表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

プロローグ


「……ぃ……だ……ぶか!? 」


 自分を揺すっている声に、やっと意識が深い暗闇の底から戻って来るのを感じる。

 俺は……いったい……何を……。


「おい! おい! 生きてるのか!? 」


 再び暗闇の底に落ちそうになった意識を、またその声が呼び覚まそうとする。

 もう勘弁してくれ……俺はもう眠いんだ……。


「起きろ! 起きろ! 起きてくれってば! 」


 彼女が泣いている……。

 彼女が泣いているのだけは許せない。

 いったい誰が……?


「良かった……。」


 やっと目を開けた俺を、彼女が見つめていた。

 ふと横を見れば、周りは火の海になっている。


「に……逃げろ……いま……すぐ……。」


 声を上げようと思ったが、焼けた喉からは、途切れ途切れの音を出すのがやっとだった。


「あたしが必ず助けるから……」


 そう言って、彼女は俺の身体を引きずりだす。

 もう間に合わない。二人とも火に巻かれる……。


 ごうと巻いた炎の旋風が、彼女の赤い髪を焦がす瞬間を見せつけられてから、やっと俺はいつもの悪夢から覚める事が出来た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ