久しぶりに狩りへ
28話
さて城に帰ってからエルフィナさんに孤児院のことを話したらすぐに調査してくれることになった。
俺はと言うと久しぶりに冒険者活動をしようと思っているのだが、部屋に帰るとうなだれるレインが隅で暗い雰囲気を醸し出している。
「レインどうかしたのか?」
って聞いてみたら泣き顔でこちらを振り向いた。
「ぐすっ、ごじゅじんざまあ。」
「何があったの?」
って聞いたら「ザラざまにもう来なくていいと。」っていって泣き出した。
よくわからないからサラさんに聞いたら、掃除したら備品を壊し、洗濯させたら服をやぶき、洗い物は割りまくるとで仕事にならないという。
それはすいませんって謝っておいた。
今日はカティアとプリシアが休みだからと思って狩りに行こうと思ってたんだけどどうしよう。
ほっておくのも忍びない。
仕方ないから連れていくことにした。
エルフィナさんにお願いしてフルアーマーを一つ用意してもらって、しばらく出かける旨を伝えておく。
レインに普段着に着替えてもらって、城を出る。
路地裏で鎧をつけてから冒険者ギルドへ。
レインには名前を間違えないように念押ししておいた。
ギルドにいくとライラさんがいた。
「ルシードさん、お久しぶりですねぇ。今日はどうされましたか。」
「お久しぶりです。オークの買取とこちらの登録をお願いしたくてきました。」
「わかりました。こちらへどうぞ。」
そう言って案内してくれる。
オークの買取をしている間に登録が終わったようだ。
「ルシードさんも強かったですけど彼女もやりますねえ。」
「そうなんですか?」
「レインさんでしたかDランクからスタートになりましたよ。」
思ったほど強くないな?って思って後で聞いたら武器無しで戦った結果だって。
ギルドを後にして門から出ていく。
しばらく歩いて屋台型機甲トラックで一気に鉄の森へと飛ばしたら、びっくりしてレインが漏らした。
宥めるのが大変でした。
彼女のためにも詳しくは語るまい。
鉄の森について得意武器を聞いたら弓矢だというので渡しておいた。
そうしたら例の泉までのモンスターは百発百中で倒していた。
「すごいじゃないか。」
「弓は一族でも一番でしたから。自信があります。」
久しぶりに自信に満ちた顔をしている。
「大したもんだ。今日はここで野営しよう。」
そう言って準備を進めていると、木の枝とかを集めてきてくれた。
感謝して用意の続きにうつる、定番のミノタウロスのステーキ丼。
たれは随時開発しているから味は数種類用意できるので飽きがこないのがまたいい。
「美味しいです。初めて食べました。ミノタウロスって美味しいんですね。」
この世界の人間にとって森のモンスターは強すぎる。
街の近場ではゴブリン、コボルト、ボア、角うさぎ、が主流なのでミノタウロスの肉を食べることなんてないのだ。
定期的に売りに出るようにギルドに渡したいが、他の冒険者たちの生活もあるからバランスが難しい。
しばらくは身内で楽しむことにしよう。
「あのぉルシード様おかわりをもらってもいいでしょうか?」
「いいよ満足するまで食べな。」
そう言っておかわりを渡す。
良い食べっぷりなので見てて気持ちいいし嬉しくなってくる。
しかもダークエルフの彼女は稀少な種族だけあって街で見かけることがないがとても美しい。
じーっとみていたら「そんなに見られると食べづらいです。」って言われてしまった。
申し訳ない、って顔を逸らす。
食事を終えて、水浴びをしているとレインが入ってきたので目をそらす。
「ミナト様少し話を聞いてもらえますか。」
「話なら後で聞くから、服を着てよ。」
「今どうしても確かめておきたいのです。こっちを見てください。」
「確かめるって何を?女の子に興味があるかだったら、あるから大丈夫だから服を着て。」
「それなら尚更お願いします。わたしの今後に関わるんです。」
「服を着てたらじゃダメなのか?」
「ダメです。」
仕方ないから彼女を見る。
そこには顔を真っ赤にして胸を手で隠すレインが立っている。
恥ずかしいなら来ないでほしいと思うが見ろというからじっくり見てみる。
リーナみたいな銀髪に、特有の褐色の肌、身長は160センチくらいか、胸は豊かで手に収まりきっていない、引き締まった体をしている。
そんな彼女がの体には所々に傷跡が特に左肩から胸にかけては大きな傷跡がそのまま後ろを向くとその背中には一番大きな傷跡が残っていた。
しかしその下には綺麗な形のいいお尻が・・・・・・。
「どうでしょうか?こんな傷だらけの女に価値は見出せますか?抱きたいと思いますか?私は知っての通り弓以外はできることがありません。私より強いミナト様にとって価値はありますか?」
答えようとしたがレインは話を続ける。
「私を売った商人は、品定めの時に最初はいやらしい視線を向けてましたが、脱がされて傷を見た途端興味をなくしたようにこいつは一人では売れんなって言ってました。その後チヨたちと嬲られているときも私の身体を見て男たちはゴミでも見るような目で見てました。ミナト様にとっても価値はないでしょうか?」
最後のほうは聞き取れないくらいになっていった。
そんなレインの目は涙であふれていた。
別に傷は負いたくて負ったものでもないだろうに、あまりにもかわいそうだった。
なによりも自分の今後のことも考えて決死の覚悟で来た彼女に答えないといけない。
なんて言ったらいいか言葉を考えてるうちに彼女の顔が下を向いていく。
もしかしたら俺にも拒否されると考えてるのかもしれない。
彼女が逃げる前に距離を詰め抱きしめる。
「辛い思いをしてきたのに見せてくれてありがとう。大丈夫だから、レインの価値は傷跡ぐらいで変わったりしないよ。」
「じゃあミナト様は私のことを抱けますか?」
って耳元でささやいてくる。
「ああ、抱けるとも。」
「証拠が欲しいです。」
そういわれても困る、俺はリーナと結婚するまでは誰にも、リーナより先に手を出すことはないと決めている。
「ごめんそれは無理だ。」
「やっぱりですよね。言葉では何とも言えてもできませんよね。」
そう言って離れようとする彼女の手を取る。
「抱けないのはレインに魅力がないからじゃない。」
「噓です。では何故。男は機会があれば、すぐに手を出してくると言われました。」
間違ってないんだろうが誰だそんなことを教えるのは。
「証拠はこれだ。」
そう言って彼女の手を下半身に持っていく。
それを触った彼女の顔が赤く染まっていく。
しかも彼女の手をとってしまったので彼女の胸が全部見える。
綺麗な桜色が・・・・・・。
「納得してくれたか。」
「わ、わかりましたから手を離してください。わたしもそんなに見られると流石に恥ずかしいです。」
「ご、ごめん。」そういって手を離すとレインは胸を隠して水に潜ってしまった。
俺もこのままでは不味いので水に浸かる。
レインの顔が水から出てきて
「ミナト様が私に興味がないわけではないのはわかりました。でもなぜ抱けないのか理由を聞いてもいいですか?」
「けじめかな。俺はリーナと婚約しているので彼女に手を出していないのに、先に誰かに手を出すことはしないと決めている。それが理由だ。」
真剣な彼女には下手なことは言ってはいけないと思い正直に答える。
「答えて下さってありがとうございます。安心できました。」
「それならよかったよ。」
「ミナト様一つだけお願いしてもいいですか?」
「別にいいよ。」
「今晩だけ一緒に寝てください。」
何故に俺に更なる試練を与えようとするのかわからない。
「そのお願いは聞きかねる。」
「なんとかお願いします。私普段から何かを抱いてないと寝れなくて。実は移動時の休憩も寝れてなくてだからお願いします。」
「そんなことはもっと早く言ってほしかった。」
「すいません。ミナト様のもとに今後もいるか悩んでましたので。前に私たちを解放するって話をしてらしたので、もし解放されたら何処かに消えようと思ってました。それで今日、この傷跡を見せたら捨てられるかもとも考えていたので何も伝えられずに・・・・・・。」
「それについては悪かったと思ってるよ。奴隷についてよく知らなかったからさ。解放したほうがためになるんじゃないかと思ってた。それにそんな傷跡くらいで捨てたりしないよ。」
「じゃあ願いをかなえてください。」
寝れないんじゃあどうしようもない、明日からは敵も強くなってくるし。
「わかったよ。でも、もし俺が耐えれなくなって手を出しても後悔するなよ。」
「その時は喜んでミナト様のものになります。」
そういう彼女の笑顔に憂いはなかった。




