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王都で過ごす冬9

115話



貴族へミノタウロスの肉とハイオークの肉を売りつけるためのイベントも終わって、リーナたちとイチャイチャしながら過ごせると思っていたのに、実際には毎日新しく購入した奴隷にプリンの作り方を教えて、パティシエを育てなければならないという状況になっていた。


なぜなら俺がメイドのミスをカバーするためにプリンを提供してしまったからだ。


あのあとメイドはプリンのおかげでお咎めなしで済んだのだけど、イリアさんのもとへと貴族たちが殺到して私たちもあれが食べたいと言ってきたそうだ。


そのことでイリアさんから詰め寄られた俺は、プリンを販売しつつお茶もできる店を作ることを約束させられていた。


貴族たちには開店をお待ちくださいとのことで話が付いたそうなんだけど。


おかげで俺は毎日忙しいです。


開店してしまえば店のことはイリアさんとジルクが管理してくれることになった。


プリンの基本レシピはイリアさんに預けてあるから、他の商会が購入することも可能だ。


まあ、まずは俺の作る店の様子を見てだろうけど。


土地は商業ギルドの土地を借りることにして、2階建ての店舗を作る予定だ。


下は喫茶店でいろいろな紅茶とクッキー、プリンを楽しめるようにして、上の階でお持ち帰り用のプリンを販売する。


もちろんプリンも安いのから高い貴族用まで用意する予定でいるので、それを作れるように特訓中です。


あとは販売する子を募集して、教育しないといけないし、制服も作ってもらわないといけない。


やることがたくさんありすぎて忙しいありさまだ。


しかもメリッサさんに嗅ぎつけられてしまったので、交換条件をだした。


結果、販売と接客する子の教育はメリッサさんとカティアとプリシアが行ってくれる。


その代わり育てたパティシエの一人は学園都市に派遣されることになるんだけど、これは本人も了承してくれている。


実際に募集をしたら予想以上の応募があって、採用に苦労してしまった。


貴族家の娘までくるとか予想外にもほどがある。


理由を聞いたら家が苦しいからそれなりの給金の仕事を探していたそうだが、さすがに平民の下では働くことはできないからきたそうだ。


別に平民に差別意識があるとかではなくて、貴族としての立場上ということだから採用してみた。


仕事中は立場は平等ということにも快く同意してくれたようだ。


後は教育でなんとかしてくれることに期待しよう。


採用は終わって、カティアとプリシアのおかげで作る方の教育だけで済んでいるからまだましなんだけど、それでもゆっくりはできないのだ。


------------------------------


さてミナトが忙しくしているころ王宮ではメイド長のルリアがリーナの執務室を訪れていた。


「姫様、あれからミナト殿とはどうですか。」


「ルリア、心配しなくても毎日楽しく過ごしていますよ。」


と答えるリーナを見てこれはまだ手を出されてないことが感じ取れる。


普通の男なら姫様ほどの美少女が隣で添い寝していればすぐに手を出すというのに、もしかしてミナト殿は不能なのかと思ってしまう。


「姫様、そういうことを聞いているのではありません。」


「じゃあどういうことなのですか。」


「ミナト殿と子作りはされたのですかと聞いているのです。」


そう言うとリーナ様は顔を真っ赤にして


「そ、そんなことはルリアには関係無いんじゃないですか。」と言ってくる。


「いいえ、関係がありますとも。王家の方は誰も結婚をしていませんし、ミリアリア様の方針がああですからそれはいいんですけど、せっかく結婚されたリーナ様が子を作ってくれないと私の楽しみがないではないですか。」


「それはルリアの都合じゃないですか。」そういってジト目でこちらをみてくる。


「私の家の仕事は王家に仕えることです、最近私の娘が実質メイド長の仕事をこなしていますから、私は手持無沙汰なのです。どうかこの私めに仕事を与えると思って子を作ってください。」


そういうとリーナ様は何かを考えておられるようだった。


リーナ様たちを小さい頃から世話してきた私としては是非ともその子供も世話したいのです。


なんでしたらうちの孫を呼んで一緒に世話をさせますよ。


「でも最近ミナトは忙しそうですし、帰ってきたらお風呂の後はすぐに眠ってしまわれますよ。」


やはりミナト殿は不能なのかと考えてしまう。


「もしかしてミナト殿は不能なのでしょうか。」


「どういうことでしょうか。」


姫様の耳元で「ごにょごにょ。」と言うと「そんなことはないと思いますよ。だって・・・・・・。」


どうやら不能ではないようで安心しました。


ということはミナト殿はかなり奥手なのでしょうな。


そして姫様もあんなことがあったせいで積極的ではないようですから、ここは私が発破をかけてあげましょう。


「ミナト殿は忙しいとあらば、姫様が癒して差し上げたらよろしいではないですか。」


「どうやってですか。」


「それはですね・・・・・・。」


これでミナト殿も手を出してしまうはず。


------------------------------


そんなやり取りが行われているとは知らずに俺はのんきにプリンを作っていた。


貴族向けの商品の開発も順調に進んでいるし、店舗ができれば研修をしないと。


今日は作った商品をイリアさん、ルリアさん、ミリアリアさん、リーナ、リリスとリリイ、アンジェに食べてもらうことに。


プリンは硬めのものと柔らかいめのもの、そしてカスタードプリンを用意してみた。


他にも試作したんだけどそれは後で増やしていく予定だ。


食べてもらうと「童はこのカスタードが一番好みじゃな。」「私は硬めのが。」「柔らかいのがいい。」


とどれも好評だったから大丈夫だろう。


基本の硬めのやつのレシピをイリアさんには渡してある。


あとは店舗ができるまでに全員が作れるようになってもらはないと。

読んでくださってありがとうございます。


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