味気のない肉じゃが
結婚したのは8年前
私が23歳の頃
旦那と初めて会ったのは、
梅田駅から15分くらい歩いた
口コミ評価3.8のカフェだった。
「友人の紹介で出会いました。」
嘘つき
本当は出会い系サイトを通じて出会った。
23歳になって彼氏ができたことのない焦りと
新米ナースで奮闘している姉と高卒そこそこの私
歳を重ね、嘘を重ね
楽な方に流れるところは昔から変わらない
毎日
毎日毎日
何も変わらない
朝起きて、朝ご飯作って
旦那と子供を起こし
自分の身支度もそこそこ
旦那を見送って
子供を保育園まで送ったら
次は自分が出勤
私にいってらっしゃいも
おかえりも言ってくれる人はいないけど
最近休日出勤が多い旦那に女物の香水がついているけど
そこそこに
派遣で務めている会社のタイムカードを押せば
また嘘の仮面が顔にこびりつく
「そこそこ使える気さくな事務員さん」
他愛もない世間話、程よい距離感
心地が良い
煩わしくなれば捨てればいい
私には何も捨てる勇気はないけれど
いきなり居なくなった容量の悪い彼女のように
若さも時間も環境も私には無いけど
作り出された平穏と生ぬるい空気を感じる度
彼女の泣き腫らした目と破れたストッキングを思い出す。