アーカード王国編 6
141話
プリシアの話を聞いてすぐにリーナのところへとやってきました。
「ミナト、急にどうしたんですか。」
「ちょっと相談があるんだけどいいかな。」
「ええ。仕事もほぼ終わってますから大丈夫ですよ。」と笑顔で言ってくれるリーナに感謝したい。
「さっきまで倒れたプリシアの世話をしていたんだけど。」
「カティアから聞きましたけど、プリシアは大丈夫なんですか。」
「ゆっくりと寝たら大丈夫だと思うよ。」
「それならよかったですわ。それでミナトの相談って。」
「実は・・・・・・。」
プリシアから聞いた話をリーナに説明する。
「それでどうしたらいいのかと思って。」
「そうですねえ、母上に伝えてエルウッド王国からの支援はしない方がいいと思います。あまり大きい支援をしてしまうとアーカード王国を属国にしてしまうことになりますから。」
「やっぱりそうだよねえ。」
「ミナトが支援する分には大丈夫でしょう。母上には私から説明しておきますわ。」
「それは助かるよ。じゃあ支援の仕方なんだけど・・・・・・。」
リーナに相談も終わったから部屋を後にしてこれからの予定を考える。
考えながら通路を歩いていたら、今日の訓練を終えたルージュさんとシールと会った。
「ミナト様、奥様の様子はどうですか。」
「心配してくれてありがとう。少しゆっくり休養したら大丈夫そうだよ。」
「それならよかったです。では明日からまた訓練を再開してもらえますか。」
「そうだね。それで2人に少し相談があるんだけどこの後、時間はある。」
「ええ。特に予定はないのでいいですよ。」
「じゃあ食事でもしながら話そうか。」
そう言って屋敷のほうに連れていくことにした。
今日の夕食はオーク肉のカツ丼が用意されていた。
早速食べ始めたのだがルージュさんとシールが食べることに夢中で話をできそうにない。
とてもではないが今の二人に話しかけることのできる雰囲気はなかった。
三回くらいおかわりをしてようやく話そうと思ったけど、苦しそうにしているのでお茶を用意して一服することにしよう。
お茶を飲みながらゆっくりしてから「そろそろ本題に入っていいでしょうか。」ときりだす。
「えっ、そ、そういえば何か話があったんでしたね。」
「すいません。夕食が美味しくてついつい食べ過ぎてしまって。」
「いえいえ美味しかったならよかったですよ。」
「それはもう、うちの料理人にも教えてほしいくらいです。」
「それなら料理人をよこしてもらえばうちの料理人に教えるよう言っときますよ。」
「ぜひお願いします。」
「姉上また話がそれてしまってますよ。」
シールがそう言ってくれたのでようやく本題に入れそうだ。
「実は今回訓練中の近衛を全員連れて遠征したいんだけど。」と言ったら
「是非行きましょう。」とシールが食い気味に言ってきた。
「こらシールちゃんと話を聞きなさいな。」
「え~、いいじゃん。遠征行きましょうよ。王都にずっといるのも飽きた。」
「ルージュは遠征に反対かな。」
「反対というわけではないのですけど、どこに遠征されるのですか。」
「アーカード王国なんだけど。」
「よその国にいけるの。行こうよ姉さま。」
「別に遠征自体はいいのですけど他国へ行くのは軍事侵攻に思われませんか。」
「そこはちゃんと許可を取るからさ。」
「まあそれでしたらいいのですけど。本当に遠征が目的なのですか。」
「・・・・・・。2人にだけ言うけど秘密だよ。実は・・・・・・。」
「まあそういうことなら、仕方ないですね。では出発はいつごろにしますか。」
「あと1週間は飛行の訓練をしてから更なるレベルアップという名目で出発しようと思います。」
「わかりました。では2日程前に伝えればいいでしょう。嫌がるメンバーはいないと思いますわ。」
「やったー。遠征に決まりだね。」
シールはとても嬉しそうだけどそんなに王都を出たかったんだろか。
2人の協力を得られそうでよかった。
あとはアーカード王国遠征に向けて用意をするだけだ。
そういうわけで翌日から遠征に向けて準備に入るのだった。
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