実験材料の採取⑤と敵
「残りはスターフラワーだけど、スターフラワーは標高が高い山の頂上によく咲いているから。よし、あの山に行こう」
ラミィはそう言って自分が向いている先にある山の方向を見た。
「よしじゃあ行きますか」
そう言ってラミィは魔導書を出現させた。
「ここからあの山の頂上まで2キロぐらいかな。よし、創造」
「創造」その単語を発した瞬間、魔導書が光を発しラミィの目の前に蒼白い矢が現れた。
「よし完成ここでこの矢に、魔術刻印テレポート」
そう言ってラミィは蒼白く光る矢に魔術を刻印した。
「じゃあ適当に弓を作って矢を放ちますか」
そう言ってラミィは魔導書の魔法を使い弓を作った。
「じゃあ構えて、せーの…はっ」
そしてラミィは勢いよく矢を放った。その矢はまるで流星のような放物線を描きながら山の頂上まで飛んで行った。
「じゃあ、テレポートの準備しますかね」
そう言ってラミィは荷物をまとめる。荷物が少なかったためほんの数十秒で終わった。
「そろそろ着いたかな?あっ山の頂上が光ってる。」
そうラミィが刻印した魔術は二種類。一つ目はテレポート、二つ目は地面に触れると発光する魔術の二種類を刻印していたのだ。
だから、目的地の山の頂上が光っているのだ。
「テレポート」
そう言うとラミィの身体が光に包まれた。
「よしテレポート成功」
ラミィが今いるのは目的地の山の頂上である。その証拠にラミィの足元には先程放った矢が突き刺さっている。
「よしじゃあスターフラワーを探そう」
そしてまたラミィは魔導書を出現させた。
「探索開始」
そう言ってラミィは魔法を発動させた。
「あったあった」
そう言ってラミィはスターフラワーのある方向に歩き出した。
「よし発見スターフラワーこれで全部の材料が揃った。じゃあさっさと帰りましょうかね。」
ラミィが帰ろうとした時突如空から光の球体が降ってきた。
「最悪なお客さんの登場ですね。私は早く帰りたいんだけど」
そう言ってラミィは光の球体の方向を見た。
すると光の球体は形を変形させ人型になり戦闘態勢に入った。
「やっぱりそうなるよね。じゃあさっさと片付けますか」
そう言ってラミィも戦闘態勢に入った。
光の敵は突然姿を消しラミィの背後に現れた。
「あれ君思ったより遅いね」
ラミィは光の敵が現れた方向を見ずに相手を煽る。しかし敵は無視しラミィに攻撃を仕掛ける。
しかしその攻撃はラミィの周りを囲っているバリアに弾かれる。
「君程度の攻撃力じゃ私に触れることもできないよ」
そう言ってラミィは敵を弾き飛ばす。
「じゃ無力な君には自滅してもらおうかな」
そう言うとラミィの周りを囲っているバリアが解かれる。それを確認した敵はまた姿を消し今度はラミィの真上に姿を表した。
するとラミィは別の魔導書を出現させた。
「属性付与`火´」
ラミィは敵が攻撃しようとしているのに落ち着いて魔法を発動させた。
魔法を発動させるとラミィの髪色が薄黄色から赤色に変化した。
髪色が変化した瞬間、敵の攻撃がラミィに当たろうとしていた。しかし敵の攻撃がラミィに当たる前に、敵の身体が突然発火した。
「バリアが消えたからって油断したらダメですよ。今の私にはバリアが無い代わりに炎の壁が私を囲っているので…もう遅いか」
敵の様子を見るともうあと少しで身体全てが灰に直前であった。
しかし最後の意地であろうか、敵は最後の力を振り絞ってラミィを攻撃した。しかしそれも虚しくラミィに触れる前に炎の壁によって阻まれた。
そして敵の身体は全て灰になった。
「属性付与解除」
そう言って魔法を解く。
「はぁ〜疲れたぁ〜早く帰ろう。テレポート」
そうしてラミィは魔法を発動させ灰になった敵を背にダンジョンに帰宅した。