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プリシアの思い

20話



プリシア視点


私はプリシア・アーカードといいます。


アーカード王国の第3王女です。


アーカード王国は大国エルウッドの北東に位置する鉄の森に接している国です。


人口はエルウッドの1割くらいでしょうか。


歴史も浅い国ですが特殊なスキルを使える種族の多いことが特徴です。


こういう特殊を持っているせいで迫害されてきた人たちを曾祖父が集めて逃げて建国しました。


そうして少しずつ森を切り開いて今に至ります。


エルウッド王国のミドガルド地方と領を接していて、友好な関係だと思います。


姉二人はすでに友好国に嫁いでしまいました。


姉は特殊スキルを持ってなかったので、すぐに話が進んだようです。


後は兄が2人、弟が1人いますが、ケイオス兄様だけがスキルを持っています。


私も特殊スキルを持っているのですが、制御が出来ず突然発動することがあります。


このことは父にも内緒にしています、なぜならスキルがあるために私は嫁ぎ先が難しいと思われているのに、制御できないとばれたら城で飼い殺しになるでしょう。


それは避けないといけません。


ただでさえまだ小さい国なので、友好国を増やして協力を得るためには婚姻が一番です。


そんなことをずっと考えてきましたが、そうもいかなくなったようです。


兄がひどい状態で帰ってきました。


報告を盗み聞いてしまいましたが、なんてことでしょう。


鉄の森からやってきたボスとモンスターをエルウッド王国に押し付けることになったようです。


これは大問題です。


だから優柔不断な父と大臣たちはどうするのか答えを出せませんし、情報も入ってきません。


時が過ぎてミドガルド砦が半壊したことだけが分かったようです。


それからはただ時が過ぎるばかりでした。


私も何かしたいのですが女の私が政治に口を出すことをよく思わない方はたくさんいます。


しかしついにエルウッド王国から使者が参られました。


「あなたたちのせいでわが国の砦は壊れ、騎士団は負傷し、危うく英雄エルフィナ・エルウッドを失いそうになったのです。この責任をどうしてくれるのでしょうか。」


途中からしか聞こえませんでしたが大変なことになっています。


大国の怒りを買ってしまいます。


使者は帰られましたがお父様たちは顔面蒼白になっています。


このままでは戦争になってしまうかもしれません。


エルウッド王国の騎士団は世界最強と言ってもいいでしょう。


我が国の騎士がスキルを駆使しても蹂躙されるのは間違いがないです。


わたしは戻って来た副団長のサリアに話をききにいきました。


残念ながら使者の言葉は事実でした。


サリアも向こうの団長ともども治療を受けて帰ってきたようです。


数日後にグラン兄様のところへ向かいます。


まだ役職にはついておられませんが、グラン兄さまはこの国の知恵袋です。


父様の政策は実際はグラン兄様が考えておられます。


ただあまり部屋から出てこられないのです。


扉をノックします。


「どうしたんだいプリシア。」


「エルウッド王国の使者がきて、国が危機です。」


「落ち着きなさいプリシア。話は聞いているよ。今回はまずいことになったね。」


「ですわ。」


「そこでだ今回は犯人の首と私の命で、なんとかできるか検討しているんだ。」


「そ、それは・・・・・・。」


駄目ですと言いたいですけど出せるお金は国庫にもわずかしかありません。


王族の誰かが命を懸けるしかありません。


何も言えずに部屋を後にしました。


この国の状況と民のことを考えました。


グラン兄様が死んでしまったら、ケイオス兄様だけではダメです。


女の私だったら殺されることはないと思います。


でもきっと毎日弄ばれる日々が待っていると考えるとはっきり言って絶望です。


考えただけで泣きたくなってきます。


でもグラン兄様を失って私が残っても国は大きく傾くかもしれないです。


自分のことと国のことで悩み続けました。


父様はまだ答えが出せません。


ですから私は王族としての責任を全うします。


グラン兄様にそのことを告げると、自分の幸せを考えていていいと言ってくれました。


これで覚悟ができました。


そうしてエルウッド王国にやってきました。


待っていたのはミナトという先日リーナ様と婚約した方の専属メイドとしての日々でした。


初めに少し胸を見ていたので少しエッチな方のようです。


ミナト様はだいぶ年上の方ですが、変なネチネチした目で見てくる貴族よりはましです。


しかし料理は最高でしたそのくらいの印象だったんです。


カティアさんに連れていかれたお風呂も最初はなんで服を脱いでタオルを巻いていくのかわかりませんでした。


ミナト様が手を出してくるのかと思ってましたがそんなことはありませんでした。


少し過剰にサービスしてみましたが困っておいででした。


ある日、カティアさんがミナト様に助けられた日のことを話してくれました。


カティアさんがミナト様のことが好きなのが伝わってきました。


そして「プリシアの立場は思っているほど悪くない。ミナト様に気に入ってもらえたら側室にしてもらえるかもしれませんよ。」って教えてくれました。


少し希望が見えてきた気がしました。


それからは頑張って働きました。


愛のない都合のいい関係の女でも側室に成れたらいいと考えて。


ある日、仕事中にスキルが暴走してしまってその姿をミナト様に見られてしまいました。


でもミナト様は気にしておられないようで、むしろ暴走しても大丈夫なようにメイド服を特殊加工してくださいました。


それからはミナト様に更に興味が出てきました。


ミナト様を観察しながら興味を持ってもらおうと頑張りました。


お風呂でのアピールも忘れません。


でも私にはリーナ様のような胸はありません。


屋台も毎日大盛況で日当で大銀貨2枚もくださいます。


ある日の休日には鍛冶屋に行かれました。


いたのはドワーフのハーフの男性でした。


しかしミナト様は気にせず腕前をほめていらっしゃいました。


次に商品を受け取りに行った時も感謝を述べて丁寧に接しておられました。


学園では特殊スキルを持っていることで、努力をしても認められず、努力が足りないのに妬まれ、差別されてきたので衝撃をうけました。


このころにはかなり優しいミナト様に惹かれていました。


結局ミナト様に手を出されることもなく日々は過ぎていました。


そして私は失敗してしまったのです。


休むこともなく過ごしていたら仕事中に倒れてしまって気づいたらベットの上でした。


全てが終わったと思いました。


ミナト様に懇願してみましたが落ち着くように言われました。


そしてすべてを話しました。


これでもう終わってしまったと思っていたら、そっと抱き寄せてくださいました。


そして「ごめんな。俺さ、リーナさんとの婚約が言われたばっかりだったから、そのことを先にはっきりさせようと精一杯でプリシアの状況まで考えてる余裕がなかったんだ。カティアのこともあるし。だけど何とかするから。プリシアのことも何とかして見せるから捨てたりしないから。だから時間が欲しい。」


そう言って下さって肩の荷が下りた気がしました。


そうしたら涙が止まりませんでした。


その間ずっと頭をなでてくださいました。


これで好感度の上がらない女はいないと思います。


優しいミナト様にこれからも惹かれていく気がします。


次の日の朝に気づいたのですが服が変わっていたので、ミナト様が着替えさせてくれたのかと、期待しましたがカティアさんのようです。


ミナト様らしくていいですけど。


カティアさんが言ってましたが、世の中には女を玩具くらいにしか思っていない貴族がたくさんいると、そんなやつは私たちが喜んで身体を見せると思わないでほしいと。


好いている殿方ならば話は別ですが・・・・・・。


この国は王がミリアリア様なのでそんな貴族がいたら大変な目に合うみたいです。


ミナト様ならもう少し触れてくれてもいいのに。


カティアさんと一緒に、時を待ちつつ、アピールを続けていきます。

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