなことを調べられるのかと聞いたらが秘密ですって言われてしまった。
あとついでに屋敷を購入した書類もできているのでいつでも取りに来てくれていいと言われた。
その後城に帰ったら、帰りが遅いのをリーナたちが心配してくれていた。
さあ明日から新米訓練だ。
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