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竜達の旅団≪ドラゴンズ・ブリゲード≫~最強の師弟が歩く英雄譚~  作者: 中一明
ニューヨーク・アップヒーヴァル《上》
459/1088

ゴーストは何処へ向かう 5

 サクト達が建物の中心地へと向かった同時刻、別の眺めの廊下へと辿り着いたアベルと海、廊下の先に佇む試作機だったが先ほどジュリからの報告を受けていたため一旦足を止めて距離をとる両名。

 試作機はサクトの時と同じように大剣を肩に背負いながらもう一方の腕にかぎ爪のような武器を装着している。

 試作機はアベルと海の方に向かってかぎ爪の付いている左腕を真っ直ぐと向けていき、アベルと海は直ぐに動けるように両足に力を込めて待機。

 かぎ爪が二人めがけて突っ込んでくるのを海とアベルは天井に張り付き回避、試作機はそれを追うように同じように天井に張り付いた二人に大剣を横に振り抜き、アベルと海はその攻撃を素早く回避。

 アベルは空中に浮かんでいる試作機に大剣を振り抜き、試作機はその攻撃を真っ正面から受け止めていると海は回り込んで刀で胴体を真っ二つにしようとするのだが、試作機はかぎ爪を呼び戻して攻撃を受け止める。


「アベルさん。海君。現在サクトさん達の部隊がゴーストの大軍と接触。苦戦中です。速やかに試作機を撃破して応援に回ってください」

「ジュリが圧をかける・・・・・・何か悪いことをしたかな?」

「師匠が前から勝手に仕事から抜け出すからじゃ?」

「海まで苦言を口にする! 何か悪いことした!? ソラも全然目を合わせてくれないんだ!」


 アベルが興奮状態へと移っていき、試作機を思いっきり蹴っ飛ばし海はその瞬間にしゃがみ込む形で回避、アベルはそのまま突っ込んでいき空中で受け身をとってカウンターを浴びせようとする試作機の攻撃を空中で体をひねることで回避。

 そのまま風の斬撃を試作機にたたき込み、海はそれを追って五連撃を頭、両腕、両足を切断してしまう。

 そのままの勢いでドアを破壊していく両名の目の前に大量のゴースト、同時にアベルと海の方をじっと見つめてナイフを千本ほど投げつける。


「牙撃! 風の牙! 風風羅刹!」


 風の斬撃をまるでシールドのように張り巡らせるアベル、海はナイフの攻撃が止むのを待って駆けだしていき一体に強力な一撃をたたき込む。

 一体を沈黙させアベルはそのまま一旦サクト達を見つけ出した。


「行くぞ。海。まずは合流する」

「ですが・・・ここは二階。一階に降りるためには一番奥の階段を降りる必要が・・・飛び降りたら突入部隊が孤立しますし」

「仕方ない敵を素早く蹴散らしながら降りていくぞ」

「待ってください。海君その辺の足場を崩して見てくれない? アベルさんは突入部隊にロープの指示を出してください。そしたら素早く降りることができるはずです。崩すことで足場近くにいる的を鎮圧することが一時的にできるはずです」


 アベルが感心しながら突入部隊に指示を出し、海は足場を切り崩していき下に展開していたゴーストの集団に打撃を与え、突入部隊は下に降りるためにロープを伸ばし、アベルは下に降りる突入部隊の援護に回り、海は下にいるゴーストと素早く対峙。

 海の正面に展開しているゴーストの群れがいきなり吹っ飛ばされレクターを戦闘にサクトの部隊が海達と合流した。


「ここにいたわね。ジュリちゃんの言うとおり。でも的確な指示ね。海君達が安全に降りるために足場を崩しつつ、その衝撃を遠くに伝えるために正確な居場所を素早く認識させる」

「なるほど・・・しかし、無事そうだな。サクト」

「ええ。でもこの数よ・・・千を軽く超える人数がここに集められている。それも全部ゴーストの姿をしているのよ。厄介よ。見てみて。三階まで全部ゴースト」


 一階から三階の全部がゴーストであり蠢いている。

五体ほどのゴーストが両腕をサクト達の方に向け、両腕から銃弾が飛び出していくのだが、それを海とアベルが素早くたたき落とす。


「あれ? ソラはまだ合流できていないんだ」

「ソラは確か地下で人質を見つけたからそっちに回っているんじゃないですかね? でもこの中から本物のゴーストを見つけ出すのは骨が折れそうですね。師匠どうするんですか?」

「一体一体を確実に倒していく」

「海君。この子に聞いたら駄目よ。あまり頭を捻ることを得意にしていないんだから」

「じゃあ何かアイデアがあるのか? 見つけ出せる気がしないぞ」


 アベルの言うとおりこの中から本物を見つけ出せというのは森の中からお目当ての木を見つけ出せ言っていることと同じである。

 突入部隊を一カ所に集めて確実に鎮圧していくしかない。


 アベルが大剣を振り下ろしてなぎ払い、サクトがレイピアで敵を一掃使用とする中カメラ越しに見ていて少しだけ疑問を抱いていた。

 この中からゴーストを見つけ出すのは難しく、それこそ突入部隊を一カ所に集めるのが妥当な策である。

 しかし、それは同時に戦力を一カ所に集めると言うことでもある。

 そうなるとそれ以外のところが手薄になってしまう。


 ジュリは素早くカメラを動かしていき廊下や小さな部屋まで色々な場所を探ってみると、不振な動きをしている人物が一人だけいることに気がついた。

 地下へと向かう一人の女性、左右をキョロキョロしながら階段を降りていくのが見えて歩いて行く。


「ガーランドさん。ソラ君。地下へと降りていく不審者がいます。現在拘束することができるのは二人だけです。向かってください」


 通信機越しに二人の声がはっきりと聞こえてくると、カメラ越しにいる女性の近くにソラとガーランドが近づいていくのだが、二人は出会った途端武器を取り走り出していく。

 すると女性は二人めがけてナイフを投げ飛ばし、スライディングすることで回避していますが、そんなときガーランドが右手を伸ばすのだが何も起きない。

 ソラが走り出していき、女性に斬りかかるのだがゴーストは右隣のドアを破壊して別の部屋へと移動していく。


 ガーランドが壁を壊して中へと入っていくとソラとガーランドが入った部屋はロッカーが並ぶロッカールームになっており、女性はロッカーを崩すことで二人の視界を埋めるのだが、別の監視カメラ越し見ていたジュリが素早く女性の位置を確認する。

 するとソラは容赦のない一撃をロッカーの塊へと向かって叩き込むことで道が開かれる。

 女性は舌打ちしながら反対側のドアからロッカールームから出て行き、今度はプールへと逃げ込んでいく。


 ガーランドがプールへと逃げようとする女性へと斬りかかるときプールの水が打ち上がっていく、天井までに届くほど水飛沫。


「竜撃。水の型。水流瀑布」


 水の塊が津波のように女性へと襲いかかっていき、女性はそんな状況で天井へと跳躍して逃げるのだが、そこにソラがやって来て斬りかかっていく。

 女性はどこから取り出したのか西洋風の剣を取り出して攻撃を受け止める。


 ジュリはなんとなくわかっていたが、ソラやガーランドからすれば女性がゴーストに見えているのだろうということははっきりとわかる。

 逃げるのをやめたのか天井から降りてきたゴーストに斬りかかっていくガーランド、ゴーストはその攻撃をジャンプで回避し、腰からマシンガンを二丁取り出して容赦ない銃弾を二人に浴びせるのだが、ガーランドは水の型で攻撃を防いでしまう。

ゴーストは水の一撃を受けながら一旦二人から距離をとってプールから這い出てスタングレネードを水に飲まれる前に上空に打ち上げる。


 ゴーストが走って逃げていくのが音ではっきりとわかり、視界が晴れていくと同時に追いかけていく。

 近くの部屋に入っていくゴースト、入った部屋は自称治安維持組織が溜め込んでいた武器庫であり、ソラ達が近づいていく間に武器を選んでいく。


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