オムアン湖にやってきました。
前回のあらすじ
アグニさんがやってきて、腕試しに魔物を戦ってみることになりました。
「これからルージュ殿には適当な魔物を一匹、討伐していただきます。なぁに、それほどの魔力を持つルージュ殿なら楽勝ですよ! ハッハッハ!」
えー!!!
そんな、困ります!
「なんだって!?」
「ま、待った! その話待った!」
「ルージュちゃんが、魔物と戦うだって!?」
「無理だ! 大変なことになるぞ!」
酒場の惨状の真実を知っている常連さんたちが口々に言いましたが、アグニさまはまったく意に介す事なく領主さまの首根っこを掴んで後ろに乗せました。
そして、今までの人生の中で最大のトキメキポイントがやってきました。
「さあ、ルージュ殿」
馬上から手を差し伸べるイケメン騎士さまですよ!
名指しですよ名指し!
その手を取らなかったら乙女失格ですよ!
その時の常連さんたちの取り返しのつかなさそうな悲鳴じみた嘆息が若干耳に残りますが。
アグニさまは私の手を取ると、まるで魔法のようにふわりと持ち上げて私を前に乗せてくれました。
もしかしなくても、後ろから抱きしめられるような形です。
私が落ちないようにでしょうか。アグニさまの左腕でがっちりしっかりホールドされてしまっています。
体が近い! 体温! 後頭部に生暖かい息が! 生息が!
今までにないテンションの高まりを感じます!
私いまなら大陸割れそうです!
「では行くぞ!」
「あひやぁぁぁああ!」
鋭いアグニさまの声と情けない領主さまの声を置き去りにしながら、物凄い勢いで景色が流れていきました。
軽やかに跳ねる軍馬の躍動感を腰に感じました。
頬を撫でる爽やかで優しい風を頬に感じました。
アグニさまの腕の確かさに安心感を感じました。
領主さまの悲鳴を感じました。
私、馬車には乗ったことがありますが、こうして馬に跨がったことは初めてです。
想像よりずっと高いですね!
馬車よりずっと速いです!
思っていたより、ずっと楽しい!
「アグニさま! 馬って速いですね!」
「そうだろう!」
「アグニさま! とても楽しいです!」
「そうだろう!」
「おがじい! ぎみたぢはおがじい!」
領主さまはどうしてそんなに死にかけているのでしょうか。
あっ。そういえば酩酊状態でしたね。女神なら領主さまを癒せるでしょうか?
『それはやめておいたほうがいいでしょう』
そうですか。女神が言うのでしたら、きっとそうなのでしょうね。
『我は今、この男のことを心底哀れに思う』
そうですか。魔王が言うのでしたら、きっとそうなのでしょうね。
「ところでルージュ殿」
「はい、なんですか?」
「実は先ほどから灰色の魔力が邪魔で前がよく見えないのだ。抑えることは可能だろうか?」
「すみません。私にもどうしようもないみたいです」
「そうか!」
「そうかじゃなあい! まえがみえない!? うまはどうやって!?」
「仕方があるまい。勘で走るぞ!」
「はい! あ、真正面から馬車です」
「そうか!」
「おおおおおおおおおおおおおおおお!」
私たちを乗せた馬は力強く大地を蹴り上げ、馬車の真上を飛び越えて着地し、何事もなく駆けていきました。
どういう訳か、領主さまはこの世の終わりとばかりに濁りきった絶叫と慟哭を繰り返していましたが、やがて静かになりました。
とてもしあわせな時間は、あっという間に過ぎていきました。
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私たち三人はエイピアの東門から出て、広大なオムアン湖のほとりに来ています。
後ろのほうから常連さんたちが追いかけてきていたはずなのですが、アグニさまの馬が速すぎたのでしょう。結果的に撒いてしまいました。
オムアン湖は、エイピアを東に出てすぐの所にある、草原地帯に囲まれた大きな湖です。
私も実際に見たのは初めてですが、噂通り、とてつもない大きさですね!
視界の端から端まで、びっしりと水が詰まった水たまりが広がっています。
遥か遠くに対岸が見えますが、いったいどれほどの距離があるのか、見当もつきません。
エイピアに住んでいる私たちは、もれなくオムアン湖の恩恵を受けています。生活用水として、魚などの食料の源として。
エイピアの新人冒険者たちは、まず町と湖を行き来する漁師や商人の護衛から始めて、修練するのだそうです。
ちなみにオムアンとは、私たちの言葉で『神秘の』という意味です。私たちに命をもたらしてくれる神秘の湖。深読みの余地のないインテグリティゾーン。麗しき響き。それがオムアン湖なのです。
「ここがオムアン湖か!」
アグニさまがハッキリと大きな声で言いました。
「ええ。我が領自慢のオムアン湖です」
領主さまが自慢げに言いました。
「はい! オムアン湖です!」
私は特に意味もなく言いました。
勇者的な第六感が告げる何かに配慮する必要なんて、欠片もありませんでした。
「あっ、アグニさま! あれはなんですか?」
私はオムアン湖にぽつりと浮かぶ、小さな島を指差して聞きました。
孤島。
橋もなく、船もなく、泳いでいくにはずっと遠い所に、その島はありました。
小さく見えた島ですが、それは単に遠いからで、実際は想像よりずっと大きいことが分かります。なぜなら、その孤島には見るも立派なお舘が建っていたからです。
それにしても、どうしてあんな所に舘が建っているのでしょうか? あそこまで行く方法なんてありませんし、湖の近くにはよく魔物が湧くと聞いてますので、危ないと思います。それに随分と古びてますし。
「分からない! オレはこの辺りの人間ではないのでな!」
それはそうですよね。
「あれは今、竜王の舘と呼ばれておる」
代わりに答えてくれたのは土気色の領主さまでした。
竜王の舘。
その言葉に、ぴくりと反応したのは二人。
アグニさまと、そして魔王でした。
「竜王! というとあの噂の、魔族の中で唯一生き延びたという?」
「ああ、そうだ。あの舘には魔界からの侵略者にして最後の生存者……竜王が今も篭城しているのだ」
領主さまは遠くに浮かぶ古びた舘を、忌々しげに見つめていました。
先代の魔王……バロールのことですが、彼が魔族の軍勢を率いて人界に侵攻してきた時のことは、私もよく覚えています。
私はずっと酒場にいたので、ここからの話は常連さんからの伝聞が殆どです。
エイピアの町は前線となる帝国からはずいぶんと離れているのですが、それでも魔族の侵攻が伝えられたその日はとても浮き足立っていたことを覚えています。
魔族の侵攻にあわせて、魔物が活性化することを誰もが知っているからです。
ですが、エイピアの町を最も震撼させた知らせは数日後に訪れました。それは魔王討伐の知らせでも、勇者殉死の知らせでもありませんでした。
ゲートまで退かず戦死もせず、最後まで人界で戦い、生き延びた唯一の竜族……竜王が、オムアン湖湖上にある廃棄された舘に落ち延びて篭城をしていると。
それから暫くの間、大変な騒ぎになりました。
最も忙しなく動いていたのは冒険者ギルド。次に、竜王の討伐、もしくは撃退に動いた冒険者の方々でしょう。
実際、ウチのお店も火のついたような騒ぎになって、すっかり竜退治の話題で持ち切りでした。
結果を先に言ってしまいますと、竜王は倒せてもいませんし、追い出すこともできていません。
なぜなら、あの孤島を目指して小舟を走らせると、まるで拒絶するかのごとく孤島を取り囲む大嵐が生まれたのだとか。
湖の水を大量に巻き上げた嵐は町にも大きな被害を与えました。ありとあらゆる洗濯物を台無しにし、町には魚の雨が降りました。町の浮浪者の間では、この雨は恵みの雨とも呼ばれたとか呼ばれていないとか。
ともあれこういう事情もあり、とてもじゃないですが竜王と戦うどころではなかったといいます。
結局、こちらから手出しをしなければ竜王も沈黙を保つということが分かったので、暫くの間は不干渉を貫く事になった、というようなことを常連さんから聞いています。
この話はかなり有名らしいので、アグニさま的には観光名所を訪れたような気分なのかもしれませんね。
「今回ルージュ殿が勇者として選ばれた訳だが、そうなるといつかはやがて、あの恐ろしき緑竜にも立ち向かわねばならない日が来るでしょう」
「緑竜? 竜王は緑の竜なのですか?」
「そうだ。一度見た事がある。オレは先代の勇者、フセオテ殿のパーティメンバーだったんだ」
衝撃のカミングアウトでした。
「だからあの日、オレは仲間たちと一緒にレオイロス大平原にいた。直に竜王とも対峙したんだ。竜王は一回り以上も巨大な緑竜で、風属性の魔法を自由自在に操る恐るべき敵だった。凄まじいプレッシャーだった。あのフセオテ殿でさえ、一筋縄ではいかない相手だった」
敵ながら天晴れ。うんうんと頷くアグニさまの言葉を聞いて、私は口に手を当てて隠しながら、不思議に思っていたことを小声で聞いてみました。
「どうしてそんなに嬉しそうなんですか、バロール?」
『いやなに』
頭の中で、にやにやとした気配を放つ魔王の声が響きます。
『純粋にあいつが生きていると知って、嬉しいのだよ。そうか。エミルは生きていてくれたか』
「竜王の名前はエミルというのですか?」
『うむ。エミル・エアーリアといってな。人界侵攻の際の戦友であり、我が魔王となる以前からの友だった。竜王と名乗らせてはいたが、魔王と同じで執政者ではない。年は若いが、実力でのし上がった見所がある男でな。死なすには惜しい人物だ』
「人? 竜も人なのですか?」
『知らぬのか? 魔族は全て人だ。我や竜族のように姿を変える術があるだけに過ぎん』
は〜。そうなのですか。
えっ。そうなんですか!?
いま私はさぞ驚いた顔をしているでしょう。
私はアグニさまに見られているのを感じて、慌てて口を閉じました。
幸い、アグニさまはご自身の話に驚いたのだろうと勘違いしてくれたようですが、私の驚きポイントは当然別の所です。
魔族。
人界に住む人族とは違って、魔界に住む魔族の姿かたちは様々です。
私たちと同じような人形をしている種族。
獣人族に代表される、人の形に似ているけれど、どこかがちょっぴり違う種族。
竜族のように根本的に人の形をしていない種族。
冒険者たちの間でも、いったいどこからどこまでが魔族で、魔物なのかがはっきりしていないぐらい、姿かたちが曖昧でバラバラなのです。
が。
まさか化物の代名詞、竜族も人だったなんて……。
と言う事は、いつもは子犬、ごく稀に三つ首の凶犬の姿をとる魔王も、実は人ということでしょうか?
どんな姿なんでしょう。
ちょっと、いやかなり気になります。
私にあれこれと妄想されている魔王ですが、私の返事がなくても色々と話してくれました。
「ルージュ殿、島と舘を覆う分厚い雲が見えるか? あの晴れない雲は竜王の魔法による天候操作だ。あの下ではあらゆる風が竜王の味方をしてしまう、恐るべき結界だ。口惜しいが、竜王の力は健在のようだな」
『我が勇者との一騎打ちに臨んだ際、彼奴の仲間どもを少しでも引きつけると言って飛び立ち、それが我らの別れとなった。我はそこで死んだが、エミルの事はずっと心残りだった。そうか。生きていてくれたか』
私の胸に、魔王の気持ちが流れ込んできます。
驚喜。安堵。懐古。誇り。
魔王はただ生きていてくれたことが嬉しくて、泣き出してしまいたいのを頑張ってこらえていました。
竜王。巨大で獰猛な緑竜。風と嵐の支配者。
人間にとっては人に仇為す恐るべき災いですが、魔王にとっては掛け替えのない戦友だったというのは、私としてはどう受け止めたらいいやらという思いです。
勇者フセオテさまに、頼りになる仲間……そう、例えばアグニさまがいたように、魔王バロールの隣には竜王エミルがいた。
そういうことなのかもしれません。
ただ、例えそうだったからと言って、今の私が竜王エミルと会ってしまった時、アグニさまを見た時のような前向きな感情を抱けるとは思いません。
なぜなら、竜王はきっと多くの人間を殺したのでしょうから。
私の心も体も人界で生まれ育った以上、越えようのない壁のようなものなのだと思います。
『ルージュ。もしも可能なら、我は今すぐにでもエミルを迎えに行きたいのだが』
『忘れたのですか駄犬よ。今のルージュは勇者なのですよ。
そこな騎士は言わばルージュのお目付役。今それを伴って竜王に会いに行った時、それがどういう結果を生むかも想像できませんか?』
「ルージュ殿も、故郷が竜王に睨まれているとなれば落ち着かないだろう。もし状況が許すのであればすぐにでも討伐に向けて動き出したいのだが、すまない、今はまだ堪えてほしい」
『……チッ!』
「そうですね。今はまだ、早そうですね」
たぶんそれは、きっと、私は竜王と……魔王の親友と戦わなければならないんでしょうね。
それにしても、ちょっぴり意外でした。
女神が魔王に忠告するだなんて。
そういう結果が予想できるのであれば、私を黙って行かせて竜王を倒させたほうが得だと思うんですけど。
女神のちょっと優しいところを垣間見た気がします。
「さて、魔物の討伐の件だが、この辺りを索敵しようと思っている。エイピアの湖畔には比較的弱い魔物が生息していると聞いているから、腕試しにはもってこいだ!」
『ぐぬぬぬぬ……! 転移魔法だ! ルージュ! 王都で転移魔法とやらを手に入れたら、すぐにここまで戻ってくるのだぞ!』
「はい」
私は一言だけ答えました。決してものぐさだったのではありませんよ?
「うむ! いい返事だ。そうだ。魔物と戦う武器が必要だな。ルージュ殿、これを使ってくれ」
そう言ってアグニさまが差し出したのは、背中に吊っていた大きな剣。
両手剣。ツーハンデッドソード。
私の身長よりも長いて固くて重そうな鋼の塊。
そういえば、今から私、魔物と戦わないといけないんでしたね。
そう言われてみれば、必要ですよね。武器。
武器。
剣かあ……。
「あの、すみません、アグニさま。実は私、いま剣を持ってはいけないことになっていて」
「それはなぜだ? まさか重くて持てないなどということはないだろう?」
筋骨隆々の大男バルドさんを片手で床に叩き付けた(ように見える)現場にいたアグニさまは不思議そうに首を傾げました。
アグニさまは立派な騎士さまですが、所々の仕草がなんというか、可愛いお方です。私のような人間には目に毒ですね。鼻血が出そうです。
「そういう訳ではないのですが、実家の酒場の常連さんたちから、『お前は絶対に剣を振ってはダメだ』と固く言われてるんです。たぶん、剣の才能が欠片もないんだと思います」
「そうか。いや、心配には及ばない」
「はぁ」
どういう意味でしょうか?
「その常連たちは、ルージュ殿の身を案じておられるのだろう? だが心配は要らない。いざとなればオレが助けに入るし、君自身になんら危険が及ぶことはない。このオレが保証する! どうだ、これでも剣を持てないか?」
「うーん」
ぶっちゃけイケメン騎士さまに「心配するな! オレが守る!」などと言われるのは乙女の本懐すぎるので即落ちしたいんですが、女神的はどう思われているのでしょうか?
『よいのか女狐よ。我としては人界にどれほどの被害が出ようとも、関与する所ではないが?』
『仕方がありません。この男も、ルージュの剣を一度見れば事情を察するでしょう。幸いここには人気もありません。湖畔に不自然な穴が一つ空くだけです』
所々に不穏なワードが含まれていますが、女神がそういうのであればよいのでしょう。
でも心外です。酒場の大穴は別に私がやろうと思ってやった訳じゃありません。あれは不可抗力です。
「分かりました。お借りします」
私はアグニさまから鞘付きの大剣を受け取って、ずりずりと抜きました。我ながら不格好な抜剣ですが致し方ありません。
やっぱりというか、重さは問題ありませんでした。不思議な感覚ですが、ずっしりと重たい手応えはあるのに、酒瓶と同じように振り回せる感じです。現にいま、私は両手剣を片手で水平に持っていました。
ちょっと思いついたことがあったので、私は握りに余裕を持たせてぷらぷら振ってみました。結果からいうとダメでした。筆のように曲がって見えたりはしませんでした。
「見事だ! ルージュ殿、その剣を片手で扱えるのは王国近衛の中でもそうはいない! 流石は勇者殿だな!」
アグニさまはまっすぐに褒めてくれました。ちょっとくすぐったいです。
領主さまは真っ青な顔でがくがく震えてました。大変失礼です。
「ところで、アグニさまは盾はお使いにならないのですか?」
実際のところ、私の抱く騎士さまのイメージは馬上で槍を構える姿なのですが、アグニさまには天性の総受けオーラを感じたのでついうっかり聞いていました。
「いいや! オレは盾の扱いが苦手でな。それで両手剣に切り替えたのだ。どうやらオレは守るよりも攻めるほうが向いているようなのでな!」
どうやらオレは守るよりも攻めるほうが向いているようなのでな!
守るよりも攻めるほうが向いているようなのでな!
攻めるほうが向いている!
ぶはっ!!!
「うおっ!? どうしたのだルージュ殿! 血が!」
大丈夫です!
大丈夫です!
気にしないでください!
今ちょっと鼻血と妄想が止まらないだけです!
あーやばい! あーやばい!
攻守ともに、いや攻受ともに隙がありません!!
アグニさまは完璧超人ですか!?
一生ついていきます!!
『どういうことだ! 何が起こっている!? 女神、説明しろ!』
『魔王よ、まずは落ち着くのです。既に治癒魔法を何重にもかけていますが、効果がありません。わたくしの加護を貫通するほどの、極めて高度かつ致命的な呪いを受けている可能性があります。類似する症状に関する知識の開示を求めます』
『分からぬ! 専門外だ! だが屍人族ならば、何か知っている可能性がある。しかし』
『また魔界ですか。くっ、遠すぎます。ルージュ、しっかりするのです! わたくしの声が聞こえますね!?』
シリアスな感じで慌てている女神と魔王に申し訳が立たない気持ちでいっぱいですが、鼻血は止まりません。
すみません女神さま! すみません魔王さま!
これは呪いとかそういうのではありません!
リビドーです!
こればっかりは、こればっかりは自分ではどうにもならないんです!
勇者だって、魔王だって、好きなことの一つや二つあったっていいじゃないですか!
だからお願い、もう少しだけ待ってください。
いま、脳内の攻めアグニさまと受けアグニさまが、もう少しで、ものすごく、いい所だからあっ……!
この後、数分くらい経って私の鼻血は止まりました。
私は女神の造血魔法のお世話になり、心身ともにスッキリしました。
その旨を伝えたところ、アグニさまは「そうか!」と言って、許してくれました。
呪いなどではないことを告げると、女神と魔王にはものすごく怒られましたが、私が「これだけは譲れませんし、治りません!」と言うと黙りました。
領主さまは(鼻)血の海に沈んで気絶していました。アグニさま曰く、滑って転んだとのことでした。
魔物はすぐそこまで迫ってきていました。
おまえらあ! とっとと戦闘始めろよお!!
take a step forwardするには半歩足りませんでした。
嘘予告ばかりになるので自重したいと思います。
次こそは戦闘します。たぶん。
皆さんの想像通りの展開になります。たぶん。
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追伸。
R15の基準がよく分かりません。セーフだという絶対の確信はあるのですが、もし万が一ヤベェなと思ったら教えてください。