屋台開店前
17話
あれから2週間がすぎた。
あの後は大変だった、リーナさんは泣き出してカティアは拗ねてしまうし、とりあえず解散して改めて話し合うことになった。
リーナさんからしたら婚約した男に会いに行ったら、知らない女の子とイチャイチャしてるようにみえる光景が広がっていれば泣きたくもなるだろう。
改めてエルフィナさんのところで事情を説明してもらう。
プリシアは本当はプリシア・アーカードと言ってアーカード王国の第三王女だという。
プリシアは責任を取るために覚悟して、この国の奴隷になってもいいとやってきた。
ミリアリアさんは当初もっと軽く終わらせるつもりだったので奴隷なんか欲しくない。
殿下に任せるにしても、正妻のいない殿下に側室はおかしくなるし、殿下が拒んだらまたややこしい、そこで白羽の矢が立ったのが俺ということだ。
現在この国の第二王女の婚約者で、側室候補がいても問題ない立場らしい。
でもまだ無職なんだよね。
どうしても嫌なら断ってもいいらしいがその時は彼女がどうなるかは・・・・・・。
脅迫まがいの説得をしてくるエルフィナさん。
プリシアの人生を俺の選択で終わらせるみたいなことはしたくない。
話を聞いて、リーナさんとカティアはとりあえず納得してくれたようだ。
リーナさんとカティアが先に部屋をでてすぐエルフィナさんがきて耳元で
「カティアにも手を出して側室にしても問題ないぞ。」って囁かれた。
「いきなり何を言い出すんですか。しませんよ。」
「はぁ~、やれやれカティアもかわいそうな子だ。まあいい。」
そう言って追い出された。
まあ俺だってそこまで鈍くないつもりなのでカティアの好意はわかるつもりだが、今は答えが出せない。
まだこの世界での生活基盤をちゃんとできてないんだ。
いつまでも城の部屋住まいは不味い。
とりあえず部屋に帰る。
待っていたプリシアに「改めてよろしく」と言った。
それからの日々は怒涛に過ぎていった。
まずはプリシアの歓迎でラーメンをふるまった。
彼女も夢中にさせてしまった、早く屋台したいなぁ。
俺の専属といってもそんなにすることはないが掃除、洗濯をカティアとてきぱきとこなしてくれる。
風呂に入るときはカティアが世話をするようになっていたがプリシアもやってきた。
カティア以上に身体を密着させようとしてくるので困った。
そろそろ柔らかいパンを食べたいのでいろいろな酵母を作ってみた。
それを使用してパンを作ったらフカフカになった。
リーナさん、カティア、プリシアに試食させたら喜んでいた。
その後、ミリアリアさん、エルフィナさんにも持っていったらグスタフに指導するよう言われた。
グスタフを探して城を歩いていたらレイチェルさんに捕まった。
「最近旨いものを食べてないから食べさせて。」
そいって背中に張り付いてくる。
レイチェルさんは鎧を着てるから張り付かれても痛いだけなのだが離れてくれない。カティア、プリシアによって何とか引きはがして厨房にやってきた。
歩いている間、カティアがレイチェルさんに何かを耳打ちしていたのが気になる。
厨房には誰もいなかったので勝手に入って唐揚げを作ってレイチェルさんに渡したら満足したようだ。
その後グスタフを見つけてパンについて教えようとしたら試食をたくさんさせられた。
そうしてあっという間に2週間経ってしまった。
次の日の朝ついに商業ギルドから連絡がきたので出かけようとしたが、カティアとプリシアに連絡をしてなかったので部屋に戻るとそこにはスカートのお尻側をまくったプリシアがいた。
何よりも気になったのがそこについているものだ。
そうそこにはずれた下着とふさふさのしっぽがあったのだ。
あまりの衝撃に固まっているとプリシアと目があってしまった。
「き、き、きゃああもごもご・・・・・・。」
瞬間本能的に距離を詰めて口を手で押さえてしまった。
「すまん悪かったからまずは落ち着いて。」
そういうと、こくこくと、うなづくプリシアをみて手を離した。
そうしてまずは体勢を整えようとしたら後ろから何かを落とす音がして振り向くと立ち尽くすカティア。
「ミナト様ひどいです。」
といって膝から崩れ落ちるカティア。
カティアから見える今の体勢はまるでプリシアに襲い掛かっているようだった。
カティアとプリシアを椅子に座らせて落ち着かせる。
そして無言の時間が始まる。
誤解を解いてしまいたいが、プリシアの尻尾について話していいのかわからない。
『ミナト、プリシアのしっぽは種族スキルの影響ね。彼女は九尾の系統かもね。』
そんなのがあるんだって感心していたら
とりあえずカティアの誤解を解こう。
「あのねカティア。誤解があると思うんだけど、決してプリシアに襲い掛かっていたわけじゃあないからね。」
「ぐすっ。じゃあ何をしていたんですか。」
鼻をすすりながら聞いてくる。
困ったどういったらいいんだろうか。
「あの本当にミナト様が襲い掛かってきたわけではないんです。」
プリシアが話だしはじめた。
「私の持っている種族スキルが発動してしまって尻尾が出てしまったんですが、それを戻って来たミナト様に見られてしまって、私が驚いて叫びかけたのでミナト様が口をふさがれたところにカティアさんがやってきたんです。」
「それならそうとすぐに言ってくださればよかったのに。」
「ごめん。尻尾のことを俺が言ってしまっていいのかわからなくて。」
「私こそすいません。すぐに言えばよかったんですがこのスキルと尻尾は人によっては嫌がるというかいい思い出がなくて言い出せなくて。」
「そんな可愛い尻尾なのに嫌がる奴なんているのか?」
そういうと顔が赤くなるプリシア。
「ミナト様は気にしないかもですが世の中には、嫌悪、妬み、といろいろ抱く方はいますので。それはエルフに対してもです。」
とカティアが言ってくる。
「確かに人間同士でもあるから余計にか。まあ俺は可愛いと思うから俺の前では隠さなくてもいいよ。」
っていったらカティアの目が冷たくなった。
「それはどうかと思いますよミナト様。」
プリシアを見ると恥ずかしそうにしていた。
・・・・・・。失敗したかな、悪気はなかったんだがさっきの光景を思い出したら失言な気がするので謝っておいた。
その後、ティピが属性付与について教えてくれてプリシアのメイド服に空間属性を付与して尻尾が出てしまってもスカートがめくれないようにして終ってしまった。
次の日の朝やっと商業ギルドへと足を運ぶことができた。
奥の部屋に通されてお茶が出された。
少ししてイリヤさんが入ってきて挨拶をした後、
「大変お待たせして申し訳ありませんでした。なかなかゼスト商会の会長が捕まえられなくて交渉が難航していましたがようやく場所を確保できました。」
「ありがとうございます。」
「場所は商店街の中央通りのど真ん中になります。」
それはまたいいところを確保してくれたもんだ。
「そんなところをよかったんですか?」
「会長も快く空けてくれましたわ。」
笑顔で話すイリヤさんからは妙な迫力を感じた。
「場所代とかはどれくらいなんですか?」
「場所代は売り上げの5パーセントでどうでしょうか?」
「固定ではないんですね。」
「固定にするとそれを捻出できない方が多くて、今のようにゼスト商会に独占されることになったので。」
俺の場合、すべて自前だから原価はあってないようなものだから場所代5パーセントは安いと言っていいだろう。
それに何かあってもギルドが味方してくれるようそこは値切らずに行こう。
「次にラーメンの値段ですが基本小銀貨1枚で考えてるんですがどうでしょうか?」
「いいと思います。あまり安くても他の方が売れなくなってしまいますから。今あのあたりで一番高いのは大銅貨1枚と銅貨2枚の屋台ですね。」
「参考になります。では明日から早速売り出してもいいですか。」
「どうぞ場所代は月末払いになりますので気を付けてくださいね。」
そうして話し合いは終わり城へと帰る。
明日からの予定を話し合うとカティアとプリシアが手伝うといってきかないのでお願いすることにした。
さてまだ時間はあるので一旦チュートリアルの世界へと行く。
今後に備えてスープとチャーシューを量産しなければならない。
後はタケノコが見つかればメンマを用意できるのだがないものは仕方ない。
ネギはお好みで置いておくことにしよう。
いつものところへ行って作りまくる。
イベントリーに入れておけば腐る心配もなく安心安全な状態だ。
作業を始めて1日が経ったところでふと餃子も欲しいなと思う。
いきなりは無理だがいずれは商品にしたいところだ。
ということで鉄鉱石をまずは錬成で鋼のインゴットにしてそれをもとにミンサーを創る。
錬金でやってみたが1発目は失敗した。中身がない外見だけになってしまった。
今度はそれをもとにインゴットを足して中身も作っていく。
試行錯誤を繰り返してついにミンサーが出来上がった。
キャベツはあるしニンニクも生姜もあるニラがないがまあ何とかなるだろう。
皮は小麦粉で作れるしやってみるか。
早速タネを作り皮に包んで焼いてみる。
少し味が弱いので焼くときに水を使わずに鶏がらスープをチョイっと入れたら濃い目になる。
これならタレがなくてもいけるだろう。
まあしばらくは商品にする予定はない。
最初はあっさりなオークラーメンでいって、認知されてきたらこってりや醬油ダレいりも・・・・・・。
夢が膨らみますなぁ。
満足して帰ったらカティアとプリシアに臭いと風呂に連れていかれたのだった。
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