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東の近郊都市 5

 エルメスさんの別宅へと向う為には東の近郊都市の丁度ど真ん中へと向って移動しなくてはいけない。

 もう一度地下鉄に乗り換えてから俺達はそのまま一旦町の中央部へと向かい、そこでエルメスさんの別宅の前まで辿り着いた。

 もう一度念の為にと探りを入れてみると、やはりエルメスさんの別宅がそのままエネルギーの拠点になっているようで、俺は竜達の旅団の能力で空間を作りだしそれをずらすことで現実への影響を無くしてから空間の中へと入り込む。

 すると、そこはまるで現実世界のようなカジノが存在し始め、エネルギーはその巨大なカジノのど真ん中に鳥かごの中へと閉じ込められていた。

 その鳥かごには四つの鎖が伸びており、その鎖はそのまんま四つの出入り口へと伸びてしまっている。

 俺達は北から時計回りに進んで行くことにし、まずは北の出入り口へと向ってドアを開けて真っ赤なカーペットの上を歩きながら何処に向うのかちょっとだけワクワクしながら歩いていた。


「何処に向うんですかね? カジノなのはこの東の近郊都市に影響を受けたからが理由ですかね?」

「かも知れませんね。ケビンさんの言うとおりで意外と今までもその街の特色や影響を多少は受けていたのかも知れません。でもソラ君の話だと西の近郊都市ではそんな感じでは無かったんだよね?」

「あれはあまり西の近郊都市がそういう特色が強い感じの街じゃ無いからだろう?」

「ですかね。あまり街の構造こそ多少は特色が強い感じがしますけど、それを反映出来るかと言えば出来ないでしょう…だからこそ不死者達の魂の残痕に影響を受けた形で現れた」

「それで言えばさ。さっきは場所に影響を受けて不死者達の魂の残痕が選ばれて引き寄せられた?」

「だな。レクターにしては随分とちゃんと観察しているな…この場所。東の近郊都市は夜の街だ。カジノや大人な社交場まで様々な場所があるが、エルメスさんはその中でもカジノには特に強い興味があったはず」

「なるほど。場所の主が空間に影響を与えるわけですね」


 俺達は一枚の大きな両開きのドアを発見し、俺が代表してドアを開けると沢山のスロットが置かれているカジノの場へと出てきた。

 エスカレーターで下まで降りていきザッと周りを見て回る。

 そこで俺は「鎖を追えば良いんだ」という発想に居たり鎖を見つけようと試みると、鎖は部屋のど真ん中に置かれている巨大なスロットに繋がっていた。

 こんなスロット誰が動かすんだよと思って接近していくと、そのスロットがガタガタと動き出し、俺達はその瞬間に後ろに下がっていくと、スロットは突然可変型のロボットのように姿形が変わっていく。

 レクターとエアロードとシャドウバイヤが「おお!」と本気で関心しており、俺と海も多少はワクワクする気持ちを抑えながら警戒色を高めて剣を呼び出す。

 するとそれは何処かのロボットアニメでも出てきそうな主人公機のような格好良さがあり、ケビンが「ダサ」と漏らす。

 俺は格好良さに見蕩れるよりもまずジュリを護ろうとジュリの前に立ち塞がり、そんな最中にエアロードの尻尾を付かんでジュリに渡す。


「掴んでいろ。ジュリ。いざとなったらエアロードを投げて囮ぐらいには使えるし、最悪縦にしても良い」

「最近私に対する扱いが雑じゃ無いか!? 囮ならともかく盾にはして欲しくないぞ! 忘れたのか!? 私は攻撃能力では最強だが、防御力は弱いんだぞ!」

「五月蠅い! どうせ居て役に立たないんだ! それぐらいしろ!」

「喧嘩しない! 来ますよ…!」


 スロットロボットと名付けたそのロボットは胸のスロットを動かし始め、スロットはコインのマークが真ん中に揃う。

 何が起きるのかと思って待機していたら、一枚のコインがスロットロボットから出てくる。

 全員の心の中で「それだけ?」と思って居ると、そのコインが切っ掛けだったかのように次々とコインが現れて人一人分ぐらいの山が出来上がった。

 その後コインは急遽動き出して人の形へと変貌したところで俺達に向って襲い掛ってきた。

 普通に化け物が生まれた瞬間である。

 レクターがいの一番に殴りかかり行くのだが、以外と堅いようで多少揺らいでは居たがそのまま体の姿勢を取り戻してレクターへと攻撃していく。

 レクターはバク宙しながら攻撃を回避し、そのまま今度は二連撃を決めて後ろに多少は吹っ飛ばす。


「ダメージが無い! 後堅い!」

「というよりはコインの集まりだから衝撃を緩和出来るのかも知れないな…どのみち本体じゃ無いんだ。無視しよう。誰か一人あれを引き付けて残りであのスロットロボットを叩く」

「何です? そのスロットロボットというのは?」

「分かりやすいだろう?」

「…良いですけど。姿もダサければネーミングもダサいですね。まあ敵に対してそこまで拘りを持ちたく有りませんが…あの馬鹿がコインを相手にしているようですし、私達は本体を叩きましょう」


 ケビンはそんな事を言いながら銃の引き金を引くと、真っ赤な光線はスロットロボットの胴体に着弾、着弾した所がドンドン燃え上がっていくのが見えた。

 ジュリはそんな燃え上がっている部分を魔導機を操り増やしていきあっという間にロボット全体へと増やした。

 俺達のやること無いじゃん。

 そう思って居るとスロットが動き出し今度は水のマークが揃う。

 心の中で「まさか」と思って見守っているとスロットロボットの周りから何リットル有るのかというレベルの水が噴き上げてあっという間に炎を消してしまった。


「スロットで水を出すのですか? そうですか…」

「あれなら何でも出来そうだな。雷とかでも出せそうな気がするけど…雷?」

「いや…この状況で雷なんて使ったらこのロボット電流で壊れそうだけど。使わないんじゃ無いかな?」

「なら使えば良いんだよ…俺達が」

「ですが…あのロボットスロットを回して本体をあっという間に乾かしましたよ」

「同じ事をすれば良い。要するにケビンが燃やす。ジュリが燃やした部分を全体へと広げる。するとロボットがそれを鎮火しようと水で体をぬらす。その間に俺が近くのスロットを破壊して電気を外へと出す。その電気を乾かす前に海がスロットロボットへと叩き込む」

「分かりやすい作戦で素晴らしいですね。なら感電した後で私も追撃の雷を撃ち込みましょうか…ジュリは出来れば水を操って量を増やしてくれませんか?」

「はい」

「俺はスロットを適当に幾つか切った後で奴の意識を俺に向けさせる」


 俺は近くのスロットを適当に幾つか斬り込んで破壊していき、火花と共に電流があちらこちらへと出て行くのをケビンが確認後、ケビンは攻撃を開始した。

 炎は先ほど同様に同じ手筈で点火、ジュリがそれを囂々と範囲を増やしていくと案の定スロットロボットは同じ手筈で体の炎を鎮火した所でジュリが水の量を増やしていく。

 その瞬間を見逃さなかった海は刀に電気を纏わせて、更に霞竜の力も付与して最速且つ最強の一撃をロボットへと叩き込んだ。

 ケビンも最後の追撃と言わんばかりの攻撃をスロットロボットへと叩き込んだ。

 俺はその間足下へと斬りかかり動きを封じていたが、どうやらこれで決着だろうと、そう予想していたとき、スロットロボットは最後の悪あがきにとスロットを『7』で揃え、そのまま強い発光を見せた。

 もう分かりきってしまった自爆。

 俺が咄嗟に動いてスロットロボットへと斬りかかると、同時にレクターがコインで出来た化け物をスロットロボットへと叩き込んだ。

 二人で纏めて全部破壊しようと攻撃を合わせて叩き込んだ瞬間爆発は俺達の攻撃で相殺されてしまった。


「爆発と同じ威力の攻撃って…」


 ケビンから突っ込まれた。


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