新米騎士の試験
52話
次の日、朝食を終えてリーナたちと訓練所の席で新米騎士の試験が始まるのを待っている。
今日はちゃんとメモを用意してきたので名前もバッチリ記録できる。
下を見ると新米騎士が各々準備をしているのが見える。
一番注目しているのはハーフエルフの女の子だ。
オーラスカウターで計測してみる。
レベル36 オーラ値 4255 B88(E)W63 H84
このレベルでこのオーラ値なら期待できそうだ。
バストサイズもかなりのものですが・・・・・・。
というかそんな所に注目していてはダメなので目をそらす。
他の子も見ているが中々粒ぞろいだと思う。
そうこうしていると教官が訓練所の中央に出てきた。
「まず初めに、この3ヶ月の間、訓練によく耐えたそのことをほめておこう。今日はその成果を出す日である。この試験の結果各騎士団に配属されることになる。皆後悔の無いように全力を尽くしてくれ。ではこれより試験に入る。各教官の指示に従ってくれ。」
そう言ってその教官は後ろへとさがっていく。
そこからは持久力、瞬発力、筋力と測定されていく。
午前の分が終わって昼休憩に入る。
こちらも上の席で昼食をとる。
こういう時はサンドイッチが気楽に食べられていい。
今回の具はオークのカツかオークの生姜焼きを挟んでいる。
みんなで昼食をとっていると
「リーナ様、今回の新人はどうですか?」
と言って最初に挨拶をしていた教官がやってきた。
「皆様頑張っておられますね。優秀な方が多くて驚きました。」
「リーナ様からそのように評価されたら皆喜ぶでしょう。ところで今年は新人の配属先についての会議にリーナ様がでられると聞いておりますが。」
「はい。今はエルフィナ様が不在ですから私が会議に出席させていただきますわ。」
「では今日の午後の試験で存分にご覧になってください。」
「ベルグ教官はもうお昼は済みましたか?」
「これから食堂に行くところですよ。」
「じゃあご一緒にいかがですか。」
「よろしいのですか。」
リーナがそう勧めたのでベルグ教官が椅子に座ったのでカツサンドと生姜焼きサンドとお茶を渡す。
「どうぞ。」
「ありがとう。これはパンに何か挟んであるんだね。いただきます。」
そう言って一口食べた教官は驚愕の表情を浮かべている。
「なんだこれは、未だかつて食べたことのない味だ。何よりもこのタレだ。生姜のきいたタレにパンに塗られている白いソースが絶妙にあっている。」
そこからは一気に生姜焼きサンドを食べきる。
お茶を飲んで口を休めて今度はカツサンドにかぶりつく。
「こ、これもうまいぞ。中の肉のジューシーさにかけられている濃厚なソースがマッチしている。」
そういうとこれも一気に食べきった。
そしてこちらをちらっと見てくるのでお代わりが欲しいのだろうがリーナの手前言い出しにくいのだろう。
「よかったらお代わりはどうですか。」
「いいのかね。じゃあもらおうかな。」
一つずつ渡すと一気に食べてしまい、お茶を飲んで一息ついている。
「いやあ素晴らしい食事をさせていただきまして感謝申し上げます。ではそろそろ次の準備がありますのでこれで失礼します。」
そういってベルグ教官は去っていった。
さてみんなはお腹いっぱいになったのかと思ったら
「もう一つ頂きたいけど、どちらにしましょう。」
「・・・・・・。カツサンド。」
アンジェリカが迷っていて、リリイはカツサンドに手を伸ばしている。
まあまだ時間はあるしゆっくり食べてもらおう。
みんなも満足してお茶を飲みながら待っていると、ベルグ教官の宣言で教官を相手にした模擬戦が始まった。
教官たちはオーラやスキルを使わずに相手にするようだ。
一番手は男性騎士でカールという名前だった。
オーラ値的には部隊に入れたいけど、能力はどうだろうか。
教官との試合が始まった。
カールは教官の攻撃を巧みにさばいているが、反撃ができずにいる。
それでも、時間いっぱいまで攻撃を捌ききったのは見事だと言える。
次の教官が出てきて試合が始まる。
何試合か終わったが時間いっぱいまで持ったのはカールだけだった。
さて次は一番注目しているハーフエルフの女の子だ。
名前はルカというそうだ。
この子は午前の試験もトップで走っていた。
いざ試合が始まると教官の攻撃をうまくかわして、反撃までしている。
これも時間いっぱいまで粘るのかと思っていたら、一気にオーラを爆発させて攻撃に転じた。
そして最後は教官を枠の外まで押し切って勝っていた。
そこからは教官を倒すものは出なかったが奮戦している子は多かった。
中にはいかにも貴族の子供ですってアピールしている者もいたが教官は容赦なく倒していた。
というかこんな場でそんなアピールをするなんて馬鹿なんじゃないかな。
ああいうやつはいらないからメモから消していく。
半数以上が試験を終えて、いよいよ試験も大詰めを迎えている。
出てきたのはエマという女性騎士だ。
レベル26 オーラ値 3040 B72(A)W60H76
午前は目立ったところのない感じだったが、出てきた彼女の装備はここまでいなかった盾のみというタンクタイプかもしれない。
試合が始まったがやはりタンクなのだろう。
教官の攻撃を受けきっている残念なのは力量不足なのだろう、教官に盾を用いた反撃ができていない。
それでも教官の攻撃を受けきっているのは評価できるだろう。
教官が途中から攻撃パターンを変えたり、フェイントを交えてもきちんと受けきっている。
これは伸びしろがあるように思った。
しかし体力が尽きたのか、タイムアップまではもたなかったようで教官の攻撃を受けきれずに場外に転がっていった。
惜しかったという感想だが、メモに書いておこう。
さて試験も終わったようだ。
教官のベルグが中央にやってきて、新米騎士たちが整列していく。
「これにて全てのカリキュラムが終了した。よくぞここまで耐えたとほめておこう。だがここからが始まりであり、これからは訓練と違い命の保証のない騎士としての活動が始まっていく。決して慢心することのないように。とはいえ諸君の配属はこれから協議の上で決められる。その発表は20日後のこととなる。それまでゆっくりと骨を休めるといい。ではこれにて解散。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
さてここからの会議ではリーナに頑張ってもらわないといけない。
ルカ、カール、エマ、この3人は絶対に確保してもらうようお願いしておこう。
リーナは教官たちの労いに行ってしまった。
「アンジェリカたちから見て今日の新米騎士たちはどうだったかな?」
「流石エルウッド王国だと感じましたわ。これで新米なんて信じられませんわ。」
「まあよかったんじゃない。私達も卒業したら騎士団に所属して経験を積むんだけど、もっと卒業までに実力をつける必要がありそうだわ。」
「・・・・・・。盾が良かった。」
アンジェリカは自国の騎士と比べていて、リリスはある程度の物差しができたのかな。
リリイはタンクスタイルが気に入ったんだろうか。
「まあ何らかの形で参考になったんだったらいいんだけどね。」
みんなと別れて厨房へと向かう。
今日は何にしようかと考えていたら
「ミナトぉ、そろそろラーメンが食べたいんだ。」
ってグスタフが要望を言ってくる。
「別にグスタフの意見は採用されるかわからないぞ。」
「そんなこと言わないでくれよぉ。寒い日にはいいと思わないか。」
「・・・・・・。」
確かにグスタフのいうことも一理あるんだけど、どうしようかな。
「何か言ってくれよミナトぉ。」
「わかった、わかったから。落ち着いてくれ。」
グスタフがどんどん近づいてくるからおっさんの顔がアップになる。
とりあえずグスタフに離れてもらう。
まあいいかラーメン鍋にしよう。
スープはオークの骨から出汁をとったスープを薄めて鍋に入れていく。
具材をカットして肉団子も作って、ついでに餃子も入れよう。
準備はできたから部屋に運んでみんな呼んでおく。
コンロに鍋を置いて火にかけてあったまってきたので具材を投入して灰汁をとって後はユカに任せる。
同じくセットをもって王族用の食卓に行って準備をする。
最初に煮えた分をセバスさんが食べてから全員に配っていく。
「いつものラーメンとは違うがこれはまた具材がたくさんで美味しいの。」
「餃子も皮がモチモチしていて美味しいですわ。」
「にい、お団子をたくさんでおかわり。」
「義兄様、わたしもお代わりが欲しいです。」
器を受け取って多めに入れてあげる。
「ミナトさん、私は麵多めでお願いします。」
思った以上にみんな食べるね。
追加で具材を投入して煮込んでおかわりをよそっていく。
みんなお代わりを3回以上していたね。
セバスさんが珍しく5回くらいお代わりしていて、苦しそうに食後のお茶を入れてくれている。
その後は今日の試験を見学した感想なんかを交えつつ話をして明後日からしばらく出かける旨を伝えておいた。
読んでくださってありがとうございます。
よければブックマーク、評価をお願いします。




