孤児院を見つけたので援助してみました
27話
リーナとのデートの後、3日が過ぎた。
毎日が楽しいんだが悩みも増えてしまった。
思い出したらドキドキしてくるリーナとのキス、その後リーナから、これからはお互いさん付けはやめようと提案されて同意したので呼び捨てにするのに慣れないといけないんだけどそれよりも
「ミナトさんは気づいてなかったみたいだけど、向こうで隠れてる2人のこともちゃんとしてあげてくださいね。あとミナトさんの周りに女の子が増えるのは仕方ないと思ってるけど増やすときはちゃんと教えてくださいね。」
って言われて初めて覗いてる2人に気づいた。
ティピに聞いたら気づいたら集中できないだろうから、スキルをオフにしてくれてたんだとか。
気づいた以上ほっとくのもかわいそうなんで、リーナの許可を得て2人を呼んで一緒に夕飯をたべた。
覗いてたことに関しては注意したら謝ってたけど心配してたみたいなので許した。
リーナのことは優先するが2人のことも考えないといけない。
2人はあの後、リーナの部屋でお泊りして何かを話し合ったのだろう。
次の日からたまに近くに誰もいないときの距離感というか接し方が近くなった。
まあこれまではリーナのことを先にはっきりさせたいと言ってたので、遠慮してくれてたんだろう。
なのでこちらも真剣に応じないといけない。
といっても急に何かを変えれるわけもなく悩んでしまう。
同じ部屋にいる3人も何かを察している気がする。
あの3人のことも何とかしてあげないと。
特に同郷の子ユカはこの世界で生きていける力をつけさせてあげないといけない。
どこかのタイミングで連れ出してレベルアップさせるしかないね。
とりあえず今日はレオちゃんに店のことで話をしにゼスト商会に行く予定だ。
3人はここでの生活に慣れてもらうため、サラさんについてもらいメイドの仕事を覚えている最中だから問題ないけど
カティアとプリシアはついてくるかもしれない。
目立たない格好でなら別にいいんだけど。
予定を伝えたら案の定ついてきた。
ゼスト商会に行ったが会長は出張しているらしい、代わりに息子のレオンさんが対応してくれた。
「初めましてレオナルドの息子のレオンといいます。父から話は伺っています。」
「どうもミナトです。隣がカティアとプリシアです。」
「それで今日はどういったご用件でしたか?」
「この間店舗にラーメンを食べに寄ったんですけど、その店舗の味がひどかったので調査と対策を話しあいたいと思ってきたんですが時間は大丈夫ですか?」
「そうでしたか。それは問題ですね。これから商会はエルウッドの他の都市にも店舗を出す計画を立てているので早急に対策しないと。具体的にはどうひどかったのかわかりますか?」
「そうですね。まずはラーメンとチャーシューですが仕込みの段階で作業が抜かれていますね。焼飯は炊飯の水の量を間違えてると感じました。」
「そんなにわかるものなんですか?」
「わかりますね。特にボアは独特な臭みがあるので、仕込み段階でしっかりと臭みを抜かないとスープに癖が残ってきます。わたしもスープを作るうえで悩みぬいたので。今はまだ問題になってませんがその内、気づく人が出てくると思います。」
「お恥ずかしい限りですが、私はこの前まで父に代わりにローウッド王国に出ていたので、まだラーメンを食べたことがないんです。」
「じゃあ今から食してみますか?食べないと担当者にも指摘できないでしょうし。」
「本当ですかでは是非お願いします。」
そういわれたので実際に正規品と失敗作を作って持っていく。
スープはサンプルに常にイベントリーに入っている。(失敗作も)
その際に他の従業員にお願いされたので多めに作っておいた。
お昼はラーメンだね。
レオンさんの部屋に2つのセットを持っていく。
「2種類作りました。店で売り出している物を再現しました。」
そう言って渡すと早速食べだした。
「旨い。なんだこれは今まで食べたことのないものだ。」
そこから一気に食べきってしまった。
また一人ラーメンのファンを増やしてしまったようだ。
そして失敗作を口にすると
「これは。これは問題だ。」
そう言って立ち上がると
「すいません。ミナトさんこれはすぐに対応しないと。担当を連れて調査に向かいます。」
そう言って出て行ってしまった。
その対応策を話しに来たんだが・・・・・・。
「ミナト様、どうされますか。」
「うーんどうしようか。」
って言ってるとさっき調理場にお願いに来た方がお茶を持ってきてくれた。
「ミナト様、レオン様がすいません。仕事はできる方なのですが思い込んだら突っ走っていかれるので今日はもう帰ってこないでしょう。また結果は報告が行くようにしますね。」
「それならいいんですけど。」
「あとラーメンご馳走さまでした。全員喜んでました。やっぱり本家はさすがですね。」
そう言って出て行ったのでお茶を飲んだら俺たちも商会を後にした。
こうなったら結果待ちだね。
時間ができてしまったので3人で散策することにした。
そうしたら左腕にプリシアが、右腕にカティアがそれぞれ腕を絡めてきた。
「あのぉ、非常に歩きにくいんですけど。」
「「嫌でしたか?」」
両側からそう言われると
「嫌じゃないです。」
っていうしかない。
両腕に胸が当たって、女の子の柔らかさが伝わってくる。
意識しないように歩いているとそこら中から怨嗟の視線が飛んでくる。
おかしい他にもそんな奴は歩いてるのに・・・・・・。
そして気づいてしまった、ほかのやつは大概イケメンエルフだ。
確かに人間のおっさんが可愛いエルフを2人も連れてたら嫉妬に狂うやつもいるだろう。
そういえば昔の同僚にリア充を恨んでいるのがいたなぁ。
まあいいや、今という時間を楽しもう。
そのまま歩き続けていたら、知らない道に入り込んでしまった。
しばらく行くと少し広めの少しボロク見える建物があった。
何の建物かなってみていたら声をかけられた。
「ここはエルウッド孤児院なんですがここに何か御用でしょうか?」
聞いてきたのはここの職員さんと思われる瘦せたエルフだった。
「すいません。王都の散策をしていたら初めての道に入ってしまって、ここは孤児院なんですか。」
「はい。ここでは身寄りのない子供を預かっています。」
「もし可能なら少し見学させてもらっていいですか?」
「少し院長に聞いてきますね。」
そういって中に入っていく。
「カティアはここのことを知ってるのか?」
「すいませんミナト様。私も王都出身ではないのでここのことはわからないですね。でもエルウッド各地の大きな街にはそれぞれあると思いますよ。ミリアリア様が取り組んでこられたので。」
「そうなんだ。」
「エルウッドは今でこそ発展していますが、一昔前までは他国と同様貧しかったので。それこそミリアリア様が王になられてからですね。」
「アーカード王国ではまだそこまで手が回ってないのが現状ね。この国ほど豊かでもないし。」
話し込んでたらさっきの女性が戻ってきた。
「あまり見学しても楽しくないと思いますがそれでも良ければどうぞとのことです。」
あまりこういう施設では客人は歓迎されないのだろうか。
言葉にとげがあるように感じる。
でも少し見てみたいので入らせてもらおう。
「じゃあ少しだけお邪魔してもいいでしょうか?」
少しだけ目つきが険しくなったような気がするが案内してくれるようだ。
中に入っていくとすごく暗い雰囲気だった。
大きめの部屋が幾つかあったがどの部屋にも元気のない子供がたくさんいた。
委員長室もドアがガタついているのか開けると音がなっている。
中では少し険しい顔した院長と思しき女性が待っていた。
「あなた方が面白半分で見学に来た客人ですか。」
ひどい言われようだ。
何か事情があるのかもしれない。
「突然お邪魔してすいません。面白半分で来たというのは誤解ですが、お気に召さなかったのでしたら謝罪します。」
というと「ではこんなところに何の御用でしょう。あなたも子供を買い取りたいと来たのですか。ここはそんなところではないのでそんなつもりならお引き取りください。」
どうやら質の悪い金持ちが子供を買いに来たようだ。
この院長の感じからして決して慈善事業ではなくよからぬたくらみできたことが読み取れる。
「別に子供を買いに来たとかではないんです。たまたまここについただけなんですが、孤児院と聞いて施設の外で遊ぶ子もいないのでどうしてなのか気になりまして。」
「・・・・・・。そうでしたか。それは失礼なことを言ってしまい申し訳ありません。理由は簡単です。国からの補助金が下りなくて困窮しているだけです。食べるものもないのに元気な子供なんかいるわけがありません。」
「それは最近のことですか。」
「そうです。担当者に聞きに行ったんですがそのお金が何処にいったかまでは現在わからないそうです。とりあえずないものはどうしようもないのでたくわえで何とかしのいでほしいと言われました。私たちも懸命に切り詰めているのですがもうどうにもならない状態ですね。」
「それは大問題ですね。私の知り合いに調査をお願いしましょう。あとよければ多少の食料を提供しますよ。」
「本当ですか。先ほどは失礼な態度をとってしまったのに。なんて慈悲深い。ありがとうございます。」
「いいですよ。それに事情を知ってほっとくのも後味が悪いですから。」
それから案内してもらって炊事場へ連れて行ってもらう。
本当はオークを渡したいところだが、念のためにボアとコッコの干し肉にしておこう。
野菜も多少ならあるので保管庫に入れていく。
後は小麦粉を樽に補充して、これで3週間くらいはいけるだろう。
あとは今日の分は俺が調理してあげよう。
大勢で食べても大丈夫なシチューでいこう。
先に弱火のフライパンに自家製バターを溶かして塩コショウで味付けした具材を順番に炒めていく。
それを鍋に入れて今度は小麦粉に火を通しながら水に溶かしていく。
できたら鍋に入れていき火にかける。そこに山羊乳と鶏がらスープをいれて、よく混ぜながら煮込む。
最後に調味料で味を調えたら完成だ。
あとは手持ちのグスタフパン(硬い)を温めて完成だ。
匂いにつられてか子供たちが炊事場の入り口に集まっていた。
院長に言うと食堂にみんなを集めてくれた。
全部で60人くらいが集まってきた。
たくさん作ったから大丈夫だろう。
スタッフに手伝ってもらって配膳していく。
「みなさん久しぶりのまともな食事ですが、これはこちらのミナトさんからのご厚意です。感謝して食べてください。ではいただきましょう。」
「いただきます。」
そういってみんな一斉に食べていく。
「これは。なんて美味しいのかしら。」
みんな喜んでくれてよかった、でも院長とスタッフがいちばん手が動いている。
やっぱりこの世界、食事がまずい証拠だと思う。
味見で食べてみたがやっぱりクリームシチューは美味いなぁ。
グスタフパンはたくさん渡されているが不味い。
全部寄付して帰ろう、俺が持ってても食べないだろうし。
横を見るとカティアとプリシアが皿を見て残念そうにしている。
シチューは作ってなかったからもっと食べたいのかもしれない。
2人におかわりをあげると全員が欲しがったのでおかわりを渡していく。
みんな3回くらいお代わりしたから、たくさん作っておいたけどなくなってしまった。
「お兄ちゃんご馳走さまでした。」って女の子が寄ってきた。
うんうんいい子だね。そうだよ私はお兄さんだよ傷つくからおじさんって言わないでね。
その後院長に保管庫に入れた食材とグスタフパン、金貨50枚を渡しておいた。
「こんなにたくさん本当にありがとうございます。」
って感激してました。
その後みんなに見送られて孤児院を後にした。
帰り道も2人は腕を絡めてきた。
「ミナト様は優しいですね。」
「そうでもないよ。子は宝っていうしできることはしてあげたいよね。」って言ったら
「私と作ってもいいのよ。」
ってプリシアが言い出して「抜け駆けはいけませんわ」ってカティアと言い合いが始まった。
城に帰るころには日が暮れていたのだった。
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