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メイドさんを助ける

58話



朝、目覚めると、朝が苦手なレインが寝ぼけて顔を抱きかかえてくる。


顔がレインの胸に埋まっていく。


心地よい感触に、このまま二度寝してしまおうかという誘惑が襲ってくる。


少しの間楽しませてもらって意を決して布団から出て着替える。


ベットを見るとレインが今度はアイリスを抱え込んでいた。


部屋を出る前に暖炉に火をつけておく。


これでみんな起きるときには暖かくなっているだろう。


厨房はまだ誰もいないのでさっさと準備に入る。


寒い日は温かいスープは必須だと思うので、朝から芋のスープを用意しておく。


野菜も温野菜にしてプレートに盛り付けて持っていく。


部屋に帰るとまだみんな寝ていた。


どうやら部屋が暖かかくて二度寝してしまったみたいだ。


時間はまだ早いからどうしようかなって思っていたら起きたミレイヌがベットで手招きしてくる。


なにか用かなと思って近づいたら布団の中に引っ張り込まれてしまった。


「まだみんな寝てるからミナトさんもゆっくりしたら。」


「偶にはそれもいいか。」


「そうしよそうしよ。」って言って抱き着いてくる。


しばらくミレイヌとイチャイチャしていたら部屋にカティアとプリシアがみんなを起しに入ってきた。


そのままミレイヌの布団に入っているのを見つけられた。


ミレイヌにずるいと文句を言いだしたので、今日の夜はカティアとプリシアに添い寝してもらう約束をして事なきを得た。


朝食を終えて訓練所にレイン、ミレイヌ、アイリスをつれて向かった。


軽く準備運動をして身体を温めてから本題に入る。


3人にそれぞれ飛行ユニットを背負ってもらう。


「じゃあみんな両手のリストバンドにオーラを流してみて。ゆっくりね。」


レインとアイリスはゆっくり浮かび始めたが、ミレイヌは一気に空に飛んで行った。


「きゃああああああ。」


急いで跳びあがってミレイヌを受け止めてあげる。


「ミレイヌゆっくりって言っただろ。」


「えへへ。ゴメンミナトさん。でもすごいね!空に浮かんでるよ。」


「いい景色だろ。でも一旦降りようか。ゆっくり降りてみて。」


そう言ってミレイヌと一緒に降りていく。


下では地面から50センチくらいをフワフワ浮いているレインとアイリスと合流する。


「じゃあそのままゆっくり訓練所を飛んでみてくれ。」


と言ったらバランスを崩したレインが突っ込んできたので受け止める。


「すいません。」


「大丈夫か。焦らずゆっくりやってみて。やりにくかったらもう少し高めでやってもいいよ。」


「わかりました。」


レインを離すと今度はアイリスがお尻から突っ込んできて受け止めるのに失敗してもつれるように倒れ込んだ。


「すいません。ミナト様。」


「どこもケガしてないならいいよ。」


3人とも少し慣れたのか2メートルくらいで飛び回っているんだけど、気づいてしまった。


着ている服がスカートだから下着が見えてしまっている。


怪我などしないよう見守らないといけないけど、見ると下着が見えてしまう。


葛藤しながら昼まで過ごすことになった。


それからしばらく飛び回っていたが初めてのことなので、みんな昼前には疲れてしまったようなので今日の訓練は終わりにした。


昼からは3人を連れて出かけることにした。


商店街の衣服店でみんなにズボンを買わないと明日からが大変だ。


それでやってきたのは新しく開店したばかりのラビットというお店だった。


中に入ると「いらっしゃいませ。」と店員さんが迎えてくれた。


「本日は何をお探しですか?」


「女性用のズボンを見に来たんですがおいてますか。」


「それならこちらにあります。」


案内されたところを見てみるがこれと思うものが見つからず悩んでいると


「よければオーダーメイドもできますよ。」と提案されたのでお願いすることにした。


どうせなら隊服を作ってもらおうと、エルウッド王国の騎士をイメージできるようなデザインで防寒機能をつけて上下で男性用と女性用の服を頼んだら快く応じてくれた。


また2日後に来ることにして3人には、とりあえずタイツみたいなのを下に履いて明日からの訓練をお願いする。


今もニーソックスのようなのは履いてるんだけどそれだと下着が見えてしまうので。


でもそれで察したのだろう、3人は恥ずかしそうにしていたけど、3人でどうせならもっと可愛いのを履いておけばよかったとか言ってるのは聞こえないふりをしておこう。


ラビットを出て帰ろうとしたら、ボロボロのメイド服を着た女の子が走ってきた。


「お願いします。助けてください。」


と言っていろんな人に頼んでいるけどみんな避けていく。


後ろの方から「待ちやがれ。」と追いかけてくるチンピラ風な男。


どこかで見たことあるなって思っていたらアイリスが前に孤児院に来てたやつだと教えてくれた。


女の子がこっちに走ってくる。


「どうかお願いします。助けてください。」


と頼まれたので後ろに隠してあげる。


しばらくして男たちが通り過ぎていったのを確認して女の子の方を向いて


「行ったみたいだけど、どうしたの。」


って聞いたけど答えてくれなかった。


3人が聞いても震えてるだけで答えてくれない。


困っていたら後ろの方から大柄な男がメイドを1人鎖で繋いで引きずってあらわれた。


メイドさんは大分痛めつけられたのか呻いているだけだった。


大柄な男が「どこにいるんだいレナちゃん。出てこないとおねいちゃんが痛い目にあうよ。」


そう言うと引きずっていたメイドを前に立たせた。


「この辺にもいないのかな。まあお仕置きしていたらどこかで見れるかもしれないからね。」


メイドを四つん這いにさせると持っていた棒を振り下ろそうとする。


とっさに割り込んで棒を受け止めてしまった。


「女の子を棒で殴るなんてひどくないですか。」


「ああん。何だお前は俺の邪魔をすると許さねえぞ。今すぐどけば見なかったことにしてやる。おれはこう見えて元Aランク冒険者なんだぜえ。」


そう言って顔を近づけて睨みつけてくる。


「わかりました。どけますね。」


そう言ってメイドさんを抱えて反対側にどける。


メイドさんはここに来るまでに何度もたたかれてきたのだろう、所々赤くはれている。


足の方は切れて血が出ているところもある。


男は何もないところに棒を振り下ろして地面を力一杯殴ってしまっていた。


それを見ていた人たちはクスクス笑っている。


恥をかいた男は大声で怒鳴りだした。


「今笑ったのは誰だ。出てこい!」


男の周りに部下と思しき奴らが集まってくる。


野次馬たちはみんな蜘蛛の子を散らすかのように去っていく。


その流れに乗って俺もそそくさと逃げる。


レインたちも同じ様に女の子を隠しながら逃げたようだ。


男たちの周りには誰もいなくなってしまった。


「おいさっきの男はどこに行った。」


「さあボスが怒鳴り散らしている間にみんないなくなったのでわかりやせん。」


「馬鹿かお前らは。なんで見ておかなかったんだ。」


「あっしらはボスの怒鳴り声で集まって来ただけで何があったかはしりやせんよ。」


「使えねえなお前らは。逃げられちまったもんは仕方がねえ帰るぞ。」


「逃げたメイドはどうしやすかボス。」


「こうなったらごまかすしかねえ。メイドは途中で死んだことにしておくいいな。かわりに店から誰か引っ張ってこい。」


「わかりやした。」


男たちはそんなことを言いながら去っていった。


そんなことでいいんだろうか。


問題が大きくならずに済んだならよかった。


まずはこの子の手当てをしないと。


路地裏に入って中級ポーションを飲ませてあげる。


傷が治ってメイドさんの意識が戻る。


「んっ、あ、あなたは誰ですか。妹はどこですか。」


「私はミナトといいます。妹さんのことはわからないけど君を引き摺っていた男たちはどこかへ行ったよ。」


「もしかして助けていただいたのでしょうか。」


「結果的にはそうなるかな。」


それを聞いてしまったって顔をして


「すいません。助けていただいたのに失礼なことを言ってしまって。ありがとうございます。私はヒナといいます。」


「別に大したことはしてないからいいよ。」


よく見たら金髪のショートカットの似合う可愛い子だった。


メイド服はボロボロで発展途上の胸とかいろいろ見えてしまっている。


このままほっておくのも不味いので自分の方に寄せてマントの下に抱き上げる。


「あの、急にどうされましたか。」


「ちょっと格好が表を歩かせていい恰好じゃなかったから。一旦うちにおいで。」


「そ、そんな悪いです。それに妹を探さないと。」


と言いながらどこに連れていかれるのか警戒しているように見える。


「安心して大丈夫だよ。妹ちゃんも後で探してあげるよ。」


「・・・・・・。」


あれぇ、なんか余計警戒したような。


まあとりあえず表に出よう。


表に出たらレインと出くわした。


「ミナト様。先ほどの女の子なんですが気を失ってしまったので先にアイリスとミレイヌに連れ帰ってもらいました。それでどうしてミナト様は女の子を抱きかかえているんですか。」


そう言ってレインが怪しげな目線を向けてくる。


「ちょっと格好が外を歩かせていい恰好じゃなかったから。」


そう言ってマントの中を見せると納得してくれたようだ。


「では急いで帰りましょう。」


そう言うとレインは俺の袖を引っぱっていくのだった。


読んでくださってありがとうございます。


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