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お風呂には誰かが来る(仮)

55話



ミナトがレベルアップキャンプで婚約者とイチャイチャしているころ王都では苛立っている男がいた。


男の名はオブリンと言ってエブリンの従兄弟である。


見た目もエブリンそっくりなのだが一応エルフである。


「まだなのか。なぜ未だに一人も確保できていないのだ。」


「申し訳ございません。なぜかタイミング悪く邪魔が入っているようでして。」


「言い訳など聞きたくはないわ。これ以上遅れるとせっかくの機会を逃すことになる。なんとかしろ。」


「全力を尽くすように伝えておきます。」


「全力なんぞぬるい。死ぬ気でやれとつたえよ。」


オブリンが苛立ちを隠さずに言うと男は出ていった。


オブリンは部屋の椅子を蹴とばして怒りをぶつけてから呟く。


「俺はエブリンのような間抜けとは違うのだ。やつはただ欲望のままに無駄な脂肪を持った女を親の権力を使って者にしようとして失敗した。噂ではミナトとかいう男にやられたということだが実際には護衛のシズクにやられたに違いない。シズクの強さは有名だからな。俺は一度だけミナトという男を見たが騎士団の訓練にもついていけない情けない男だったからな。」


オブリンは棚から酒を取り、封を開けてグラスに注ぐ。


それを一気に飲み干し、さらにグラスに注ぎながらつぶやいている。


「もしかしたらダニスのやつがエブリンを倒したのかもしれんな。なんせ奴は最近第三騎士団の副団長になったからな。密かに実力をあげていたに違いない。」


オブリンはベルを鳴らしてメイドを呼びつまみを用意させる。


見た目の幼いメイド達がつまみを運んでくるが、1人が先ほどオブリンの蹴った椅子に足を引っ掛けてしまいつまみごと転んだのを見て立ち上がってメイドの傍に行き蹴り飛ばす。


「貴様はつまみすらまともに運べないのか。」


「ごめんなさい。ごめんなさい。失敗してごめんなさい。」


メイドは怯えて震えている。


それをみたオブリンは笑みを浮かべてそのメイドを踏んづける。


「お前のような間抜けは俺様のような偉大な者が優しくも慈悲で雇っていることを感謝するんだな。」


メイドは泣いているが誰も助けることはできない。


今この無慈悲な主人にたてついたら次は自分の番になってしまうからだ。


「失敗したものにはお仕置きが必要だな。おいそこのお前、俺の机の上にある鞭を持ってこい。」


指名されてビクッとしながら恐る恐る鞭を手に取り持っていく。


恐怖で震えていたためかオブリンに渡す際に鞭を落としてしまう。


「この無能めが物を渡すこともできないのか。」


怒鳴りながらそのメイドを蹴る。


蹴られたメイドは「ごめんなさい。ごめんなさい。どうか許してください。」と叫びをあげるかのようにいう。


「自分が失敗したのに許せだと、どうやら反省していないようだ。」


オブリンの顔が歪な笑みを浮かべ始める。


「これは主人自らお仕置きをせねばならんようだな。おいお前らこの2人を連れて壁に並べて尻を出すのだ。」


オブリンがそう命令すると2人のメイドが叫び始める。


「「ごめんなさい。ごめんなさい。何でもしますからどうか許してください。」」


「ほう、素直に主人のお仕置きを受け入れぬとは、反省する気がないようだな。おいお前ら早くこいつらを移動させて準備しないとお前らにも仕置きを行うぞ。」


そう宣言されてほかのメイドは急いで2人を壁際に連れて行こうとするが、恐怖からメイドの一人が暴れて連れて行こうとしたメイドを押してしまう。


押されたメイドはバランスを崩してオブリンの足を踏んでしまう。


「貴様主人の尊い足を踏むとは何事だ。」


そう言ってメイドを殴り、髪をつかんで壁際に連れていきメイド服のスカートを引き裂いて、パンツをおろすとその尻に向けて鞭を打ち付けた。


バチンという音が響き「いだいいいい。」


メイドはその痛みに耐えきれずに叫んでしまう。


そして漏らしてしまいそれがわずかながらオブリンの靴を汚す。


「俺様の靴を汚すとは反省が足りん。」


そう言ってさらに鞭を打った。


メイドの叫びが部屋に響く。


それで気をよくしたオブリンは3人のメイドが気を失うまで鞭を打ち続けたのだった。


------------------------------


次の日、ミナトご一行は今日も地竜を狩りレベルアップに励んでいた。


今日はボスも倒して奥へと行くつもりだ。


昨日の夜にエルフィナさんに連絡してみたらボスを倒しても一定期間内に開発をしないとボスが復活するらしい。


それならレベルアップを加速するためにはボスを倒した方がいいとの判断だ。


拠点としてしている泉から南に進んで地竜を倒して進むとボスが見えた。


こちらはクレイジーベアという名前のモンスターで防御が高いようだが今の俺なら楽勝だろう。


この辺はなんだかんだ言ってもまだ森の浅い部分だから。


クレイジーベアをミスリル棍の連続突きで一気に倒してしまう。


後ろではレイン、ミレイヌ、アイリスがポカンとしている。


クレイジーベアを回収していると3人が駆け寄ってきた。


「ミナト様、さすがです。」


「ミナトさん、すごいね!」


「信じられませんボスをあっさりと。」


おう、そんなにキラキラした目をされても反応に困るよ。


「そんな大したことでもないよ。それよりもう少し奥まで行ってみよう。」


さらに進むが少し強くなったハイオークなどのモンスターが出てくる程度だった。


しばらく狩りを続けてから拠点に帰った。


今日のご飯はハイオークの肉のケチャップ炒めにしてみた。


でも初めてのアイリスもいるから塩のみで焼いたものも用意しておいた。


あとは野菜スープとご飯も炊いて完成だ。


「これがハイオークですか。」


そう言いながら塩のみで焼いた方を食べるアイリス。


「これはミノタウロスの肉とはまた違って美味い。」


ハイオーク肉を食べ白米を搔き込んでいく。


ケチャップ炒めの方も好評でご飯がすすんでいるようだ。


3人がそっとお代わりを要求してくる。


こんなに美味しそうに食べてくれると嬉しくなってくるので自然と顔が緩んでしまう。


「ミナトさん、なんだか嬉しそうだね。」


「みんなが美味しそうに食べてくれるからね。作り甲斐があるってもんだよ。」


「ミナト様の作るご飯はいつでも美味しいですから。」


「ミナト様のもとで食事に対する概念が変わってしまいました。」


「じゃあ、遠慮なくたくさん食べてくれよ。」


今日の食事もみんな満足してくれたみたいだ。


ベイカーさんだけは気を失ったままだが。


とりあえずお風呂に入ることにして湯をかけて身体を洗おうと思ったら今日も誰かが入ってきた。


「ミナト様、お背中をながさせていただきます。」


そう言ってそこにいたのはタオルを巻いたアイリスだった。


「ア、アイリス。ど、どうしたんだ一体。」


「いえ、レインもミレイヌもやっているようですし、私もしたほうがいいのかなって思って。」


「いや別にそんなことはないぞ。レインもミレイヌも俺の婚約者ってだけだから。」


「そうなのですか。・・・・・・。」


見つめあったまま気まずい空気が流れる。


俺は座ったままなので自然と立っているアイリスを見上げる形になるが、アイリスは胸が大きいので駄目だと思いつつもついつい視線がいってしまう。


「あの、そんなに胸を見られると恥ずかしいのですが・・・・・・。」


「ご、ごめんつい。」


急いで後ろを向く。


「でもせっかく来たので背中流しますね。第三騎士団でもよくレイチェル様の背中を流していましたから。」


そう言って石鹼を泡立てて背中を洗ってくれる。


「痒いところとかないですか。」


「ああ、大丈夫だよ。気持ちいいくらいだ。」


「レイチェル様もよくそう言ってくださいました。気に入ってもらえたならなによりです。」


洗い終わってお湯で流すとアイリスは出ていった。


そのまま湯船に浸かりながらなんだか寂しくなってしまった。


お風呂から出てアイリスが入っている間にレインとミレイヌを呼んで


「2人とも、アイリスを止めようよ。」って言ったら


「ミナトさんのことだからいつものことかと思って。」って返されてしまった。


「いつものことってなんなの?」


「すいませんミナト様。てっきりアイリスも対象なのかと思ってました。」


「えっとそういう認識なの?」


「むしろ違ったのかと今認識しました。」


「そんなに節操なく増やしたりしないよ。」


「でもぉ、アイリスも特殊スキル持ちだからミナトさんの傍にいた方が絶対いいと思うんだけどな。」


「わたしもそう思います。」


「でもそこはアイリスの気持ちもあるからさ。」


「ミナト様のモンスターを倒す姿を見ているアイリスを見ている限り脈ありだと思うんですけど。」


「別にミナトさんはアイリスがダメなわけじゃあないんでしょ。」


「あんなに可愛いアイリスを拒む理由はないね。」


「アイリスも嫌がってなくて、ミナトさんも嫌じゃないなら問題ないと思うけどな。」


「ミナト様、アイリスも本当に嫌だったらお風呂になんか行きませんよ。」


「でも騎士団とかだったら部下が上司の世話をしたりしてるんじゃないの?」


「私には騎士団のことはわからないけど、命令されてもないのにそんなことしないと思うよ。」


「まあそれもそうか。じゃあなんでだろう。アイリスに何かをした覚えはないけど。」


「ミナト様のした覚えがないは当てにならないと思います。」


「そんなに信用されてないの俺。」


「逆にだよ。だってアイリスはハーフエルフじゃない。騎士団でもアイリスにきつくあたるエルフは多いと思うし、ミナトさんみたいに節操なくじゃなかった、分け隔てなく接する人は珍しいから惹かれても不思議ではないよ。」


「今節操なくって言ったよね。やっぱりそんな認識?」


「言葉の綾だよ。いいことだと思うよ。そのおかげで私もここにいるんだし。」


「ミナト様は私でも綺麗って言ってくれるし、アイリスも種族関係なく一人の女として見られて喜んでいるんじゃないでしょうか。」


「そんなに俺の目線はいやらしいのかな。」


「「・・・・・・。」」


「そこは否定してほしかった。」


「だってミナトさん、意識してるのかわからないけどすぐに胸を見てくるし。」


「わ、私はミナト様に求められてる気がして嬉しいですよ。」


「私もいいんだよ。ミナトさんの傍にいる女の子は喜んでると思うよ。」


そんなことばらされたら恥ずかしい。


でも仕方ないじゃないか、ここに来るまで女に縁がなかったんだ。


可愛い子がいてそこに胸があったら気になっちゃうんだよ。


「すいません。反省し気を付けるようにします。」


「別に悪くないんですよミナト様。だからアイリスもミナト様を意識し始めてるのかもですし。」


「そうだよミナトさん。リーナさんとかもミナトさんがそんなだから安心してるんだろうし。」


「2人とも慰めてくれてありがとう。」


2人の優しさが胸にしみるよ。


その後、アイリスがお風呂から出てきてから、変に意識してしまうようになり気まずかったよ。

読んでくださってありがとうございます。


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