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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫~最強の師弟が歩く英雄譚~  作者: 中一明
アメリカン・シービルウォー《下》
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英雄集結 5

 どうしてギルフォードとアンヌがこんなにも早く辿り着いたのかと少し不思議な想いに対する答えは空港に行くことで簡単に出た。

 空港の大きな滑走路のど真ん中を占拠するように大型の飛空挺、ジェットエンジンがついている飛行機と飛空挺を組み合わせた新型飛空挺、エメラルドグリーン色に色づけられ、飛空挺には本来不要な大きな翼と側面に大きく描かれた『ウルベクト家の家紋』が堂々と書かれた『ウルベクト家御用達飛空挺』がそこにはある。

 あれまあ…どうでも良いけれど俺の許可を出さないで相も変わらずフラフラしている飛空挺だなと思うのは俺だけなのだろうか…。

 と思っているとケビンがボソッと「ソラの許可を出さないでこんなに使って良いのですか?」と疑問の言葉を口にし、ジャック・アールグレイ「確かにな…」と同意する言葉を発しているのだが、アンヌとギルフォードは全く悪びれない顔をしている。

 俺はもう諦めたからとそのまま乗り込もうとするのだが、アクアが飛空挺を見上げながら「これパパの?」と聞いてくるので俺は「そうだよ」と笑顔で返すと物凄い良い笑顔になって行く。

 どうやら俺が飛空挺を持って居るという事に興奮を覚えているらしく、そんな姿を見たケビンから「これってアベルさんの所有物ではないのですか?」と聞いてくるので俺はきっぱりを規定した。


「これは俺の所有物で合っているよ。あくまでも魔導協会が中心となって作った最新式の飛空挺だから。魔導協会に入っているのは俺の名前であって、父さんはウルベクト家の当主でしか無いからな。所有者の名前は俺だ」

「どうでも良いさ…これでさっさと行けるのならこれで行くとしよう。お前達が乗ってきた飛空挺は狭いしな」

「どうしてジャック・アールグレイがそこまで堂々として居られるのですか? 普通ソラが先に入る物では?」


 ケビンが素直に突っ込んでくれるがジャック・アールグレイはまるで気にしないで堂々と俺の飛空挺へと入って行く。

 アンヌがケビンを宥めながらジュリやアクアと共に一緒に入って行き、残りのメンバーと一緒に俺も入って行くと、入り口でアクアが豪華な内装に驚いている。

 それも無理は無い。

 真っ赤なカーペットが敷かれた客室はもはや豪華客船であり、それ以外の治療用設備などは普通の施設だったりするが、この客室のあるフロアと食堂などは豪華に出来ている。


「他に人が居ないから到着までは客室を使ってくれて良いぞ…」

「良いのですか?」

「良いよ…もうジャック・アールグレイとギルフォードは客室へと入っているし」


 全員からのジト目をまるで気にしないで入って行く二人、アクアは俺とジュリの手を握って掛けだしていく。

 どうやら早く中を探検したいようで、レクターと海はさっさと部屋の中へと入って行くのに対して、ケビンとアンヌは敢えて俺達についてきてくれるらしい。

 この辺りが女子と男子の間にある差だと思う。


「パパ! ここは何?」

「ここは食堂だな…ほら沢山テーブルが並んでいるだろ?」


 アクアの目の前に広がるテーブルや椅子が綺麗に並んでいる部屋、シャンデリアが綺麗な装飾や明かりとして機能しており、アンヌの隣でケビンが嫌な顔をしていた。

 何事かとアンヌが聞き始める。


「どうしました? 顔色が悪いですが…」

「いいえ…パーティーを思い出しまして…どうもああいう堅苦しいのは苦手です」


 そこで俺はシャインフレアのツッコミが無いと思って振り返ると竜達がブライトとアカシを覗いていないことに気がついた。

 と思ってもう一度食堂を見てみると、エアロードとシャドウバイヤとダルサロッサは既に食事を始めているのがハッキリと見えた。

 俺はもう諦めることにし、俺達はあの三人を放置して食堂から出て行くことにした。

 その過程で俺はジュリ達に「他の竜はどうした?」と聞くとジュリが「部屋に入っていったよ」と答えてくれた。

 恐らくは疲れたのだろう。

 ここ数日ずっと働きづめだったはずだし、ケネディ宇宙センターに到着するまでは落ち着いていて欲しい。

 そのまま立入禁止以外の場所以外を案内していき、最後にブリッジへと辿り着くと艦長席には何故か父さんが座っていた。


「あれ? 何で父さんがここに?」

「アクアに会いに来た!」


 心の中に生まれる「真面目に仕事しろよ!」とと言うツッコミ、それをぐっと抑えるのだが、この人がどうしてこんな上の役職にいるのか心底不思議でならない。

 アクアも父さんへと走って駆け寄っていき、それをジュリが微笑ましく見守っていると、父さんはポケットからお金を出そうとするのを俺はストップした。

 父さんの膝の上に座って大人しくしているアクア、アンヌとケビンはブリッジ内にある機器に興味を抱き、俺とジュリとブライトは父さんの周りに集まる。

 俺の一歩下がった所に師匠が周囲をキョロキョロして居るのがハッキリと分かった。


「元気そうで良かったぞ。少し心配した…ラスベガスの黒い霧のような物が立ちこめていく姿を見たときは逃げようかと…」

「生存本能に忠実ですね。なんでそんな正確で軍の役職をして居られるんだ?」

「むしろこんな正確だからこそじゃないのか? 普通軍の役職なんてこんな物だろ…所で、その小さな竜は何だ?」


 俺とジュリとアクアとブライトが驚く番で、アクアが師匠を見てもう一度父さんを見比べる。

 流石に予想外だったので俺もジュリも何故か驚いた状態で立ち止まってしまう。

 父さんは何で師匠が見えているのかと俺とジュリとブライトとアクアでこっそりと話し合うことに。


「どういうことだ? 何で父さんには見えているんだ? ジュリは計画を死竜から聞かされたからだが…」

「分からない。アクア。メクラスは何か言っている?」

「…勘が鋭いから?」

「凄いよソラ! 僕でも考えが及ばない意見だったよ! でも…それ以外に無いよね?」


 あの人直感で師匠の事が分かっているのだとしたらもはや人として一線を越えているようで、俺はケビン達がまだこっちに来ないとハッキリと分かり師匠にもこっそりと入って貰うことに。


「どうする師匠…あの人どうも見えて居るみたいだけど」

「まあ…勘は鋭い方だからな…少し話せば正解に辿り着くだろうけれど…だと良いが…辺に明後日の方向へと推測されたら面倒だな」

「ですね…奇妙な邪推をされたらそれこそ今度はどんな事件を引き起こすか…」

「? お爺ちゃんは問題を起こすの?」

「アクア…多分だけど『お爺ちゃん』になっていないか?」

「お祖父ちゃん。お祖父ちゃんは問題を起こすの?」

「割と……結構。大人界のレクターだからな…」


 ブライトが吹き出しているのを無視し俺は改めて父さんを見る、どうやらよく話が分かっていないようで首を傾げている。

 満場一致で「話そう」という事になり、俺とジュリが代表して詳細まできっちり話した上で他言無用と約束させてきっちり話したのだが、父さんが引っかかったのは師匠が必要となる事態が気になっていた。


「不死皇帝を倒すだけならそこまで面倒な事になる気がしない…その上で死んだ人間がどうしても必要になる事態がどうしても想像出来ない。ガーランドは出来るか?」

「無理だな…私を利用してでも…そこまでして整えたい状況」


 父さんの言いたいこと、師匠が言いたいことを俺は真剣に悩みアクアが口を挟もうとしたことを俺は「良いんだ」としっかり紡ぐ。


「その時になれば分かるし…それを知ったら俺は本当の意味で不死皇帝と戦えなくなりそうだ。あくまでもあの人とは真剣に戦いたい。だからアクア…今分かった事や思ったことは口にしないで言い」


アクアは笑顔を俺に向けてくれた。


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