前編
ボーイズラブです。苦手な方は注意してください。
「ねぇ〜大翔っ行こうよっっ」
今日は七夕前日。
響は、楽しそうに俺の、腕を引っ張る。
「行こうって何処?」
どこって言わなくても、響の顔で分かっていたけど、訊いてみた。
「七夕祭り!!花火が上がるんだよっっ」
興奮しているのか、響は目をキラキラに輝かせている。
とにかく落ち着かせようと、俺は水を渡した。
「あぁ……分かったけど、もう少し落ち着かないか?」
「えっあ、うん………」
慌てて響は、床に座る。
恥ずかしそうに、座っているあたり、はしゃぎすぎた自分を恥じいたのかもしれない。
そんな響は可愛いけど。
「俺は行かない」
響のデートのお誘いをきっぱり断る。
「えぇっっっ!!!どうして大翔ぉ……」
それには訳がある。
何とも恥ずかしいことだが、俺は花火が大の苦手だ。
あの音を聞くと、体中がびくびくして……はっきり言えば怖いということだろう。
「その日は用事があってな」
何とも見苦しい言い訳だが、俺には思いつかなかったのだ。
響は俺の顔を上目遣いでのぞいてくる。
「とても大事な用事なの?」
しゅんとした声で聞いてくる響の声はまるで子犬のようで。
嘘をついている罪悪感があるが、カッコ悪い姿を見せるよりは……と、何としてでも嘘をつきとおす。
「あぁ。とっても大事な用事だ」
「……そっか、うん分かった。じゃあ今日は、その分ずっと一緒にいてね?」
意外に早く引き下がるのに違和感を感じたが、何とか花火を見なくて済むことに安心していた。
こんにちは。彩瀬姫です。
今回の「響×大翔」シリーズは連載にしてみました♪が、
忙しくて今日中に終わらないと思いますので、のんびり更新していきたいと思います。