領地の開発6
126話
久しぶりのお風呂でリラックスして、部屋に戻ってベットにダイブしたらすぐにでも眠気が襲ってきたので、そのまま意識を手放してしまった。
翌朝、目が覚めると柔らかいものに包まれていた。
手を動かすとそこにも柔らかいものがあって、背中の方にもぬくもりが感じられる。
多分だけど今俺の顔はレインの胸に挟まれているのだろう。
そして手を動かした先にはアイリスがいて、背中にくっついているのはミレイヌだと思われる。
3人の嫁に挟まれてなんて幸せな朝なのか。
このまま起きるのももったいないからもうひと眠りするとしよう。
そう思って少しの間レインの胸の感触を堪能してから目をつぶると、すぐに意識がなくなり眠りへと落ちていった。
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そんなミナトを上から見ている2人がいた。
『さすがのミナトもかなり疲れがたまっていたようね。』
『マスターの集中力は凄いですね。』
『それだけ夢中になっていたってことね。』
『しかしあれだけのものを作りきったのはすごいのですよ。』
『そうね。だからゆっくり休ませてあげましょう。その間に私達で試運転をしておいてあげましょう。』
そう言ってティピは転移していった。
『もちろんです。マスターにはいい思いをさせてあげるですよ。』
そういってライカはミナトに近づいて、ミナトの右手をお腹のあたりにいたアイリスの胸のところへと移動させておいてから転移していったのだった。
その後、チュートリアルの世界でティピとライカによる飛空船の試運転という名目の遊びが行われた。
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次に目が覚めたのはお昼前のことだった。
目が覚めたらこちらをジッと見ているレインと目が合った。
どうやら3人とも俺が起きるまで付き合ってくれていたみたいだ。
「起こしてくれたらよかったのに。」
「随分お疲れのようでしたから。それにたまにはご主人様の寝顔をじっくりと見るのもいいなって思いまして。」
「こんな機会もあんまりありませんし。」
「寝ているのをじっくり見られるのはなんだか恥ずかしいな。」
「心配をかけたんだからそれくらいは我慢してよね。」
そのまま3人でしばらくゆっくりと過ごしてから昼食を食べて出かけることにした。
「ミナト、出かけるのはいいけど今日はちゃんと帰ってきてね。」
「心配しなくても大丈夫だよ。」
「本当に帰って来てくださいね。」
「心配ですわ。」
リーナ、カティア、プリシアに心配されているので今日はレイン、ミレイヌ、アイリスを連れていくことに。
出かける先はベイカーさんのところだ。
ベイカーさんの工房へと入ると鉄を打つ音が鳴り響いていた。
最近ベイカーさんのところに弟子入りに来る人も多いとは聞いていたけど、予想以上に弟子がいるようだ。
ベイカーさんのところへと行こうとしたら「あんた誰っすか。見ての通り仕事中なんで邪魔っす。」と止められてしまった。
説明しようとしたらレインがその子の頭をつかんで持ち上げて「ご主人様に無礼ですよ。」と怒っている。
「てめえ離しやがれ。」とジタバタ足を動かしているがレインからは逃れられないようだ。
それに気づいた他の弟子がこちらに向かって来ようとしたところで「ミナトの旦那ようこそ。」とベイカーさんが気づいてこちらにきてくれた。
「親方の知り合いですか。」
「知り合いも何もミナトの旦那はここの領主様じゃないか。」
というベイカーさんの発言を受けて工房内は大騒ぎになった。
領主様に絡んでしまってどうしようって空気になってしまったので、一度ベイカーさんを連れて外へと出ることにした。
「すいませんね。うちのもんが騒がしくしてしまって。」
「いえいえ大丈夫ですよ。こちらもいきなり来たので。」
「いやいや旦那は俺の雇用主なんだからいつ来てもいいんですよ。今日はどんな御用です。」
「ちょっとベイカーさんに量産してもらいたいものがあるんですよ。」
そう言って5メートル級の船をアイテムボックスから取り出した。
「これは船ですかい。でもこんなもの量産してどうするんです。」
「実はこれで空を飛ぼうと思いまして。」
「ええっ。船で空をですかい。」
「そうこの船で空を飛びます。」
「・・・・・・。」
ベイカーさんが驚いて黙ってしまったから後ろを見るとレインたちも固まってしまっている。
そういえば3人にも今見せたばかりだ。
「旦那、本当にこいつは飛べるんで。」
どうもこの船が飛ぶことに懐疑的なようだ。まあいきなり船を飛ばすと言われても信じられないよね。
「ベイカーさん船に乗ってください。軽く飛んでみましょう。」
「ご主人様。私も船に乗ってみたいです。」
「いいよみんなで飛んでみよう。でも一応レインたちは飛行ユニットを装着しておくんだよ。」
「わかりました。」
レインたちの準備が終わったようなので、みんなで飛空船に乗り込んでいった。
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