王都で過ごす冬2
108話
リーナに呼ばれたので王都エルウッドへとやってきて、カティアとプリシアと久しぶりに会って喜び、リーナの執務室でリーナとあって喜んでいたら、突然嫁が増えることになりました。
驚きのあまり少し固まってしまったけど、後ろにいたカティアとプリシアも知らなかったようで固まっていた。
でもこれでさっき通路で会ったローラさんの言っていたことがつながった。
すいませんローラさん今聞きましたよ。
「ミナト。驚くのも無理ないんだけど、しっかりしてね。」
「ああ。大丈夫だ。問題ない。」
と言いながら動揺を隠せない。
これまでの結婚相手は出会ってから、時間を過ごしてきたけど付き合う前に結婚は初めてのパターンだ。
これが貴族の世界なのかと驚いている。
「とりあえずまずはその子を紹介しますね。」
「わかった。でもリーナはそれでいいの。」
「私はミナトを信じていますから。そうじゃなかったらレインたちだけなんて行かせませんわ。」
そんな可愛いリーナを抱きしめてしまうと、リーナが驚いて可愛くキャッって言うから余計に力を入れちゃったよ。
その後リーナの案内でローラさんの部屋へと入っていく。
すると先ほど通路であいさつされた女の子がそこにいた。
「ミナト。こちらがローラさんですわ。」
「改めましてミナト様。私はローラ・ライアーノと申します。よろしくお願いします。」
「どうもミナト・アイアンウッドです。よろしくお願いします。ところであったばかりだけど本当にいいんですか。」
「もちろんですわ。ミナト様に愛していただけるかは分かりませんが愛することは可能だと思います。」
「それならいいんですけど。あと側室になるけど大丈夫ですか。」
「大丈夫ですわ。正室はリーナ様だということは承知の上ですからお気になさらずに。」
こうなっては断るのは無理そうだ。
まあこちらも味方は欲しいから悪い話ではないだろう。
あとは結婚までに俺がローラさんを好きになればいいことだ。
なんて思っていたら、ローラさんのお父さんはまだ領地の方にいるらしいんだけど、嫁入りすることは確実だということで婚姻届けを目の前に用意されてしまった。
この子行動が早いよ。
リーナの方を見ると手にペンを渡されてしまった。
・・・・・・。
用紙に名前を記入して返すと、笑顔で回収されてリーナが持って行ってしまった。
部屋にローラさんと2人にされても困る。
どうしようかと思っていたら、「ミナト様はこの後は予定はありますか。」とローラさんが聞いてきたので
「予定はないですよ。」と答えた。
「それでしたら少しでもお互いを知るために、今から出かけませんか。」
「いいですよ。じゃあ行きましょうか。」
向こうからそう言ってくれたから渡りに船という状況を活用しない手はない。
ローラさんを引っ張って街へと繰り出した。
いまだに王都の全体を把握してないから、2人で適当に歩くことに。
ローラも王都には詳しくないようだ。
そしてローラは思ったよりも初心で手をつないだら顔を赤く染めていた。
それが可愛かったからつい口にしてしまったら「わ、悪いですか。男性とデートだってしたことありませんから。ミナト様が初めてですわ。」って照れながらいうから余計に可愛らしくみえた。
「初めてのデートが俺で申し訳ないくらいだよ。」
そんなことを言いながら北にある広場を歩いていると、屋台がたくさんあってそこらかしらから声を掛けられる。
婚姻届けが受理されたら夫婦になるのに、リップサービスでお似合いだよとか言われて照れているローラさんが好印象だった。
偶に街を歩いている勘違いした貴族みたいな女の子でなくて安心しました。
広場をぐるっと回ってから別のところへといくと行列が目にはいったから近づくと、新たにオープンしたラーメン店のようでいいにおいが漂ってくる。
ローラさんが興味を示したから並んで食べることに。
30分ほどしたところで順番が回ってきて席に案内される。
メニューを渡されるんだけど、この店舗は出来たばかりなのかボアラーメンしかないようだ。
ローラさんが醬油を頼んだから俺は塩を注文する。
水を飲みながら待っていると先に大量のネギが入った大きな器が持ってこられた。
「こちらお好みでラーメンにいれてください。」と言ってテーブルにおかれる。
それを見てローラさんは驚いていたけど、俺もびっくりしていた。
そしてすぐにラーメンが運ばれてくる。
スープを飲んでローラさんが感激している、そしてこちらのスープも気になっているようなので器を差し出す。
「とっても美味しいですわ。」
「ローラさん的には塩と醬油どっちが好みでしたか。」
「とっても悩むところなんですけど、選べと言われたら醬油ですわ。」
2人で来ると違う味を頼んで両方を味わうことができるのはいいよね。
麵を食べ始めてからはローラさんは無口になっている。
俺は器からネギをたくさんとって自分のラーメンに沈めて食べていく。
ネギが食べ放題とはここの店舗やるではないか。
食べ終わって代金を払って店を後にする。
「ご馳走さまでした。とてもおいしかったですわ。」
「気に行ってくれたならよかった。」
それからまた手をつなぎながら城まで帰っていくのだった。
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