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希望の戦士 1

 俺は代表してモスクワの空港でライツ達を待つことになり、香港上陸部隊である『ギルフォード』『アンヌ』『ジャック・アールグレイ』『海』のメンバーで構成し、竜側のメンバーは『ダルサロッサ』『レクトアイム』『ダークアルスター』『アカシ』が構成メンバーとなった。

 俺はギルフォード達と共にライツを待っていると目の前から一台の車が滑走路を横切る形で現われ、滑走路の先では一機の貨物用の飛行機に轢かれそうになりながら現れたのだ。

 後ろにいるジャック・アールグレイがボソリと「轢かれれば良いのにな」と本音を吐露する。

 俺達の目の前にやって来たライツと運転していたホークが目の前へとやってきてライツが降り立つ。


「やれやれ滑走路を横断するのは良いが、危うく轢かれる所だったな…飛行機だって迷惑だろうに…」

「ならギリギリまで酒場でテキーラの瓶を三本も飲まないで欲しい。酔いを覚ますとか言いながらまたお酒を飲もうとするし…ボスはこれから上海に行くという危機感が無いからな…」

「喧嘩をしながら現れないで欲しい。こっちのメンバーは俺を除く此所にいる人達だ。ギルフォード達が香港上陸組になる」

「なるほど…ホーク宜しく頼む。私はこのまま上海上陸作戦に参加させて貰う」

「良いが。上海上陸後に持ってきているお酒を飲んで体たらくを見せないように」

「ホーク……よく私の性格が分かっているな。まあ気を付けよう…」


 ホークは大きな大きな溜息を吐き出して俺に向って「こんなボスだが頼む」と言ってギルフォードを連れてそのまま車に乗って進んで行く。

 ライツは俺の後ろに着地しているウルベクト家の専用飛空挺を見上げ始めた。

 一体何を思ったのかは俺には分からなかったが、ライツはそのまま黙って飛空挺へと乗り込んでいく。

 この男が飛空挺内で余計な事をしないようにと見ているしかないと俺も急いで乗り込んでいくと、奈美が勝手に乗り込もうとしているのを発見した。

 そんな事を許すわけがないので俺は湊さんをスマフォで呼びだして彼を連れて行ってもらい、安心して中へと入って行く。

 ライツは左右をキョロキョロしながら様々な部屋を確認しているように見えるが、どうやら今のところ余計な事をするつもりはないようで一安心していた。

 しかし、一つの部屋へと入っていくので俺は急いで後を付けるとライツは女性物の下着を片手で掴んでそれを服の中へと入れていくので俺は焦って止める。


「何をする?」

「こっちの台詞だ! 今アンタ何をしていた!? 普通に何の疑いなく手に入れた女性物の下着を普通に服の中へと入れた!?」

「? 男性として目の前に女性物の下着が在ったら回収するだろう?」

「いやいや! 普通常識を持って見なかった振りをするでしょ!?」

「やれやれ…ウブだな。大人になれば様々な女性と関係を持つことになるぞ。様々な女を泣かせて初めて男性として一人前になれるんだ」

「何を良い事を言った見たいな顔で…とにかく服の中に入れた下着を出せ! それ俺の妹のだ!」


 奈美の奴下着を忘れていったな…面倒な展開になったじゃないか、どうしてくれるんだ?

 ライツが中々服の中から下着を出さないでこれは強引な手段を執るしかないと俺は服の中へと手を突っ込んで取り出そうとすると、飛空挺が浮かんだからか大きく飛空挺が大きく揺れた。

 そのまま俺が押し倒すという形になった時、ドアが開いていたと言う事もありケビンが「なんなのですか?」と言いながら部屋に入ってくる。

 ライツの服の中にある奈美の下着を掴んでライツを押し倒している俺という光景。

 ケビンの心底軽蔑するという顔を見てしまった俺は素早く「違う!」と弁明へと走った。


「この人が妹の下着を服の中へと入れて持ち去ろうとしたから取り出そうと必死だったんだ! その時飛空挺が揺れたから!」

「………本当ですか? その右手に掴んでいる下着がそうだと!?」

「…そうだよ! 信じてくれ!! レクターじゃ無いんだから!!」

「そうですね。レクターじゃありませんからね。まあそこの人は少々信頼がないようですし…」

「失敬だな…君達は。まあ良いさ。さてさてこの船のブリッジへと案内して貰おうかな」


 俺は頭が痛くなるような思いでライツを父さんの所へと連れて行ったのだが、父さんは疲れ切っている俺が何故か妹の下着を着けているという不可思議な状況に首を傾げる。

 父さんから見れば良く分からない光景だろう。


「この常識の無い人が妹の下着を盗ろうとしたからこうして掴んでいるんだよ。服の中に入れるとそこの別の意味で常識の無い人がくすね盗ろうとするだろうし…」

「? なんでソラは俺の方を見るんだろう? イケメンだからかな?」

「レクターの頭は随分愉快なことになっているようですね。あまり喋らない方が良いですよ。馬鹿がバレる」


 ケビンがレクターへの辛口な意見を告げ、その間にブライトが俺の服の中へと入り込む。

 完全にレクターの特等席と化している俺の服の中、ブライトに俺は奈美の下着を預かって貰い、父さんに「状況の説明」を求めた。


「まあ良いが。私の娘の下着を盗ろうとしないように…」

「なら君の娘に下着を置いて去らないようにとしっかり教え込んだ方が良いな…それで? 要求した剣は?」

「と言うかまず喋ることがそれ? 他に色々と在ったでしょう? まあいいや…これがアンタ用にとガイノス帝国が用意した剣だ。これを作ってくれたのは俺の服の中で疲れているブライトだよ」


 俺はライツに一つの長細い形のスーツケースを手渡し、ライツはブライトの頭を優しく撫でてからスーツケースを開ける。

 中には二本の両刃剣が収まっており、ライツはその二本の剣を握りしめて軽く振ってみる。

 感触に違和感が無いかどうかを確かめてから改めて要しておいた鞘に収める。


「確かに受け取った。不死の軍団の戦いの結果次第ではあるが確かに協力しよう。今先兵であるベベルとボーンガードが上海と香港に上陸している。海岸側から援護をしてくれる手筈になっている。この船は激戦区になっている上海の攻撃の目を引きつけて貰う。その間に上陸部隊には軍用艇ボートで乗り込む。香港はそこまで激戦地じゃない。海岸側からの援護さえあれば十分だろう」

「分かった。とりあえず上海まで移動しよう。父さん」

「そうだな…ブライト。とりあえず両手でガッチリと女性物の下着を握りしめているとソラが変態の様に見えるぞ」

「? でも持っていろって言われた」

「隠して持って居てくれ…俺が変態に見えるから」

「なんなら俺が持っていようか? 俺は気にならないから!」

「俺が気にするんだよな…レクター。エアロードが持っていてもいい」

「? スマフォゲームをしているから断る。私も変態とは想われたくないからな」


 レクターが口を尖らせて「馬鹿って言われるのは許容するのに!」と不満げにしているが、一体お前は何に対して不満を抱いているんだ。

 ライツは俺達のやりとりを見ながら「こんな子供達がな…」と言いながら壁に背を付けて腕を組む。

 一体何を思っていたのか俺にはまるで分からなかった。


「ソラ…お腹空いた。僕デザート食べたい」

「そうだな。父さん俺ブライトにご飯を食べさせてくる」


 父さんから許可を得てから俺は食堂へと移動し、冷蔵庫に入っているデザートを適当に選んでからブライトの前に並べた。

 ブライトは目の前に広がっているプリンアラモードやフルーツゼリーなどを選んでから一つ一つ食べて行く。


「あんな剣を作って疲れないか?」

「? 素材は元々在った物を使って居るから大丈夫だよ。僕はライツ用に使用を整えただけだったからね。ソラ…美味しいね」

「そうだな…」


 俺はブライトの頭を優しく撫でる。


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