学園でのイベント2
申し訳ありません。昨日は間違えておなじ話をあげてしまっていました。
ですので本日もう一話あげさせていただきます。
36話
宿に帰ったらメリッサさんが今回の件は責任を持つって言ってくれて嬉しかったです。
アンジェリカさんは女性陣とお風呂に行ったようだ。
俺はリオンと一緒に風呂に入って疲れをいやしている。
「ミナトは今回の件、この学園にいる間のことは何も気にしなくていいさ。すべて学園長と私が責任を持って対処することに決めた。」
「ありがとうございます。」
「礼なんかいらないさ。そもそもここにミナトを連れてきたのは私だし、何より君は私の義弟だろう。自分でどうしていいかわからないなら義兄を頼ってくれ。」
「わかりました。頼らせてもらいます。義兄さん。」
自分の力だけじゃどうにもならないなら頼ってほしいと、みんなにいいながら自分ができないなんて自惚れ過ぎていたのかもしれない。
この世は一人じゃ生きていけないってことをしっかり覚えておこう。
それとともに、この人達が困ってるときは全力でためらわずに力を使うことを迷わないように決めておこう。
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アンジェリカ視点
どうしたらいいのかずっとわかりませんでした。
子供の時から侯爵家の娘としてしっかりしないと、そう思って生きてきました。
そして幼いころには殿下との婚約が決まっていました。
それからずっと殿下は私に従順を求めて、気に入らなければ暴力を振ってきました。
私は家族の期待に応えたくて我慢し続けていました。
私の侯爵家としての矜持を守ろうとする姿勢は多くの方には不快なのか友達もいませんでした。
私が思春期を迎えるくらいには殿下の暴力はもっとひどくなっていきました。
でも家族には言えませんでした。
時には痣ができることもありました。
メイドには秘密にしてくれるようにお願いしていました。
私がしばらく解放されたのは殿下が学園に行っている間でした。
その期間は幸せでした。
父は私と殿下の婚約が決まってからまた王の側近として働けるようになったので楽しそうでした。
そんな父を見て期待を裏切れないという思いは強くなりました。
だから殿下の暴力に耐えられるように殿下のいない間に体を鍛えました。
殿下が学園を卒業して帰ってきました。
前よりも態度が横柄になっていて癇癪をおこすとひどい仕打ちをうけました。
だから私の体には消えない傷もあります。
一度だけ殿下に傷跡を見られてしまいました。
その時、殿下は私が自分以外には嫁ぐのも無理になったと言って、歪な笑みを浮かべていました。
殿下が私にとって最悪な主人に変わった瞬間でした。
その頃の殿下は人目も気にしなくなっていましたが助けてくれる方はいませんでした。
それからは暴力と言葉によってわたしは自尊心さえもなくしそうになっていました。
危ないところでしたが学園に入学することが決まって、解放されました。
学園での日々は希望になりました。
最初に私を負かしたエルウッド王国の双子姫とはすぐに友達になりました。
それからは彼女たちと勉強でも訓練でも競い合ってきました。
そんなある日私が模擬戦で勝ってリリスとリリイに
「おーほっほっほっほ。わたくしの勝ちですわ。」
って言ってたら彼女たちのお姉さまのリーナ様が来られました。
なんでももうすぐ行われるイベントに参加されるそうです。
横の男性はリーナ様の婚約者でミナト様といいました。
優しそうな方でリーナ様と仲睦まじい感じでそんな関係が羨ましかったです。
一緒に行動することになって学園を回りました。
一通り回ったころ思いがけないことがありました。
殿下が学園に来ていたのです。
知らなかったとはいえ殿下には通じず皆様の前で叩かれて、倒されて足蹴にされました。
私の中の気持ちがしぼんでいく感じがしました。
でも関係ないミナト様が助けてくださいました。
私をかばって覆いかぶさって来られました。
殿下は蹴るのをやめませんでしたがミナト様はその内気が収まるだろうと言ってくれました。
初めてのことに嬉しくなってしまいました。
その間にリリスさん達が警備員を連れてきてくれてその場は収まりました。
寮に帰ってからはリリスとリリイが付いていてくれました。
次の日も殿下は学園にきて昨日の折檻だとわたしをたたいてきました。
次の日はミナト様にあったのでお礼を言っておきました。
私の状況は変わらないけど力づけられました。
だからこのイベント中は頑張ってお手伝いしようと思いました。
ミナト様の作る料理は素晴らしいものでしたから、今までのイベントにはないような状況が生まれました。
とても大変でしたけど楽しかった。
しかしそれも殿下の登場で終わってしまった。
給仕をしている私のもとへきて怒鳴り散らしラーメンごと倒され熱いスープがかかってしまいました。
熱いスープで火傷してしまい痛くて動けない私を踏みつけて笑っていました。
周りでみんながざわついていました。
しかしまたもミナト様が助けてくれました。
怒って殿下を殴ろうとしたミナト様に国際問題になるぞって脅しかけていました。
その瞬間あきらめかけたミナト様は誰かを見て殿下を殴りました。
胸の中がスカッとした気がしました。
その後はポーションを下さり、リリスとリリイが医務室へ運んでくれました。
服と下着を洗ってくれて、その間裸で布団にくるまっていました。
しかし私の痣を見たリリスとリリイは事情の説明を求めてきました。
すべてを話すと一緒に悲しんでくれました。
そして必ず力になると励ましてくれました。
本当にいい友人を持ったと思いました。
服も乾いたようなので着替えていたらミナト様が入ってこられました。
下着姿でしたが見られてしまいました。
恥ずかしいです、そんな私に気を遣ってリリスとリリイがミナト様をいじっています。
ミナト様は困った顔をしておられました。
その後、私の心配をしてくださって次は守るから安心していいと言ってくれました。
その瞬間胸が痛くなりました。
リーナ様がミナト様を好きになった理由がわかった気がしました。
でも私には殿下という重しがあるのでどうにもなりませんが。
その夜はリリスとリリイのお姉さまたちの泊まっている宿に泊まるように連れていかれました。
みんなでお風呂に入りました。
わたしは自分の傷を見られたくなくて入る勇気がなかったんですが、ミナト様と一緒にいたレインさんがそばに来て励ましてくれました。
みたらレインさんも多くの傷を負っておられました。
「傷があることで拒否する男は多いけど、気にせずに受け入れてくれる人もいるから気にしないほうがいい。」
「それは本当でしょうか?私は傷がある女に価値はないって言われました。」
「私も奴隷になった時言われた。だからこれからは一人で生きていくしかないって思って、ミナト様にみせた。」
その続きを聞くのが怖い気がしました。
「ミナト様はそんな私の裸でも興奮してくれた。そしてずっといていいって言ってくれたからここにいる。だから心配せずに行こう。」
そう言ってお風呂まで連れて行ってくれました。
みなさん私の傷跡を見てもただ慰めてくれるだけでした。
リーナ様は私の話をずっと聞いてくれました。
そしてミナト様とのことを話してくれました。
カティア様も自分の経験を話してくれました。
みんな誰かの暴力におびえる気持ちをわかってくれて一緒に泣いてくれました。
そして何とかなるようにするから諦めないでって言ってくれて心強く感じるとともに涙が止まらなくなってしまいました。
長い時間お風呂に浸かりすぎてのぼせ気味な私達にミナト様は甘くておいしいポーションをくださいました。
この時の話があんなことになるなんて思いもしませんでした。
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風呂から上がってゆっくりしていたら女性陣が出てきた。
なんかみんな顔が真っ赤でのぼせてるのが分かったので、果汁ポーションを出してあげたら喜んで飲んでいた。
何故かセバスさんとリオンまで欲しがったのであげたけど、あなたたちはさっきも飲んでませんでしたっけ。
その後は部屋に戻ってゆっくりしていたんだけどリオンはリーナに呼ばれて出ていった。
『ミナトっていろいろ巻き込まれるわよね。』
『マスターはすごいです。』
「なんでこんなことになってるんだろうな。さて誰もいないうちにチュートリアルの世界へ行って、スープ追加仕込みしとかないとこのまま行ったら先になくなりそうだ。」
そう言って向こうへ行って十分な量のスープとチャーシューを仕込んだ。
戻ってもまだ誰もいないので夜風にあたりに外へ出た。
まだ街は静まり返ってはいない。
広場のほうへと足を延ばすと
「兄さんやん。兄さんも風にあたりに来たん。」
「兄様、隣どうぞです。」
レイン、チヨ、ユカがいた。
隣を勧められたのでチヨの横に腰を下ろす。
「まだ寝るには早いからね。散歩だよ。」
「なあ兄さん、なんで兄さんは誰かに手を伸ばせるんや。うちは最初にこの世界に連れてこられて理不尽やって思ってて帰りたいって考えしかなかったんや。でも帰れる方法なんかないって分かって、連れていかれたアヅチでも役に立たんてわかったら邪魔者扱いや。そこからは絶望しすぎてあんま覚えてないんや。気がついたらチヨちゃんらと売られてたんや。誰も助けてなんかくれへんかった。」
「ずっとユカは大変な思いをしてきたんだな。」
「だからかな今日姉ちゃんが大変な目にあってても、冷めた目で見てるうちがいるんや。前にサラさんに相談したら兄さんもこっちに来た頃はめっちゃ苦労したって教えてくれた。」
「俺の場合ユカみたいに向こうに未練があったわけではないし、すぐに友達ができて一人じゃなかったからかな。ユカたちより歳を重ねてたのもよかったもかもな。社会に出たら能力がなくても働かないといけないし、努力しないと生きていけなかったからここでも努力したら運よく何とかなっただけだよ。」
「兄さんはやっぱり強いんやな。うちは努力すらもできへんかった。兄さんに買われてからは兄さんの功績のおこぼれでよくしてもらってるだけやし。それは運がよかったんやろ思う。でもだからといってだれかに何かしてやれるなんて思えへん。最低やろ。」
「俺だって一人じゃ何もできないさ。みんなが助けてくれて、運よく力を手に入れたから行動できてるだけだと思うよ。最低だっていうけどユカだってチヨとレインを助けてるだろ。」
「そんなんただの腐れ縁やん。」
「それでもしない奴はしないさ。ユカの優しさだと思うよ。それに運よく俺に買われたんならその状況を楽しんだらいいんだよ。ユカもチヨもまだ成人してないんだから。」
「兄様、チヨは成人しているです。」
「えっそうなの?」
「兄さんアヅチは12歳で成人扱いや。国を作ったやつがロリコンやったんやろ。」
「そっかでも俺の国では20で成人。結婚できるのも16からだから2人はまだ子供だよ。だから毎日楽しく生きていたらいいよ。もし成人しても出来ること、やりたいことが見つからなかったらそのまま働いてくれたらいいよ。」
「レインが兄さんに話してみいうから話してみたけどなんやすっきりしたわ。やっぱ兄さんはええ人や。」
「チヨも頑張るです。」
「まあ気持ちの整理もゆっくりつけたらいいと思うよ。この世界に来てまだ1年もたってないし。」
「そう考えたら濃い生活を送ってんなあ。」
「そろそろ冷えてきたから俺は帰るよ。みんなは?」
「うちらも戻るわ。」
「明日からもよろしく頼んだ。」
「まかしてや兄さんのためにも頑張るでぇ。」
そうして夜は更けていったのだった。
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