カティアは姫様でした。
30話
ミレイヌを連れて帰ってきてから1週間が経った。
あまりにも人が増えてきたのでそろそろ家を購入することを考えている。
とりあえず留守の間にゼスト商会から連絡があったみたいなのでゼスト商会に向かう。
行くとレオンさんが待っていた。
「ミナトさん待っていました。あれから3店舗全部回ったんですが問題のあったのは3号店でした。担当にはしっかりと注意したうえで今後味見担当を設けました。味見担当は出来が悪かったらその日は閉店させる権利を与えました。
閉店したらその日の給金は0です。その代わり変なものを出していたらその担当者がげんぽうされるようにしました。代わりに味見担当の給金は多めに出しています。」
「それは凄いですね。でもその味見担当はすごくいいと思います。」
「ミナトさんの作ったスープをダメにするなんてありえませんよ。あと4号店も出店予定です。もっとこの王都にラーメンを広めないと。餃子も素晴らしかった。まだ1号店でしか販売できていませんがお持ち帰りにも大人気です。・・・・・・。」
レオンさんの喋りがすごすぎて口をはさめない。
まあラーメンを広めてくれるならいいんだけど。
レオンさんをどう止めようかと思っていると別の方が来て連れて行ってくれた。
「用件は今日はそれだけですのでもう大丈夫です」って言ってくれたのでゼスト商会を後にした。
その後商業ギルドに行ってイリアさんを呼んでもらう。
「今日はどうされましたか?」
「家を買いたいのですけど何処かいいところはありませんかね?」
「条件はありますか?高級住宅街がいいとか。まあ高級住宅街は値段もかなりですが。」
「できれば高級住宅街のほうが都合がいいですね。」
「そうですね、時間を頂ければいくつかご用意できると思います。」
「じゃあお願いします。」
お願いしてギルドを出て城に帰る。
その日はリーナの仕事部屋にお邪魔して手伝いをしながらまったり過ごした。
夜のお風呂は、カティア、プリシア、レイン、ミレイヌが付いてくるようになった。
来た当初プリシアはミレイヌの胸に驚いて敵視していたが、同じスキルに悩まされる相手とわかると仲良くなったみたいでよかった。
それはいいが俺にとっては拷問のような時間になった。
耐えるんだ俺、負けるんじゃない。
せめて今後はローテーションを決めてくれるよう提案しようと思った。
『マスター頑張るですよ。』
ライカが応援してくれて少し癒された。
次の日は騎士団の訓練が休みなので訓練所の厨房を借りることにした。
城の中の厨房でもいいけどグスタフが絡んでくるから集中しにくいのが難点だ。
今日は作ったミンサーを使ってひき肉を作り、オークとミノタウロスのひき肉であいびきにしてハンバーグを作る予定だ。
では早速ドンドンやっていこう。
肉を投入して全力で回すそれをひたすら繰り返す。
ある程度の量が出来たら比率を決めて混ぜていく。
塩、コショウ、卵、パン粉、みじん切りの玉ねぎを混ぜ合わせて、パティを作っていく。
チーズもあるしチーズ入りも作っておこう。
ちゃんと真ん中にくぼみを作っておかないと火が入りにくいしね。
さて今から焼いていこうと思うんだが入口からこちらを覗く顔がいくつか。
まああ多めに焼いて味見させてみたらいいか。
熱したフライパンに油を敷いていざ投入。
両面をきつね色になるまでしっかり焼いて完成だ。
ソースはデミグラスソースを準備したよ。
皿に盛りつけていざ実食って思ったけど入り口にいるのも呼ぶとしよう。
手招きしたらレインとミレイヌが入ってきた。
アツアツを皿に盛りつけて渡しながら「熱いから気を付けてね。」って言っておく。
味見してみるが久々のハンバーグは最高だった。
チーズ入りもやっぱりおいしかった。
後でリーナにももっていかないと。
2人も横で「なんですかこれは、美味しいです。」って言ってたよ。
そのあと部屋に戻るとユカとチヨがいたので食べさせてみようとテーブルのほうへ呼ぶ。
「兄さんどないしたん?」
「兄様なにか御用でしょうか。」
こっちに来たのでテーブルに出してみる。
「これは、ハンバーグやないか。どないしたん。」
「俺が作った。」
いい香りが漂う。
「これはチヨがいただいてもよろしいのでしょうか。」
「兄さんうちもう我慢できへんで。早く、早く頂戴や。」
そういう2人に少し待ってもらってソースを取り出してかける。
「うわぁああああ。」
アツアツのソースの香りが充満していく。
「どうぞ召し上がれ。」
もうまちきれんとばかりにハンバーグを食べ始める。
「中から白いのが出てきましたよ。」
「ほんまや白いのが出てきよったで。しかもドロドロしとるわ。」
チーズもめったに見ることはないのでこの組み合わせはチヨには衝撃となるだろう。
っと思って眺めてたらドアが勢いよく空いた。
「「なにしてるんですか(の)。」」
カティアとプリシアが勢いよく入ってきた。
「何って試食だけど。ハンバーグ食べる?」
2人とも顔が赤いがそんなに急いで戻ってきたんだろうか。
皿を出してソースをかけてあげる。
「「美味しいです(わ)。」」
うんうんいいねぇ、こういう幸せそうな顔が一番うれしくなるね。
それからエルフィナさんのとこに行って今日の夕食は期待しててくださいねって伝えておいた。
厨房ではグスタフが2人に指導していたので試食させてみた。
「う、う、美味いぞぉおおおおおお。」
「最高っす。」
グスタフも絶賛していた。
そしてミリアリアさん、シズクさん、エルフィナさん、リーナの夕食の時はエプロンをつけさせて目の前に鉄板で出してソースを投入してあげた。
目の前の鉄板でソースがジュウジュウ音を立てるので嫌でも食欲は刺激される。
そこにライスも出して提供した。
大絶賛だった。もちろんセバスさんとルリアさんのも出しました。
今度はハンバーガーにしてみようと思った。
さてそれからしばらくは平穏な日が続いて、そろそろこってりラーメンを送り出そうかと悩んでいたころミリアリアさんのもとには急使がやってきていた。
そんなことは知らず部屋で5人と話していたら、シズクさんがやってきてカティアだけを連れて行った。
そのまま戻ってこなかったので心配になって部屋を訪ねてみた。
ノックしても返事がないが中にいるのはわかっているので部屋に入ってみた。
カティアはベットの上で泣いていた。
こっちを振り向いた目は真っ赤に腫れていた。
ずっと泣いていたんだろうか。
「カティア何があったんだ。」
って聞いたら胸に飛び込んできた。
「ミナト様、兄さんが、父が、母が、うっうぇええええん。」
言葉のならないみたいだが家族に何かがあったのは分かった。
しばらく泣き続けていたのでそっと抱きしめていた。
少し落ち着いて「ずっと言ってなかったんですが私はカティア・マリンウッドって言います。マリンウッド家の3女なんです。マリンウッドはここからずっと南にある街で海と面してます。」
どこかいいとこのお嬢さんだとはエルフィナさんの反応から考えていたが貴族でした。
「今日城に急使がきて、マリンウッドの海域にクラーケンがあらわれたと、兄さんが指揮する第5騎士団が対応しているが状況は予断を許さないそうです。」
うなづきながら頭をなでる。
「それが12日前で今から援軍を送っても2週間はかかるから間に合わないだろうとミリアリア様に告げられました。」
「そうなのか。」
なんと言っていいかわからない。
クラーケンかライカほどではないが、エルフィナさんが行かないと倒すのは難しいだろう。
「父たちは最後まで戦うと思います。だからもう会えないかもしれません。」
「それは辛いな。」
「もしかしたら既に亡くなってしまったかもしれません。でももしかしたらって思ってしまうんです。でも決断できませんでした。時間の無駄かもしれませんが救援に行ってもらえませんか?無駄足になるかもしれませんが、ミナト様どうかお願いできないでしょうか。行ってくださるなら私でできることなら何でもしますから。」
「そんなに堅苦しいこと言わなくてもさ。助けてって言ってくれたらいいのに。カティアは俺の妻になってくれる予定なんだろ。好きな子のお願いなら叶えたいから遠慮なく言ってよ。」
「ミナト助けて。」
「任せろ。」
カティアの頭を一撫でしてから部屋を出る。
途中でエルフィナさんにあったがなんとなく察したのだろう。
「すまんが頼む。」
って送り出された。
城の屋根に出て「トランスフォーム」と叫びユニットを装着してロウガーを呼ぶ。
ロウガーに飛び乗り空をかけドンドン加速していく。
空気抵抗を減らすため前面にオーラシールドを展開する。
この状態のロウガーは音速を超える。
数時間後、日が昇るころ、海が遠めに見えてきた。
もう一時間くらいで海岸付近に到着した。
上空から見ているが一帯は壊滅している、しかし奥の街のほうではまだ騎士団っぽいのが見える。
どうやらこの期間を耐え抜いたようだ。
門の周辺にはサハギンや、フィッシュマンっぽい死体が大量に転がっていて一面真っ赤に染まっている。
クラーケンは見当たらないから海に戻っているのだろう。
姿を見せてくれないことにはどうにもならないので一度街へと降りることにした。
まだ朝早いので見つかることはないだろう。
路地裏に降りて座って少し休憩した。
街中を歩いているとどこも静かだ。
まあそうだよねクラーケンがきてるのに賑わいなんかないよね。
そんな中空いている店を見つけた。
そこでは干物なんかが売っているようだ。
久々に見た魚に購買欲が刺激される。
「お兄さん見ない顔だね。旅人かいだとしたら間の悪い時に来たね。」
店員のエルフが声をかけてくる。
「街が静かですけど何かあったんですか。」
「クラーケンが出たんだよ。あんなの100年くらい前に出たのが最後だったのにね。」
「クラーケンが出たんですか。それで静まり返ってるんですね。」
「そうなんだよ。おかげで商売もあがったりさ。」
「状況はどんな感じなんですか。」
「領主様と息子の騎士団長さまが頑張ってくれてるよ。なんでも100年前にクラーケンを倒したエルフィナ様を呼びに向かわせたから頑張れって毎日言ってくれるんよ。でももう無理かもしれないね。騎士団のけが人が毎日ギルドに運ばれてるさね。」
「逃げなくていいんですか?」
「領主様が頑張ってるのにギリギリまで逃げらんないさね。」
カティアの親御さんもまだ生きているようだ。
そんな話をしてると、おっさんが走ってきた。
「だ、誰かポーションが余ってるところはないか!団長様が危ないんだ。」
叫びながら走り去っていく。
「けが人が集まっているところってどこですか。」
「そんなこと聞いてどうするさね。」
「俺ポーション持ってますんで。」
「ほんとうかい。わかった案内するよ。」
そう言って店をほっぽり出して連れて行ってくれた。
集会所のような建物には多くのけが人が運ばれていた。
入り口で「こらこらここは関係者以外立ち入り禁止だ。」と止められた。
店主が中に入れてほしいっていうが入れてもらえない。
その時奥から「どうしたんだ」って青い髪のイケメンエルフが出てきた。
「この2人が中に入れろと騒いでまして。」
「すまないが取り込み中なんだ。後にしてくれないか。」
追い返されそうになったので「ポーションを持ってるんです。」というと
「本当かね。こっちだ」っいぇ連れて行ってくれた。
奥の部屋では若い青い髪のイケメンエルフが真っ青な顔で寝かされていた。
鑑定すると毒もくらっているようでかなり危ない状態だ。
普通のポーションでは助からないだろう。
近づいて先に毒消しポーションを飲ませようとすると止められた。
「なんだそれはポーションじゃないだろう。何を飲ませるつもりだ。」
「自作ポーションなんで色はちょっと変わってますけど保証しますよ。」
「すまないが見ず知らずの方の言葉を信じることができないくらい危ないんだ。」
「信用してもらえませんか。危ない状態ですよ。」
悩んでいるようだ。
確かにこのポーション色が悪すぎるんだよね。
仕方ないあまり身バレしそうなことは言いたくないが、
「私はカティアの友達です。それ以上は言えませんが信じてもらえませんか。」
「カティアの・・・・・・。わかった信じよう。」
今度は止められなかった。
飲ませると顔色がだいぶ戻った。
次は中級ポーションを飲ませる、するとようやく呼吸が安定してきた。
状態が悪かったのですぐには目覚めないだろう。
「これで大丈夫と思います。」
「ありがとう。ありがとう。すまないがまだこの街の危機は脱してないので失礼する。」そう言ってから部屋を出ていった。
こっちもそろそろ準備に戻るか。
しばらくして大きな鐘の音が鳴り響く。
クラーケンが出てきてんだろう。
路地裏で装着して空へ飛ぶ。
海岸に大量のモンスターがあふれてきている。
クラーケンはまだ水の中のようだ。
ライガーを海岸で暴れさせてシロに海の中へと突入させる。
俺はさらに上昇して、「ライカ、力を借りるぞ」『お任せですマスター。』
そう言うと全身に雷属性を纏う。
海の中ではシロがクラーケンを相手に奮戦している。
少しして海の中からクラーケンが飛んでくる。
シロが投げ飛ばしたんだろう。
そこにライガーが突撃してさらに上空へ飛んでくる。
そこに向けて加速して「真イナヅマキーック」で蹴り飛ばす。
海岸に飛ばされたクラーケンは動かなくなった。
もう一度上空に戻りオーラを練りながらもう一体を待つ。
シロがもう一体も投げ飛ばした。
ライガーがさらに上空へ向けて飛ばす。
そこにもう一発「真イナヅマキーック」を食らわせる。
そのクラーケンも海岸に飛んでいき動かなくなった。
レベルアップしたし、マップにも反応がなくなったので大丈夫だろう。
あふれていたモンスターも引き返していくのが見えた。
シロを回収してライガーで飛んで去っていく。
マリンウッド上空を飛ぶとまずいのでエランデ王国方面を経由してから帰る。
疲れたので途中で野営してエルウッド王国に帰った。
帰るとミリアリアさんに呼び出されたので行くとそこにはカティアもいた。
「エルフィナには復興支援として物資と人員、そして第四騎士団を連れて出てもらった。不味い情報も何とかしてくれるだろう。それでクラーケンはどうなったのかのぉ。」
「くまさんがやっつけたと思いますよ。私にはマリンウッドのことまではわかりかねますが。」
「そうかそれはよかった。感謝しておくぞ。」
「くまさんに感謝したらいいんではないでしょうか。」
とりあえずとぼけておいた。
「わかった。くまさんに感謝しておこう。何か欲しいものはあるかえ?」
「今はお風呂に入りたい気分ですね。」
「そうか自由にしたらよい。用件はそれだけじゃ。」
退出して風呂に向かう。
カティアがついてきて世話してくれた。
風呂から出て仮眠しようと思ったが、自分の部屋はミレイヌとレインがいてゆっくりできないのでカティアのベットを借りた。
布団に入って横になるとカティアも入ってきて抱き着いてきた。
「お兄さんとお父さんは無事だと思うよ。」
「ミナト様。ありがとうございます。」
そう言ってキスをされた。
カティアをみると真っ赤になって「私はもうミナト様のものですよ。」
って告げてきた。
大したことも返せずにただ抱きしめて疲れのまま眠ってしまったのだった。
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