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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫~最強の師弟が歩く英雄譚~  作者: 中一明
ニューヨーク・アップヒーヴァル《下》
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悪魔の闇へとようこそ 8

 オークション会場に集まった操られた遺体の数々、ハンドガンを持っていたり、かとおもえば別に何も持っていなかったりと様々。

 レクターへと襲いかかってきた男が二人、一人は殴りつけて吹っ飛ばしもう一方を蹴りつけながら中心まで走って行くが、その過程を更に新しい男が三人立ち塞がり、その三人をバックアップでサポートしていたジュリが氷結させていく。

 すると今度はジュリの元へと移動していく男が三人ほど現れ、俺は走ってサポートに回ろうとするが、そんな俺に海が制止を出す。

 まるで自分が行くとばかりに走って行き、素早く刀を鞘に収め雷のようなものが地面を走って行ったかと思えば、三体の男を連続六斬撃をお見舞いし、体を吹っ飛ばし男三人の体を再び氷結させるジュリ。

 どうやらジュリは遺体がむやみやたらに動かすのを阻止しているようだ。

 実際キューティクルが遺体を操っており、その遺体はたとえ真っ二つにされても動いているのを師匠と父さんの戦いを見れば一発だ。


「へえ…あなた足手まといじゃ無いのね。以外…」


 キューティクルはまるでジュリに対して挑発しているように思え、俺はそれを撤回させようと風の刃をキューティクルの首元目掛けて飛ばして見るが、キューティクルはその攻撃を左手で軽々しく阻止してみせる。


「俺の近くに居る人間に足手まといな人間なんて一人もいない! 撤回して貰おうか」

「そうだ! ジュリは凄いんだぞ! ハッキングが出来るんだ!!」

「そういうことを言っているんじゃ無い! お前は黙っていろレクター!」


 俺の怒鳴り声をハッキリと感じ取り、レクターはズコズコと後ろで遺体相手に戦い始め、俺は改めて向き合う。


「でもでも…あなたのように私に対抗できるわけでも、そこの坊や達のように沢山の相手を同時にこなせるわけじゃ無いでしょ? たかが魔導機程度の力で何か出来るわけ?」


 ジュリは俯きはじめ、俺は怒りとともに睨みをキューティクルへと向けるが、俺が何かを喋るよりも早く口を開いたのはジュリだった。

 ゆっくりとそしてハッキリと…小さくではあるが明確な強い意志を滲ませるような声を発した。


「私だって足手まといじゃ無いって事を証明すれば良いんですよね? そうすれば謝ってくれるんですよね。別に私のことでとやかく言うわけじゃありませんが…ソラ君にあそこまで言わせて黙っていられるほど私だって弱い人間じゃありません!」


 そう言ってジュリは素早くタブレット型の魔導機を素早く操作し始め、全員が見守る中ジュリはブツブツと独り言を喋り始める。


「……魔導機の操作マニュアルを改造…魔導の自動化……魔導を広範囲化させ………この魔導機の出力やメモリーなら…出来た。広範囲魔導『氷河期』」


 すると俺達の足下に冷たい冷気が走って行き、誰もが何か嫌な予感を募らせると、操られる遺体の全てが足下から氷を張っていきあっという間に氷の山が出来上がっていた。

 広範囲の魔導…それもこれだけの範囲の魔導を瞬時に行うにはある程度のステップを自動化させなければならない。

 ジュリはそのOSを瞬時に完成させたと言うことだ。

 元々俺が入れた沢山の魔導をいくつか組み合わせ、そしてそれぞれの特性を合わせたシステムを完成させた。


「へえ…遺体は元々冷たいからね。冷気で冷やされたら生身の人間と違ってあっという間に凍り付いてしまうでしょうね。凍り付いたら簡単に動かすことはできない…」


 そう…だからジュリは先ほどから遺体を凍らせているのだ。

 すると俺とケビンとジャック・アールグレイが戦っていたヘドロの巨人がジュリへと向かっていくと、今度はそのヘドロの巨人が凍り付かせてしまう。


「やるじゃ無い…いいわ。訂正してあげる。あなたは大した人間の一人のようね…だったら少しぐらい本気でやるしか無いみたいね」

「まるで今まで全く実力を発揮していない見たいに聞こえるが?」

「出していないわよ。もう少し遊べるみたいね」


 彼女の背中にあるピエロがドンドン色を変えていき白と黒のモノクロに変更し、ピエロが手をまるでピアノを操作するピアニストのような動きを見せたかと思えば、周囲にある椅子や道具が空中を飛び始め、今度は氷の山が崩れていくと同じように空中を漂い始める。


「道化師の鎮魂歌…」


 空中を浮かんでいる物体の間に黒い雷が走って行き、それが空中で集まっていくと雷が光線のように雷が俺達の足下へとランダムに襲いかかってくるのを俺達は移動しながら避けていき、ジュリが素早く魔導機を操作すると同じように雷を活用して雷をキューティクルへと攻撃する。

 キューティクルは右腕を動かしながら雷を防ぎ、今度は左腕を動かしながら空中に浮かんでいる物体が形を変えていき、沢山の剣へと変換させた。


「物体変換? そんなことも出来るのか!?」

「まあ…別に難しい事じゃ無いしね。無機物の形や性質を変更するなんて『錬金術』呼ばれる技術が存在するでしょ?」


 周囲を飛んでいる剣が勢いよく俺達全員を襲いかかっていき、俺達は剣を捌きながら移動していき、ジュリも魔導機を動かして剣を打ち落としていく。

 俺とケビンとジャック・アールグレイが走って近づいていくのを黒いヘドロが新しく作られていき、俺達の邪魔をするがそれを師匠と父さんが同時に現れて黒いヘドロの相手をしていくと、俺達は一旦任せて走って行く。

 するとキューティクルは右手をまるで銃の形を作り、銃を撃つようなジェスチャーをしてみると同時に俺達は横に移動して回避すると、地面に焦げた痕のようなものが出来ている。


「見えない遠距離攻撃」


 厄介すぎる。

 彼女はドンドン攻撃をし続けていき、俺達は避けるだけで精一杯の状態が続くとシャインフレアがケビンの肩に乗っかる。


「光はあなたの得意分野でしょ?」

「分かっています! シャインランス!!」


 ハンドガンを真っ直ぐにキューティクルへと向け容赦の無い光線級の攻撃を浴びせるが、それを左手で打ち消す。

 そのまま反撃とキューティクルは左手で光線を浴びせるのだが、ケビンは腰からもう一丁のハンドガンを取りだして見えない光線攻撃を打ち消すという芸当を見せてくれる。

 ケビンとキューティクルの間で見えない光線攻撃の打ち合いが始まり、俺とジャック・アールグレイは走って距離を詰めていき、キューティクルに襲いかかっていくと再び黒いヘドロが現れて俺達の邪魔をしてくる。


 黒いヘドロの腕が俺とジャック・アールグレイの間に現れて、その手が俺達目掛けて打ち付け、俺はその腕を切り裂き走って行く。

 ジャック・アールグレイはそれをステップで回避し黒い影を操りながらランス上に変化させて刺殺攻撃を仕掛ける。

 しかし、キューティクルはそれを硬質化させた黒いヘドロを利用して受け止め、俺は周りこむ形でキューティクルに斬りかかっていくとキューティクルはそれを体をヘドロ化させて逃げていく。


「逃げるのか!? 今更!」

「逃げる? アハハ!! アハハハハ!! 面白い冗談を言うのね…まだ逃げたりしないわよ…もっと…私を試させて頂戴!!」


 悪魔のような高笑いを会場中に響かせ、天井や壁が粉々に打ち砕いていくように黒いオーラが会場中をグルグルと移動していき、皆は会場を見て回っていると黒いオーラは建物をドンドン破壊していき……会場が崩壊を続けていく。


「やばい! 逃げよう!」


 俺は皆を引き連れて会場からロビーまで移動していくと、ロビーから外の間に黒いヘドロが壁を作っているのが見て分かる。


「化け物……これが手に入れたキューティクルの本気…」


 俺達は慄きながら彼女の本気に飲み込まれそうになっていた。


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