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アーカード王国編 4

139話



王都の近衛騎士を何人かアイアンウッド領に連れていきたいと考えていたけど、予想外に500人も応じてくれたので追加で飛行ユニットを用意したけど、やっぱり500は無理だった。


仕方ないから訓練中はグループで1つを渡して使ってもらうことにした。


訓練所に行くとすでに近衛騎士1000人が集まって準備運動をしているところだった。


俺が中央に向かうと、全員が準備運動をやめて整列していく。


とりあえず昨日忘れていたから全員に自己紹介してもらったんだけど・・・・・・。


「私は近衛騎士団長を務めている、ルージュ・ライアットといいます。」


なんで騎士団長がここにいるのと思ったけど、彼女は訓練を終えたら王都に戻る予定だった。


少し残念に思っていたら「私は副団長を務めていました、シール・ライアットです。」と副団長もいました。


シールとルージュさんは姉妹だそうで、シールはアイアンウッド領に移住してくれるようで、これからは部下になるので呼び捨てでいいと言われた。


ルージュさんからは妹をよろしくお願いしますと頼まれてしまった。


ちなみに二人共、髪が白くてエルフとしては珍しい。


身長は160くらいだろうか、オーラスカウターに表示された数値はルージュさんがオーラ値 25444 B84 W62 H81

シールはオーラ値 22577 B83 W61 H83 と近衛騎士団の中でも優れている。


この2人がそれぞれ500人を仕切ってくれるみたいで、最初に2人に飛行ユニットの使い方を教えたらグループを作って練習を始めてくれた。


流石近衛騎士なだけあって、全員がそれなりにオーラを使えるから飛行ユニットを稼働させられる時間が長い。


安心してみていられた。


この調子なら早くに飛空船の訓練に移行できそうだと感じた。


それから飛行ユニットを使った訓練を数日間行い続けた。


全員がそれなりに飛行ユニットを扱えるようになってきたので、そろそろ飛空船の訓練に移行していこうかなって考えながら通路を歩いていたら、ふらふらしているプリシアを見かけた。


声をかけようと思って早歩きでプリシアを追いかける。


---------------------


プリシア視点


グラン兄様から手紙が届いてから数日が経ちました。


私はどうしたらいいのか分からず毎日悩んでいます。


先日はミナトさんが王都にやってきたのですが、今はまだ私の中で結論が出せないのでなんとなく避けてしまいます。


手紙には冬が危ないと書かれていたのでまだ時間があると思いますから、もう少し考えてみましょう。


最近はリーナ様の執務室にはミナトさんがいるから私たちはお休みしていいそうです。


だから私はミナトさんから頂いているお小遣いと、リーナ様の補佐をしている分でもらったお給金を全部計算してどれくらいの物資が準備できるか調査しに城下町へとやってきました。


でもあんまり商店街に来ることもないからどこが一番安いのかも知りません。


商店街を眺めながら歩いていると、ムサシさんを見かけました。


ムサシさんはアンさんと腕を組んで楽しそうに歩いていたのですが、わたしに気づいて声を掛けてくださいました。


「これはプリシア殿ではござらんか。お久しぶりでござる。」


「ムサシさん、アンさんお久しぶりです。」


「プリシア殿が商店街にいるのは珍しいでござるな。何か探し物でござるか。」


「ええ、物資類が少し安く物が買える店がないか探していました。」


「安く買える店でござるか。アン殿は知らないでござるか。」


「そうですね。この商店街は交渉次第では安くなるかもですけど、最初から安く買おうと思ったらスラム近辺か北側の区域のあたりに数店でしょうか。」


「スラム近辺か、北側の区域ですか。ありがとうございます。行ってみますね。」


「待たれよ。スラム近辺や北側の区域は変な奴が多いでござるから、一人で行くのはお勧めしないでござるよ。もし行くならミナト殿と一緒の方がいいでござるよ。って行ってしまったでござるか。」


「急いでどうされたんでしょうね。」


ムサシさんの言葉が終わる前に私は駆けだしていた。


そして北側のお店にやってきたんだけど、商店街に比べたら少し安いけど持っているお金全てを合わせてもとても何万人分も買えそうにない。


残念に思っていると「へへへ、姉ちゃんほしいものがあるのかい。俺の頼みを聞いてくれたら協力してやってもいいぜ。」と変なおじさんが声をかけてきた。


怪しいおじさんだとは思ったけど焦っている私はつい「頼みというのは何ですか。」と聞いてしまった。


すると少し移動しようと私を引っ張って路地のほうに向かいます。


路地の手前まで来て「簡単なことさ。少しおじさんを気持ちよくしてほしいだけさ。」と言っておじさんは私のお尻に手を当ててきました。


それでこのおじさんの目的に気づきました。


「やめてください。お断りします。」と言って私は走り出しました。


おじさんは追いかけてきましたけど、ミナトさんが鍛えてくださっていたおかげで逃げ切ることができました。


でもおじさんにおしりを触られたのは気持ち悪かった。


その日は気分が悪くなったのでもう帰って休むことにしました。


次の日、ミナトさんに心配されましたが寝不足と言ってごまかしてしまいました。


最近悩みであんまり眠れてないから噓は言っていません。


今日はスラムのほうに行ってみたのですが、確かに安めの値段でしたけど売っている物が良くなかった。


やっぱりいい話はなかなかないようです。


こうなってくると私にできることはないかもしれません。


私は正確にはもうアーカード王国の人間ではないので、何もできなくてもいいのですが、毎晩アーカード王国の民が、兄さんたちが苦しんでいるそんな夢を見てしまい眠ることができません。


だから何かいい手がないか寝ずに考えますが、毎日悩むだけで終わってしまいます。


そんな日々を過ごしているうちに体調は悪くなっていったのでしょう。


ある日、私は移動中に眩暈がして、そのまま気を失ってしまったようです。


次に目が覚めたら心配そうにしているミナトさんがベットの傍にいました。


私は迷惑をかけたくないと思いながらも、ミナトさんに全てを打ち明けてしまいました。


その後わたしはグラン兄様に手紙を書くことができました。

読んでくださってありがとうございます。


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