聖女の中身
前回〜過激な喜劇〜
ー聖女の中の人ー
私の名前は長沼夏海。高校二年生でしたが歩いていたら車に轢かれてそのまま亡くなったのです。ですが気が付いたら目の前にとても美しい人がいました。一目見て私はこの方は神様だろうと気付きました。
『君は私の間違いで命を落としてしまった。詫びとして異世界に聖女として第二の人生を与えましょう。』
私は喜びました!だってあっちの世界はとても退屈でしたから!私の鞄持ちさんやお財布さん。奴隷さんやオモチャさん。みんな俯いて私に逆らわなくなってしまったから。
逆らったら、私の見た目とコネで面白おかしくお人形遊びしようとしていたのに誰も反抗してこない。
中学までは反抗してたお馬鹿さんもいたけどその人達で遊びすぎちゃって壊れたのをみんなしってるから、高校では誰も何もしてこない。
男性なら痴漢なり強姦未遂としてお財布さんになってもらったし、女性なら私の兵隊アリさんの為の性欲処理のオモチャにしたり。多分マンネリ気味だったのです私。
だからとても嬉しかった!これからはこの美貌と聖女という圧倒的な立場で遊べるんですもの!ありがとう神様!
ありがとう私を轢いた人!ありがとう異世界!
正直嘘かも?とは思っていただけに足元に謎の模様。
周りを囲むフードを被り杖を持った方々。明らかな見た目の王様と凄く顔がタイプの王子様。はしたないとは思いましたが「転生キターーー!」と言ってしまいました。
改めて考えると転生より召喚とか転移の方が正解でしたね。いまいちそこら辺のキモイ人達の知識が無いので分かりませんけど。
「突然すまない美しき方よ。もしよろしければステータスを確認出来ますか?」
王子様が私に質問されました。教えてもらった通りに
呪文を唱えると何か出てきました。
職業を見てみると聖女になっています!
「ついに聖女様が降臨された!我等の願いが届いたのだ!」
そこから大忙し!神殿行って認めてもらったりいろんな場所でお祈りしたり、貴族様にも挨拶回り。ですが祈れば病が治ったり土地が豊かになったりして私の地位はより高くなっていきました。でも疲れるし面倒くさい!!
なんで私がこんな使われなきゃいけないのですか!?
流石に私も疲れたので王子や私のタイプの男性とデートをしたり食事をしたりして、時々癒されていました。
「あまり婚約者のいる男性に淫らに近付くのはどうかと思いますが。」
変なブスさん達が話しかけてきました。どうやら私のお友達の婚約者さん達らしいです。王子の婚約者もいますね。
私がこんなに頑張ってるのに煩いので今までのストレスを全部この方々にぶつけました。
私のお友達の皆様に泣いて虐められてると報告。
面白いですね!全員婚約破棄!挙句に王の命令で全員国外追放!最高ですね!みんな私に惚れてるので私が望んだ通りに動いてくれます!
まぁあのお馬鹿なブスさん達が生きていても邪魔だと思いましたので、汚いオジサン達に処理する様頼みましたけど。好きに遊んでも構わないとも伝えました!
もうここは私の好きな様に遊べる玩具箱になりました!
最高です!本当に私だけの物!本当に毎日が天国!
(綺麗な身体ですね〜しかもあのアイツの加護もあるし、これは素晴らしい容器になってくれますね〜まずは邪魔な内臓や心は空っぽにしておいて代わりに淫魔と腐人と魔女の魂を混ぜた失敗作を植え付けておきますか!魂は新しい玩具として保管しておきますか。)
聖女は悪夢を見ていた。
逃げても逃げても暗い深海の様な色をした腐った肉の津波に追われる夢。そして飲み込まれたその瞬間。
もうそこには聖女、いや夏海の魂は玩具箱に入れられていた。
私の後輩がどうやらメンヘラと付き合って子供できちゃって
結婚したらしいのですが。
メンヘラ親父に包丁で襲撃されたそうです。
怖いねメンヘラ。