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ついにチュートリアルが終わる

5話




次の日は朝からスキルの気工師ガチャを回すことにした。


パーツセットは現在AからHまで出ている。


パーツセットがだいぶたまってきたからそろそろ新しいシリーズを作れるかもしれないっと思ってスキルを開くと頭の中にレシピが入ってくる。


パーツセットCとDを使ってフルアーマーのような自分用のユニットができるようだ。


早速組み合わせて気工錬金を使うと目の前には自分の大きさと同じくらいのユニットがあらわれた。


「これはどうやって使うんだろう?」


「それはねミナト専用装備よ。使い方はトランスフォームっていうだけよ。」


「なんだろう、何かをくすぐられるような気分になるな。」


なんとなく昔見た特撮を思い出してわくわくしてくる。


少し躊躇していると「試しに言ってみなさいよ。」とティピがいうから勢いで言ってみる。


「トランスフォーム!」


目の前のユニットが光ったと思ったら次の瞬間にはなくなって自分の体が重くなった。


「いいわね。似合ってるわよ。」


「でもどうやって動くんだ。かなり重いんだけど。」


全身に金属を持っているみたいで動くのはかなりきつい。


「そのユニットはオーラ(気)を流して運用するのよ。いつも戦闘前に自分の内側にオーラを纏って強化しているでしょう。それを外側もにも出すことでユニットを動かせるのよ。ちなみにオーラコントロール(開放)っていうんだけど極めると能力値が2倍以上になるわ。」


「わかったやってみる。」


いつものようにオーラ(気)を纏ってそれを外側へと開放していく。


しばらくやっているとコツがわかってきて全身が軽くなった。


「できたみたいね。じゃあ試しにジャンプしてみなさい。」


とティピがいうから軽くジャンプすると一気に10メートルくらい飛び上がった。


びっくりしているとそのまま落ちていく。


姿勢を崩したまま落ちるが痛みはなかった。


「すごいなぁ。痛くもなんともないや。」


「脱ぐときはリリースっていえばアイテムボックスに戻るわよ。」


「リリース。」


そういうと視界が元に戻ったと同時にスキルオーラコントロール(纏)レベル5になり、新たにオーラコントロール(開放)レベル1が取得できた。


「強力な装備が手に入ったな。」


「そうね、後はミナトが扱えるようにならないとね。」


「確かにどれくらいの動きができるかはわからないけどいきなり強化されても使えるかはわからないな。」


変身用のユニットを鑑定してみたら調整は可能だが4~7倍ぐらい能力値が上がるみたいだ。


「他にもパーツセットがあったでしょう。それも試してみましょうよ。」


そう言われてパーツセットを出してみるが今扱えるのはEだけのようだ。


なのでとりあえずパーツセットEを錬金してみる。


すると足と背中に装着する装備ができたので鑑定してみると個人用飛行ユニットと説明が出た。


「空を飛べるだと。早速試してみよう。」


ちょっとうきうきしながら装着したら、オーラ(気)を流してみる。


するとゆっくりだが体が浮きだした。


「おおー、浮いてるぞ」と感激したが5メートルくらいで上昇して止まってしまった。


これ以上の上昇は無理そうなので動いてみるとふわふわと歩くよりも遅い速度で移動できた。


「飛んでる、俺は今飛んでるんだ。」


少し感動して動いていると「私より遅いわね。」といってティピが周りを飛ぶ。


「・・・・・・」もう少し浸らせてくれてもいいんじゃないかと思う。


個人的には楽しいが実用性はなさそうだ。


詳しい説明を見ると初期と書いてありこれから改良できるようだ。


楽しみは後々に取っておくことにした。


結局その日は錬金を駆使して色々した結果、果物味のポーションと甘いポーションが出来上がった。


ポーションは品質が上がっても不味さがましになるだけだったので良いものができたと思っていたら「これ美味しいわね」と喜んでいるティピをみて嬉しくなった。




それからフルアーマーユニットを制御できるようになるのに1か月半かかった。


この間にレベルは58に、スキルオーラレベル10、オーラコントロール(纏)レベル8、オーラコントロール(開放)レベル5、に上がった。


そのほかのスキルも2~3くらいレベルアップしている。


それからさらにレベル上げをしてレベルが60になった。


「おめでとうミナト。レベルが60になったわね。帰ったら楽しみにしてなさいな。」


ってティピがいうもんだからテンション高めに帰りにオークを倒して帰った。


オークは倒すたびに半分は村に提供しているので、村の肉事情はだいぶ良くなったようだ。


余った肉は燻製にしたりハムにしたり長期保存できるように加工しているので無駄にはならずにすんでいる。


家に帰って夕食を食べて身体を拭き終わったら


「ミナト。お楽しみの時間よ」ってティピが寄ってきた。


「それでレベル60になったら何があるんだ?」


「それはこれよ。」と言って覚醒の書を空間から取り出してきた。


「また職業ランクがあげられるのか。」


「そうよ。早速使いましょう。」


そう言うティピから覚醒の書を受け取って使用する。


すると職業が気工師(中)になったのが分かった。


更に新しい専用スキルH(ハイ)オーラ、気工眼を取得したようだ。


このスキルを得たことによって錬成でGシリーズ、ライガー、フルアーマーユニット、飛行ユニットの強化ができるようになったと同時にアイテムに錬金を使用したときに作成できる物の組み合わせが見通せるようになったようだ。


これまでは錬金でポーションを作るときは、薬草複数枚と水でしていたがこの目によって薬草と癒し草を組み合わせると中級ポーションが出来ることが分かるようになった。


「どうかしらランクアップした感想は?」


「すごいよティピ。これで色々パワーアップできるし、ほかにもできることが増えたみたいだ。」


「やったわね。じゃあまずは明日パワーアップできるものはしてしまって次のステップに移りましょう。」


「そうしよう。じゃあ寝るかおやすみティピ。」


疲れも相まってすぐに寝落ちてしまった。


「ミナト。おやすみ。あとちょっとでお別れだね。」とティピが寂しそうにつぶやいたのは聞こえることはなかった。


次の日はGシリーズ3体とライガーの強化を行い、まだ時間があったのでポーション作成、オーク肉の加工を行い、気工師ガチャのレベルアップをして終わった。


「次のステップって言ってたけど具体的には何をするんだ?」


「次はねサバイバルよ。森のもっと深いところへ入って行って何日か森で過ごすのよ。」


「確かにまだ日帰りできないところまでは行ったことがないな。あんまり気が進まないけどしょうがないか。」


「じゃあ野宿に必要な最低限はアイテムボックスに入れておいてあげるから出発しましょ。」


そんなこんなで森でのサバイバルが始まった。


今回はティピの提案でライガーは連れずに行くことにした。


1日目の夜は寝るときの虫に悩まされ、虫の嫌いな匂いを出す草を組み合わせて虫よけを作ることになった。


2日目の夜はオークの襲撃を受けてろくに眠れなかった。(スキル警戒、気配察知取得)


3日目は雨が降ったのでマントが濡れてしまい樹脂を使って新たに防水装備を作成した。


4日目、ぬかるんだ足場の中ホブゴブリンとの戦いで重い一撃を食らい骨が折れたが中級ポーションで事なきを得た。


5日目、新たな敵ハイオークに出会った、今回のサバイバルではユニットを使わないので苦戦を強いられるがハイオークの後頭部にクリティカルヒットを与えて倒すことができた。(レベルが65になった。)


オークの肉も美味いがハイオークはそれよりも肉質がよく塩だけでも十分な満足感が得られた。


6日目以降は野宿にも慣れハイオークを中心にレベル上げをした。


14日目森で罠を発見したので解除してから先に進むとそこにはハイオークの集落があった。(スキル罠探知、解除取得)


見張りのオークと目が合ってしまい仲間を呼ばれたので撤退することにしたが追いついてきたハイオークとの戦闘中に罠を踏んでしまい飛んできた矢をくらってしまう。


矢には麻痺毒が塗られていたようで動けなくなったところでハイオークに囲まれて攻撃を受けて意識がなくなった。


『おお、ミナトよ、死んでしまうとは情けない』


久しぶりのセリフで目覚める。


「ふぉふぉ、久しぶりの帰還ですの。」と久しぶりに村長の顔を見た。


「すいません。またご迷惑をおかけしました。」


いつも村長は優しく接してくれる良いお爺さんである。


帰ってステータスの確認をすると、


レベル 78


総合能力値 11584  オーラ値56257


スキル 異世界言語、アイテムボックス、鑑定8、鑑定妨害6、分析3、料理8、マップ8(探索、探知、索敵、)、隠密5、隠蔽4、気配察知3、危険察知4、警戒2、毒耐性5、苦痛耐性7、精神耐性7、麻痺耐性2、罠探知2、罠解除2、オーラ12、オーラコントロール(纏)10、オーラコントロール(開放)8


職業 気工師(中)


専用スキル 気工師ガチャ8、気工錬金7、錬成6、精錬5、鍛錬4、Hオーラ4、気工眼3


となっていた。


「今回のサバイバルで大分強くなったな。普通ならこのステータスでハイオークに負けることはないと思うんだが強くしすぎではないですかね。」


「アハハ!細かいことを気にしちゃだめよ。ユニットを装備したら楽勝でしょう。それに今回のサバイバルで色々スキルもとれたし経験もつめたからよかったでしょう。」


「そりゃあ良い経験になったからいいけど。」


「でしょう。じゃあ2週間お疲れってことで2日間くらいゆっくりしなさいな。」


ティピにそう言われて明日は久しぶりに水浴びに行くことに。


今回は大量にハイオーク肉が手に入ったので湖の近くでBBQをすることに決めた。


そのために以前もらった鉄にスキル錬金を使い、網とコンロを作り、木炭も用意し、椅子も準備し後は明日を待つだけだ。


その日はさっさと布団に入って眠った。


次の日は朝から湖に行き、見張りはライガーに任せて、湖に飛び込む。


「気持ちぃぃぃ。」


「ミナトこっちよ。」っていうから振り向いたら思いっきり水をかけられた。


「うわっぷ。ちょっ鼻に思いっきり入ったじゃん。お返しだ。」


「きゃっ、冷たいじゃない。」


しばらくティピと水遊びをして楽しんだ。


疲れてきたので水から上がって一休みして火をおこす。


コンロに木炭を入れて火が落ち着いてきたら、網をセットして肉を焼く。


牛肉がないのが少し残念だがハイオークの肉は十分食欲をそそるにおいを醸し出す。


ロース、バラ肉、ヒレとティピと存分に楽しむことができた。


昼からも水浴びをして、ゆっくりしてから帰るころには新たにアイテムボックスにライガーに狩られたオークがいっぱい入っていた。


村に戻ってオークを1部(多すぎたので)村に渡して家に帰る。


次の日は1日家でハム、生ハム、ベーコンを作りまったりと過ごした。


夜になると神妙な顔したティピがやってきた。


「ミナト。話があるわ。」


「どうしたんだ?」


「ミナトは十分に強くなったわ。ユニットも使いこなせるようになった。」


「うん。ティピのおかげだな。それがどうしたんだ?」


「だから明日このチュートリアルをクリアーしましょう。」


「急だな。」


「急でもないわよ。ミナトがレベル60になった時から決めていたもの。お別れになるのは寂しいけどね。」


「そっか。・・・・・・クリアーしたら何か特典とかあるのか?」


「あるわよ。このチュートリアルをクリアーしたら私の能力で出来る範囲で願いを1つかなえてあげるわ。」


「なんでもいいのか?」


「大抵はかなえてあげるわよ。でも無理なこともあるからその時は別の案を出してもらうけどね。」


「わかった考えておくよ。」


「じゃあおやすみなさい。」


そういってティピは寝てしまった。


長かったチュートリアルだったがついに終わるようだ。


現実世界ではどうなってるのか気になるところだが今はクリアーすることに集中しよう。


次の日、ティピに案内されて山へと向かう。


そのふもとにゴブリンロードの構える拠点があるらしい。


これまでが厳しい戦いだっただけに苦戦を覚悟していたがフル装備とパワーアップしたライガーによって拍子抜けするぐらいあっさりと倒せてしまった。


ゴブリンロードを倒したことによってレベルが83になった。


その後ティピに連れられて拠点の奥にある洞窟へと入っていく。


洞窟内は真っ暗かと思ったが岩壁に生えたヒカリゴケによって何とか見えるくらいの暗さだった。


そのままティピについて奥まで進むとそこには光り輝くオーブがあった。


「さあミナト、そこのオーブに触れたらチュートリアルは終了よ。元の世界にもどれるわ。でも願いをいうのを忘れないでね。戻ったらもう叶えてあげられないから。」


「意外と終わりはあっけなかったな。一応本来のチュートリアルについて聞いていいか?」


「いいわよ。本来はゴブリン2匹とオーク1匹を倒してもらって経験値の書でレベルを10まで上げて覚醒の書を渡して終わりよ。まあそのゴブリンがレベル86のロードにまでなるなんて思ってなかったけど。」


「無茶苦茶簡単だったんだな。それが1年近くかかるなんてな。やらかしすぎだろう。」


「そういわないでよ。わたしもまさかこんなことになるなんて思ってもなかったんだから。さあそろそろ願いは決まったかしら?」


名残惜しいがそろそろ願いを言って終わらないといけないらしい。


「なんでもいいんだよな。」


「言ってみてくれないと何とも言えないわ。」


ずっと考えていたことだ。


「前にティピは俺の幻獣扱いだっていってたよな。」


「そんなことも言ったわね。でもだからって無茶な願いは叶えてあげられないわよ。」


「無茶かどうかはわからないけどいうぞ。」


「ええ、いいわよどうぞ。」


「俺と正式に契約してくれ。こんな所で1人でいるよりも俺と楽しくやろうぜ。」


「そ、それは・・・・・・」


躊躇するティピをみて不安になる。


「無理なのか。」


「本当にそんなことでいいの?もっと大きな願いでも叶えられるのよ。超強力なスキルでも手に入るかもしれないこんなチャンスはもうないのよ。」


「いいよもう十分強くなったし、専用スキルもあるしあとは努力すれば何とかなるだろ。それにここで別れたらティピはまたこの世界で1人ぼっちで過ごすんだろ。」


「ホントにいいのね。後で後悔しても知らないわよ。」


「いいよ。後悔なんてしないさ。むしろここにティピを残すほうが後悔しそうだよ。」


「じゃあ舌を出して。」


「こうか」と言って舌を出す。


すると舌についた唾液をティピが舐め始める。


あわてて舌を引っ込める。


「いきなり何してるんだよ。」


「何って契約じゃない。幻獣との契約は体液の交換によって成すのよ。知らなかったの?」


ゲームの時はそんなこと書いてなかったから慌ててしまう。


「そっそうなんだ。知らなかった。」


「ほらミナトも口開けて。」


言われて口を開けるとティピの唾液が流し込まれる。


すると体の奥にティピとの繋がりを感じるようになった。


「じゃあ願いもかなえたし、そのオーブに触れるのよ。」


オーブに触れると意識が遠のいていった。

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