革命への誓い
どうもっす、本編に入る前にゼシード達が過去に起こした事、今回はその2となります
ではどうぞ
大陸最強の総長と言われ始めて2年ほど経ちゼシードを含めたウェポンズネームの次期当主候補達は12歳となっていた、少年兵ではあるものの2年の間に数々の戦果を挙げその名を大陸中に轟かせた、その子供たちについた世代の名があった、神話の世代と
浅い切り傷を身体中に負い倒れ込んだゼシード、それを戦場からレイン率いる1個中隊がゼシードを護衛しつつ本部へと帰還した、その後ゼシードは医師による医療を受けて今現在総長として君臨していた
「見ろよ、あれがゼシード総長だ」
「あれが大陸最強の・・・」
今やゼシードは伝説の軍人として軍内部で有名になってしまった、トイレに行きたくて廊下に出るだけで視線を集めるほどに
1万人斬り殺しただけで何そんなに騒いでいるんだとゼシードは思いながらトイレを目指し歩いていた、しばらくして目的地に着きトイレを済ましてトイレから出る、するとまた視線を集める、毎日こうだった、ゼシードはその視線を感じるのに疲れてここ最近は自分の部屋、総長室に引きこもっている、トイレから帰ってきたゼシード、いつもの椅子に座り本を読もうと思った時に扉からノックの音が聞こえた
「どうぞ」
「うぃ〜すゼシード」
そう言いながら扉を開け入ってきたのはシザース・ダガー、ゼシードと同じ神話の世代、同期であり三大家系であるダガー家の当主候補でもあった、ダガー家は暗殺者の家系としても有名で金さえ用意すれば依頼を受ける一家だ
殺り方は投げナイフや毒針など様々な方法を取るが大体はナイフで斬って殺すのが主流だ
「依頼の帰りか」
「その通り、よく分かったな」
「ナイフに血がついてる」
そう指摘するとシザースは腰にかけてあるダガーを見た、拭き忘れてるのか赤い液体がベッタリと付いていた、ゼシードは匂いで分かっていたが腰にあったダガーを見て確信がついた、それに気づいたシザースは一度抜いて確かめると再度直してゼシードの方へと顔を向ける
「実はいいネタがあるんだけど聞くか」
「ほう、聞こうか」
シザースを無視して棚にある本を取ろうとした僕だがシザースの一言に振り返る、ゼシードは上の人間・・・国を管理している人達に不信感を抱いていた、街を歩くとゼシードと歳が同じくらいの子供達が遊んでいる姿があった
それを見てゼシードはふと思う、なぜ僕はこんな汚れ仕事をしているんだと、本来ならあの子達も少年兵としてその命を使う物だと思っていたから見た時ふと思った、その不信感を抱きながら今日を迎える、するとシザースからいいネタがあると聞こえた、聞かずにはいられないと思ったゼシードは耳を傾ける
「まぁ答えだけでいうと上は黒っぽいぞ」
「詳細を説明してくれ、座りながらでも構わない」
そう言うとシザースは来客用のソファーに座った、ゼシードは反対側のソファーに座り話を真面目に聞く事にする
「3日前に子供が捕まっただろう、貴族に泥水をかけた罪で」
その一言にゼシードは両手に握り拳を作る、三日前ゼシードの机に報告が入った、内容は兄妹の子供2人が貴族に泥水をかけた罪で捕まったという報告
残念な事にこのフランスト王国は貴族と平民の身分の差が激しい、その中の一つに平民が貴族に何かしらの妨害工作をした際最低3日の投獄が国の法律にあった、今回捕まった2人の子供は近くを通った貴族に誤って泥水をかけてしまい現在地下牢獄にて投獄中だった、そして今日で3日目、開放される日だと思っていた
「その2人なんだがまだ出れそうにないんだ」
「どういう事だ?」
「本来なら国の法律により釈放される、しかしどこからの圧力によってそれが出来ない状態だ」
何故だ・・・、ゼシードはそう思う、国の法律は国民全員が守るものだ、貴族だろうがなんだろうが守るもの、そのはずなのになぜ守らない、若干イラつき始めるゼシードにさらなる悲報が降り注ぐ
「んで誰が圧力かけてるか調べた、かなり危なかったが一つの可能性が浮かんだ、貴族達だ」
その報告を聞いたゼシードは体の力を抜いてベッタリとソファーに体を預けながら座った、子どもっぽいかもしれないが法律くらい守れよと思っている自分がいると同時に泥水をかけられた程度でと呆れる自分がいる事も事実だった
国のために国民のためにと尽力を尽くして2年経つがこんな事させるためにお前らの命を守ってるんじゃないとゼシードは思っていた
「その2人の様子は?」
「見てはいないな、行ってくるといい」
「そうさせてもらうよ、ついでにあいつの様子も見ないとな」
そう呟いた、ゼシードは力を抜いた体に再び力を入れ立ち上がる、片手でありがとうの意味を込めバイバイの動作をするとシザースも座りながら同様の動作をした、それを合図にゼシードは立ち上がり歩き出して廊下に出る
地下牢獄はこの建物を一度出て少し歩いた場所にある地下牢獄所にある、この建物は地下牢獄への入り口を管理しているだけなので建物自体は交番程度の大きさなのだ、僕は入り口の受け付け役をしている人に挨拶をしながら地下牢獄へと続く階段を降りていく、下へと行く度に歩く音がよく響き薄暗くもなり気味が悪くなってくる
しばらく下へ降り続けるとようやく道が見えた、そしてその両橋には無数の牢獄があった、この地下牢獄はおくにいけば行くほど重い罪を犯した者がいる、ここにいるのは軽い罪を犯した者だけだ、それを再確認したゼシードはゆっくりと歩き出し例の2人を探した、罪の内容は貴族に泥水をかけただけなのでこの辺りにいるはずなのがなかなか見つからず、ついに中間あたりに来てしまう
「どこにいるんだ・・・」
一言そう呟く、時々この辺りに子供2人が投獄されませんでしたかと囚人に聞いても出したら答えてやるとしか言われなかったので自力で探すことに、歩いて10分、ようやくそれらしき人物達を見つけた
服は藁で作ったみたいな見た目をした囚人服を着ていた、子供サイズもあるとは無駄に用意がいいのか悪いのか、ゼシードはそのせいで笑いそうになるがこらえる、改めて子供達の方向を向く、警戒しているのか怯えているのか抱き合いながら遠ざかっていく、仕方が無いので柵の前に立ち語りかける事にしたゼシードは口を開く
「君達2人は今日で出れる・・・はずなんだがもう少し我慢してくれ、それまでの間にちゃんと反省すればきっと出れる、約束しよう」
と語りかけるが子供達2人は遠ざかったまま、信用されてないと思ったゼシードは無言で立ち上がりさらに奥へと歩いていく
もう一つの目的はこの地下牢獄の一番奥にいるある人物に会うためだ、その人物はウェポンズネームでありながら何を思ったのか任務で来ていた村の住民全員をその時に持っていた武器を突然振り回し殺した、計120人ほどが死んだ
ゼシードはその人物をその場で取り押さえ一番奥の地下牢獄へと投獄するよう命令した、一番奥には特殊な拘束器具があり簡単には抜け出せないようになっている、だがその人物なら簡単にその器具を壊せる、なぜならその人物はウェポンズネームの人間だから
「調子はどうかな、サイズ・スィクル」
「これは珍客が来たな」
大量の拘束器具を身体中に取り付けている目の前の人物はサイズ・スィクル、鎌という武器を使うウェポンズファミリーネームだ、サイズはその家の者だ、次期当主候補でもありゼシードやシザースと同じ神話の世代と呼ばれるものだった
尋問されたのか囚人服が所々破けていてもう少しで裸になりそうな格好だった、髪も伸びていてかなりここにいることが見るだけでわかる、しかしなぜか体は痩せてはいない、むしろさらに筋肉が増えていると言ってもいい、そんな見た目をした同期を前にゼシードは口を開く
「あと1週間だ、それでダメならここから出ろ、計画を実行する」
「あいよ、と言いてぇが生憎武器がな」
「お前のならそこにある」
そう言ったゼシードは貼り付け状態のサイズの後ろにある壁を指さした、しかもサイズが右手をもう少し伸ばせば届くところに、意味が分からないサイズはとりあえずその方向を向く、するとそこには自分が愛用してした鎌が張り付いていた、この事を知らなかったサイズは目を点にした
「拘束器具を破壊した後それを使ってここから出ろ、1週間後また来る」
そう言ったゼシードは反対方向を向き帰っていく、それを見ながらサイズは思う
「敵わねぇなぁ・・・」
ふとそう思った、2年前サイズからゼシードに笑いながら話しかけてもゼシードは苦笑いながら答えていた、しかし任務では思考が合わず度々衝突、その度に周りの地面がクレーターになるほど喧嘩した、しかしいつも勝っていたはゼシードだった、しかしその喧嘩が5回目を迎えた時に異変があった
いつもならクレーターが出来るほど激しく喧嘩をするはずだったがその時は違った、秒殺したのだ、何もする事なくいきなり、数発分の威力を1回に受けたサイズはその場に倒れる、その時ゼシードは無表情でこう言った
「言う事聞かない部下はいらん、死ぬか聞くか選べ」
それを聞いた時サイズはゾッとした、顔は無表情でも目がそれをわからせた、もしここで聞かないと言った場合何をされるのかが鮮明に分かるほどのゾッとする目をしていた
サイズはその日以来ゼシードに逆らった事は一度もない、何を言われてもだ
あいつの本性は見たくない、ただそれだけを願って
「1週間後か、準備しとかないとな」
サイズがここに囚われている理由は罪を犯した他にもう1個あった、それはゼシードが立てた計画の一部を実行する時にしやすくする事だった、計画の内容は聞かされていないがとにかくわざと重い罪を犯して投獄しろと言われたのでそうしただけだった
ここに囚われ続けて1年ちょっと年経つが思うのはただ一つ
「何するんだろう?」
────────────
ゼシードが囚われた子供2人とサイズの様子を見て今日でちょうど1週間経つ、ゼシードは前言った通りに地下牢獄に来た、子供2人の様子を見るためだ
あの2人は今頃何してるだろう、報告は受けてないがちゃんと釈放されているだろうか、それが心配だった、自分より年下なので余計に心配してしまう、ゼシードはそう思っていた、薄暗い階段を降りて牢獄に囚われている囚人達に睨まれながらも目的地の前へとつく
「2人とも元気かな」
2人が入っている牢獄の前へとついて話しかけたが2人は奥で寝ていた、やはり出ていなかったか・・・、そう思うと謎の怒りがゼシードの中から湧いてくる、その怒りの矛先はついに貴族達へと向かってしまった
でもおかしな点もある、話しかけてるのにピクリともしない、それどころか臭い匂いがする、そう例えるなら何かが腐った匂い、生ゴミのようなそんな匂い・・・とゼシードが思いかけた時ある事が頭を横切った
(まさか・・・だよな)
ゼシードはここに来る前受け付けの人からこの牢屋の鍵を借りていた、理由は当然この2人がもし釈放していなかったら出すため、法律的にはもう釈放されているからだ、しかし出ていないとなると圧力をかけてる貴族達は犯罪者でそれを認めている上の人間も見過ごせない
変えなきゃならない、この国を・・・そう思っていた矢先に悪い予感が頭を横切った、謎の焦りを初めて感じたゼシードは慌てて牢屋の鍵を開けた、先程からしていた匂いは寝ているはずの2人に近づけば近づくほど強くなる、そう感じるたびに悪い予感が頭を横切る、頼むからそうでないであってくれ、そう願いながら近づく
寝ているはずの2人の前についた、ハエが何匹が飛んでいる、匂いが先程よりもかなり強い、そう思いながらゼシードは寝ている2人の首を両手で触る
(脈が動いていない)
次に手首を確かめるが脈が動いていない、心音を確かめるため耳を近づける、しかし音はしない、もう一人の子供も同じ現象だった、以上の事が導き出す結果は一つだった
「死んでいる・・・」
目立った外傷はない、首を絞められているとか骨が折られてるとか内出血とかじゃない、ただ痩せ細せている、傷はないが痩せている、餓死の可能性が高い、ゼシードはそう予想した、肉が腐り始めるほどこの死体は放置されていた、地下牢獄なのでこの常温の空間はそう温度変化しない、腐るにはいい環境だ
死後1週間近くは経っているだろう、そう思うとゼシードが初めてあったあの時既に命の危険があった、法律には詳しくないのでもう少し反省してくれればと思っていたがまさかまともな食事も与えず放置していたという事にゼシードは今気づいた
「状況開始かしらね、ゼシード」
ふと後ろから声をかけられる、その声に反応して後ろを向くと一人の女性が立っていた、いつ後ろに立たれたか分からないくらいの気配の無さ、当然といえば当然だろう
この女性もウェポンズネームだから
「そうですね、ロングさん作戦を開始しましょう」
後ろにいた女性の名はロング・アーチャー、あらゆる遠距離攻撃武器を扱うアーチャー家の人間だ、そして僕の同期である、なぜここにいるのかゼシードは思っていたがこの際その考えはしないとすぐに考えを捨てた
「先に戻って作戦内容を皆に説明してください」
「了解、気をつけてね」
そう言ったロングは地上へ続く階段へと行くため牢屋を出た、ゼシードも行動を開始するべく兄妹の死体を置いてサイズに会うべく牢屋を出た
歩きながら思っていた、許さない殺してやる楽に死ねると思うなよ、そう思いながら歩いているとサイズがいる牢屋についた
「行動開始だ、出ろ」
「にしし、やっとか」
笑いながらそう言ったサイズは足に付けられている拘束器具を足で無理矢理破壊、次にお腹についている器具を腹筋と立ち上がる足の力で破壊、両腕に付けられている器具を腕の力のみでそれぞれを破壊、最後に首についている拘束器具を両手で引っ張りながら千切るように破壊した
拘束器具の残骸が破壊の音と共に大きく響きながら地面に散らばった、最後に壁に張り付いている鎌を取り数回振り回した、すると鉄の柵は溶けるように地面に崩れ落ちていった
サイズはその鉄の残骸を踏みながら牢屋から出て来た
「出たはいいけどどうするんだ?」
「逃げたところですぐバレる、というかクソ親父が絶対追ってくる」
「だよな〜」
ゼシードがクソ親父と言って嫌っているのはゼシードの実の父親だった、戦闘技術や知恵などは全て父親から教わっていた、そしてサーベル家現当主でもある、今のゼシードと父親が戦ったところで勝機などほぼ無いと分かってた
仮に勝っても他のウェポンズネームの現当主達が追ってくる、逃げ道はないと誰もが思うだろう、しかしゼシードには考えがあった
「都合がいい事に僕達は素顔が国民にバレていない、それを利用しよう」
「了解」
なぜ国民に素顔がバレていないか、フランスト軍は少年兵が当たり前だ、現にゼシード達がいい証拠である、少年兵と聞くと年代関係なくいいイメージはないと断言する
それを知っていた軍上層部と国の人間達は僕達の存在を隠した、少年兵を使って国の威厳を維持しているなんて事がバレたら信頼は地に落ちるも当然、そうなれば政治的コントロールが効かなくなってくると考えたのだ、そのため名前は提示していても素顔は見せる事がなかった、ゼシードはこれを利用しようと考えていた
「基地の外に出ればこちらの土俵だ、問題はどうやって外に出るか・・・」
「退路があればそれを走るんだが流石に甘くないよなこの軍も」
基地の外にさえ出ればこちらのもの、だが中の警備だって甘くない、流石にゼシードとサイズが外に出ようとすれば視線を集めるだろう、そしてサイズの脱獄がバレて基地内で戦争状態になってしまう
なんとか目立たずに外に出れないものか・・・2人でそう考えていた時だった
「俺らが囮になるからその間に逃げろよ」
牢屋の前で悩んでいた時にそう言われた、声の主はシザースだった、そして後ろに2人の人間がいた
「シザースとロングさんにスピアか、いいのか」
目の前にいた3人組はシザース・ダガー、ロング・アーチャー、スピア・ランスだった
スピアはランス家の次男で一人の兄がいる、その兄が次期当主候補と言われているがスピアの急成長にこっちの方が相応しいのではと言う者もいるほどの実力者、常に背中に槍を背負っているのが特徴的な友人である
シザースとロングは基本的に白い色をしていて胸ポケットに盾と剣を持って戦う鷹の姿が書かれている軍服を着ているがスピアは動きやすさ重視でスニーカーのような茶色の靴に長い袖の白いTシャツと長い灰色のズボンを履いているだけという私服にほぼ近い服装だった
「行けるのか」
「錯乱だけならな」
「分かった、では任せる」
その一言に3人は反応して陽動をすべく外へ出るため歩き出した、作戦内容はおおむね決まった、後は逃げるだけだ
「んじゃ行きますか」
「あぁ」
ゼシードは国を変えるべく大きな一歩を踏み出した、確かな革命の誓いと共に
後にこの出来事は歴史的な大事件となった、大陸最強の総長とその他全員のウェポンズネームが国を裏切り山賊となって国を変えるべく動き出した、ゼシード達が国から脱出するのに殺した人数は80人弱だった、それも全て過去に任務を一緒にした人達だ
しかしゼシードは後悔しない、これから起こる事を考えるとこの数はたかが80と思えるのだ、だがら立ち止まらない、この誓いを砕く者現れるならその時は全霊の一撃で応えよう、仲間と共に
戦闘シーンを文字で書くの難しい(´・_・`)
次回から本編行きます、革命を誓うまでの出来事をおおざっぱに紹介しました、本編からは6年後の世界となります、では次回