領地の開発12
132話
久しぶりに王都へやってきてミリアリアさんに話があったんだけど、忙しいみたいで明日に時間を取ってもらうことになったから、ユカとチヨちゃんの買い物について行くことになったんだけどいったい何を買いに行くのだろうか。
ミルキーを通り過ぎて、商店街の方へと歩いて行く。
商店街は相変わらずにぎわっていて多くの人が行き来している。
途中で購入を促してくるおっちゃんに断りながら、ユカとチヨちゃんについて行く。
人が多くなってきたからはぐれないように2人と手をつなぐことにした。
そうして歩いていたんだけどチヨちゃんにおっさんがぶつかってよろめいたので支えてあげる。
「邪魔なんだよ。」っておっさんが怒鳴ってきたので睨みつけてやったらそのまま去っていった。
人混みにイラついてるのかもしれないけど態度の悪いおっさんだ。
ああいうのはどこの世界にもいるんだな。
さて気持ちを切り替えて商店街を進んでいく。
商店街を抜けて広場にやってくると、屋台がたくさん出ている。
ここは結構出ている屋台が変わるから見てみるのも面白い。
「そこの可愛い彼女づれのお兄さん良かったら食べていかないかい。今流行のクリームパスタだよ。」
「こっちはトマトソースがあるよ。」
「こっちのオークの串焼きはどうだい。」といろんなところから声がとんでくる。
残念ながら昼飯にはまだ少し早いから屋台を素通りしていく。
「兄さんがイベントをやってから屋台が賑わってるわ。」
「兄様の作るのよりは劣りますけど、十分美味しいです。」
「そう言ってくれると嬉しいよ。」
イリアさんの笑っている顔が見えた気がした。
ユカとチヨちゃんは俺の手を引きながら広場も通り過ぎていく。
お目当ての店はまだのようだ。
さらに進んでいくと以前空輸隊の隊服を作ってもらったラビットが見えてくる。
新しい服でも買いに来たのかなって思ったけどラビットも通り過ぎていく。
新しくできた店って言ってたからラビットじゃあないかと思い直してついて行く。
さらに数件店を過ぎていくとおしゃれな看板の店があらわれた。
看板にはマリーと書いてあるから店の名前なんだろう。
「ここやで兄さん。ほな入るで。」と言って手を引っ張っられて店の中へと入っていく。
店の中に入ると目に飛び込んできたのは色とりどりの陳列された女性用下着だった。
「ここは女性用下着の店じゃないか。」
「そうやで言うてへんかったっけ。今日はチヨちゃんの下着を買いに来たんやで。」
「そんなことは一言も聞いてないけど。」
「ごめんなさい兄様。」
「いやいや、チヨちゃんは悪くないからね。」
「折角ここまで来たんや。ご主人としてチヨちゃんの下着選びにつきおうたってえな。」
「それこそチヨちゃんが嫌だろう。」
「兄様なら別にいいですよ。」
なんとか逃げようと思ったけど、回り込まれてしまい逃げられそうにない。
逃げようとしたらチヨちゃんが泣きそうになったから、諦めて下着を見に行くことに。
最初に入った列はやたらセクシー系な透けている下着の列だった。
リーナ達がこういうのをつけてくれたらたまらないなぁと思ったけど、チヨちゃんにはまだはやいだろう。
というか連れているのがユカとチヨちゃんだから他のお客さんの目が痛い。
早く別の列に行きたいのにユカとチヨちゃんが手に取って見始めた。
「チヨちゃんにはまだ早いんじゃないかな。」
「いつかのために見ておくのも勉強やで兄さん。」
「チヨも勉強しておきます。」
ユカは絶対に面白がってやっているんだけど、チヨちゃんが真面目にみているから離れられない。
「ちょっとあの人・・・・・・。」「もしかして変態かしら。」
うわあ、なんかひそひそ不名誉な言葉が聞こえてくるんだけど。
誰か助けてくれえ。と心の中で叫んでいたら後ろから「お待たせしましたミナト様。」という声が聞こえてきた。
誰かと思って振り向いたら屋敷のメイドのセシリアだった。
セシリアは買い物かごに沢山の下着を持っている。
「いや別に大丈夫だよセシリア。」とセシリアの方に近寄る。
すると「なあんだロリコンの変態じゃなかったのか。」「おもしろくないわねえ。」と興味を無くしてくれたみたいだ。
「助かったよセシリア。いやほんとうに。」
「いえご主人様が孤立して敵に囲まれた兵士みたいに見えたので声を掛けましたけど。こんなところでどうされたんですか。」
「いやユカとチヨちゃんに連れてこられたんだけど、下着の店ってしらなくって。セシリアはどうしてここに。」
「わたしはみんなの下着を代表で買いに来たんです。」
「みんなの分って、どうして。」
「最初はみんなそれぞれ買ってたんですけど、選ぶものが独特すぎて、ある日のお風呂の時にお願いされたので定期的に私が買いに来るようになったんです。」
「それでそんなにたくさん下着を。」
独特な下着ってどんなものをつけていたのか気になるけど。
まあセシリアは下着選びにセンスがあるのだろう。
「じゃあ悪いんだけど、このまま下着選びに付き合ってよ。そのかごのやつもセシリアの下着も代金は全部俺が支払うからさ。」
「わかりました。じゃあ私のもの選んじゃいますね。」
と下着を物色し始めたんだけどここは透け透けの下着しかないよと思った。
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