ティピも覚醒します。
39話
アルカディア王の別荘から帰ってきたが、ムサシさんとの話し合いの結果あそこのことは4人の秘密にしておくことにした。
無暗に知らせて立ち入ってもあのボスが復活していたら太刀打ちできないからだ。
あのボスを倒しただけでレベルが160になったのには驚いた。
ムサシさんもレベルが上がってびっくりしていた。
カティアとプリシアもレベルが10以上上がったらしい。
さすがに疲れたから風呂に入ることにした。
まだ少し早い時間なので風呂には一人しかいなかった。
『ミナト。あのダンジョンにもう一度行きましょう。』
「どうしてだ?」
『今日開かなかった扉、たぶんだけど私なら開けられると思う。』
「ティピがそこまで言うんなら行ってみるか。ボスもフルアーマーユニット装着したら勝てるだろうし。」
とりあえず風呂から上がったら晩飯の用意だな。
その日もリオンは何も言ってこなかった。
次の日、早速アルカディア王の別邸にきてみた。
そしてダンジョンへと入っていく。
中は暗いのでライカに明るくしてもらって進んで行くと昨日の分岐にでた。
昨日開かなかったドアの前に立つ。
ティピが出てきてドアに近づいていくとドアから端末が現れた。
ティピが何かを打ち込むとドアがゆっくりと開いていく。
『開いたから入りましょう。』
中は明かりがともっていて綺麗に保たれている。
入っていくとドアが閉まった。中には3つの部屋があるようだった。
一番手前の部屋に入るとそこにはノートパソコンのような端末が置いてあった。
電源スイッチを入れようとしたがエネルギー切れのようだ。
後ろのエネルギーパックを取り出してオーラを注いでみる。
それを戻してスイッチを押すと今度は電源が入った。
画面にはアルカディア王らしき人物が映っていた。
『わたしはアルカディア王である。まずはおめでとうと言っておこう。ここに到達できたということはパスワードを手にすることができたということだろう。ここは私の秘密の別荘だ。世界中には幾つか同様の場所を作ってある。探してみるのも楽しみの一つとなろう。自分で探すのが面倒ならこの端末を持っていくがいい。この中には施設のデータが入っている。・・・・・・。』
他にも施設があるようだ。
といってもゲームの時はこんな施設があったかどうか覚えていない。
もしかしたら、ゲームが続いていたらイベントで活用される予定の場所だったのかもしれない。
『残りの部屋には役立つものが幾つか置いてある。持っていくがよかろう。この世界のことを頼んだぞ。』
考え事をしていたら途中を聞いてなかった。
もらえるものはもらっていくことにしよう。
2番目の部屋に入ると武器がたくさんあった。
鑑定してみると金、銀、鉄、鋼の武器が大半だったが幾つかミスリル製の武器があって、一つだけヒヒイロカネとミスリルの合金の武器があった。
とりあえず片っ端からイベントリー(インベントリ)に放り込んでいく。
鉄と銀の武器はいくつか残しておいた。
次の部屋にはアイテムバッグ(アイテムボックスの劣化版)×2、上級ポーション×10、覚醒の書×2、経験値の書×10、特上ポーション×2、万能薬×2、などがあったので全部手に入れた。
あとは使い道のわからないものが多く、置いておくことにした。
そこを出て昨日見ていない右の通路も見ておく。
そこには宝箱があったので鑑定してみると普通の宝箱だった。
中身は宝石類が入っていた。
もう一つの通路はずっと奥へと続いているようだ。
行ってみると下へと降りる階段があった。
階段を下りていくとそこには大きな空洞があり中央には泉があった。
鑑定結果は癒しの泉とでた。
その水を汲んでみると目にはこの水と薬草を組み合わせると上級ポーションができると出ている。
癒し草なら特上ポーションになるのだろうか。
試してみたいので樽に汲めるだけ汲んでイベントリー(インベントリ)に放り込んでおく。
ここに転移のマークを付けられそうなのでつけておく。
来た道を戻ってボス部屋に入るとそこにはシルバータイガーが待ち受けていた。
やはりボスは復活するみたいだ。
ライガーを呼んで戦わせたらあっさりと勝ってしまった。
それでもレベルが170に上がったのでボスは得られる経験値が高いのだろう。
さて時間もまだあることだし一回泉の間に戻って、そこからチュートリアルの世界へいって上級ポーションの作成をしてみる。
作ってみたら質が悪く上級ポーションの前に不味いってついてしまった。
『覚醒の書を使って職業ランクを上げてみたらいいんじゃないかしら。』
「それもそうか。」
どうせ貯まってるからいいかと思って覚醒の書を使うと気工師(特)にランクアップした。
これによって全ての能力がアップしてなお且つ、気工師ガチャが改にランクアップ。
早速、気工師錬金を使用したら上級ポーション(良)が作成できた。
時間はまだ十分にあるので気工師ガチャ改を回せるだけ回してみることにした。
新たなパーツが手に入ったがまだ足りないようだ。
そして新たにできるようになったことは飛行ユニット中までなら小型化できるようになった。
これを量産したら空路で色々できるだろう。
今後のプランに入れておくことにした。
後は今使っている棍棒を手に入れたミスリル製の武器と合わせてみた。
ミスリル製の棍棒ができたので試しにここのハイオーク相手に戦ってみたが手ごたえは十分だった。
ミスリルはオーラとの相性もよくしかも軽くて丈夫なので折れる心配もないようだ。
それと新たにG-3が気鉱石(青)を幾つか発掘したので加工して首飾りにしておいた。
そんなこんなで1週間が過ぎてしまった。
覚醒の書はまだ3つあるので職業ランクを上げてもいいが、しばらくは今の状態で体と認識を慣らすことにした。
ランクアップするたびに微妙に認識がずれていることに1週間やってみて気づいたからだ。
力加減なんかは特に重要だ、オークも加減を間違えてゴミに変わってしまったので気を付けないと。
とりあえず覚醒の書をしまおうと思ったがふと気になってしまった。
これをティピに使ったらどうなるんだろうかと。
ティピを呼んで使ってみることにした。
『どうかしたのミナト。』
「これをティピに使ったらどうなるのか気になって。」
『使えるのかしら?』
「まあやってみよう。」
そう言って覚醒の書をティピに使うと念じてみる、するとティピが輝きだして大きくなった。
前が20センチくらいだったのに対して今は30センチくらいになった。
「なんか大きくなって前よりもかわいくなったな。」
『ミナト。わたし胸が大きくなったわ。』
「いや胸だけじゃなくて身長も伸びてるぞ。」って言ったら泉のほうへと飛んで行ってしまった。
追いかけると泉に写った自分を見て喜んでいるようだ。
「見た目以外は変わったところってないのか?」
『ちょっと待ってね。』そう言ってティピは目をつむった。
『能力が大きく上昇したわ。特に大きいのは今まで転移はミナト一人しかできなかったけど10人くらいまでなら一緒にできるようになったわ。』
「それは便利だな。でもまだ誰にも言ってないから明かすタイミングは考えないといけないな。」
『そうね慎重に検討したほうがいいと思うわ。他にもいろいろとできるみたいだけどすぐにミナトに関係あるとしたら小転移が可能になったわ。試しに目線をあの木の上に向けて転移してみなさい。』
試しに木の上に視線を向けて転移を使ってみると景色が変わって木の上にいた。
「これはうまく使えば便利そうだな。」
『使い方次第ね。でも多用しないように気をつけなさい。慣れないと危ないと思うから。』
「わかった。おいおい練習していくよ。」
そこからもう1週間ほどかけて訓練を行った。
さてそろそろ戻らないと夕食の支度に間に合わなくなるかもしれない。
転移で戻ってきた。
階段を上がってボス部屋にいくとシルバータイガーが復活していた。
ライガーを呼んで倒してもらいドロップの皮をひろう。
またレベルが上がったようだ。
確認は置いといてアルカディア王の別荘から出ようとしたら警備の人が慌てていた。
「どうかしたんですか?」
「あっ、いた。どこにいたんですか?探してたんですよ。」
「えっそうなんですか。それはすいませんでした。」
「もうすぐ閉館時間なのに見当たらないからびっくりしました。でも出てこられてよかったです。」
ほっとした表情の警備員さんに見送られて宿へと帰った。
そして夕飯を作り終えてみんなが来るのを待っているとリオンがやってきた。
「明日は時間を空けておいてくれ。重要な話がある。」
「わかったよ。」
「そうだな何か軽く食べられる昼を用意してくれると助かる。」
そう言って席に座ったので夕飯を配膳したら先に食べ始めた。
リオンが食べ終わったころにみんながやってきた。
リオンは一足先に風呂に入って休むといって去っていった。
みんなと一緒にご飯を食べてから、風呂に向かうとムサシさんがついてきた。
風呂に浸かりながら気になったことを聞いてみた。
「ムサシさんは結婚されているんですか?」
「拙者は未婚でござるな。」
「それは意外でした。てっきり奥さんがいるものだと思ってました。」
「・・・・・・。実は拙者女子が苦手でしてな。昔高校生のころから苦手で女子を前にすると緊張で汗が止まらなくなり、相手と視線を合わせることができないでござる。」
「でもみんなとは普通に接しているじゃないですか。」
「それはみながミナト殿にしか興味がないからでござるよ。拙者のことをそういう目で見てくる女子には意識してしまうから無理でござる。逆にミナト殿はよくあれだけの女子に囲まれて平気でござるな。」
「みんないい子ばかりですからね。でもムサシさんは誰かと付き合いたいとかはないんですか。」
「あこがれはあり申すが難しいでござるな。それに拙者かなり好みが狭くなってしまったでござるから。」
「それは身体的特徴のことですか。それとも年齢的な。」
「・・・・・・特にそのあたりはこだわりがあるわけではござらんが、貴族とかは特に苦手でござる。しかし近づいて来るのは・・・・・・。」
ため息交じりに話すムサシさんは哀愁が漂っていた。
まあサムライマスターのムサシさんを取り込みたい国はたくさんあるだろう。
それが行き過ぎて貴族への苦手意識が高まったのかも。
「・・・・・・。苦労されているんですね。」
「昔の粋がってサムライマスターを目指した拙者に言ってやりたいでござる。有名になんかなるものではござらんと。高くついたでござる。」
「いい相手が見つかるよう願っておきます。」
「かたじけないでござる。」
そういうムサシさんはどこか寂しそうな顔をしていた。
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