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勇者ルージュ、ただいま戻って参りましたっ!

前回のあらすじ


 エミルに首輪を付けました。

 その頃王都では、国内にグリフォンが現れたという知らせが届いて……。

  

 グリフォン。

 鷲の上半身と獅子の下半身を併せ持ち、その気質は獰猛にして凶暴。

 猛禽類の血を色濃く受け継いでいるせいか、狩りという行為に対して恐ろしいまでの意欲を見せる天性のハンターだ。


 グリフォンは幼少期でも大型犬くらいのサイズがあるが、成体ともなると平均的な大人の男性の頭部を肩ごと丸かじりできるほどのサイズまで成長する。そして巨大に、そして強靭に成長しきったその四肢は、グリフォンに驚異的なまでの俊敏さを与えるのだ。

 それが地上に限った話であればまだ救いもあるのだが、生憎なことにグリフォンは飛行する。それも恐ろしく速く飛ぶのだ。その背の翼は獲物を追いつめ爪を突き立てるための猛禽の翼だ。寧ろ、空こそがグリフォンの真のテリトリーであると言っていいだろう。


 地上と空。

 その二つのフィールドをグリフォンは区別しない。

 等しく狩場なのだ。グリフォンにとって大地とは、獲物を追い詰めるための壁に過ぎない。

 隙となる逃げ場などどこにも存在しない。

 ひとたび狙われれば逃れる術などない。

 グリフォンと相対して生き残ることのできる人間など、勇者のような超常的な存在を除けば、ほんの一握りだ。


 結局のところ、グリフォンの目撃情報が極端に少ないのはこれが原因なのだ。

 仮にグリフォンが新しくどこかに住み着いたとしても、それを目撃したが最後、目撃者はグリフォンの狩りから逃れられないのである。


 だがここに、その困難を乗り越えて生還してきた男がいる。


 この男はグリフォンの姿をその目で見ておきながらも、パーティメンバーを含めた全員を無傷で生還させ、そしてこの極めて重要で貴重な情報を持ち帰ってみせた。

 それがどれほどの功績であるのかを分からないギリエイムではない。

 Sランクの魔物であるグリフォンの脅威がどれほどのものかを把握するなど、一国の王として当然だ。

 だからこそギリエイムの胸中は、目の前にいるこの男を誇らしく思う気持ちでいっぱいだった。


 ギリエイムは姿勢を改めると、玉座から離れたところで跪いている男へと目を向ける。


 貴族然とした礼服に身を包んだ、細身の男だった。

 粗野で知られる冒険者のイメージとは似ても似つかない、小奇麗で清潔さを感じさせる出で立ち。

 爽やかに撫で付けられたシルバーブロンド。

 苛烈な意思と自信を感じさせる切れ長の目。

 そして立ち居振る舞いから感じられる気品。


 知らぬ者が見れば、十人中全員が彼を若い貴族だと思うだろう。

 だが注意深く彼の服装を見ると、一見して礼服のように見える彼の衣装は、実は高ランクの魔物の素材によって作られたれっきとした防具であることが分かる。

 腰に差している細剣もそうだ。刀身は細く薄く、装飾華美なのは柄ばかり。明らかに儀礼用と思しき細剣だが、しかしこの男が害意をもって抜いたとき、この細剣は恐るべき力を発揮し、グリフォンさえも脅かす魔剣となるのだ。

 国王陛下の御前であるにも関わらず帯剣を許されているのは、彼が貴族だからではない。偏にそれだけの信頼を、彼が積み重ねてきたからだ。


 そう。彼は貴族などではない。

 彼の正体はただの一人の冒険者。

 名はジャスパー・クリスノート。

 このゴードグレイス聖王国に生を受け、《透き通る音(クリスノート)》という二つ名で知られる彼もまた、常識の範疇ではその実力を測れないSランク。

 かのグリフォンにも匹敵すると認められた、世界最上位の冒険者の一人なのである。


「しかし《透き通る音(クリスノート)》よ。Sランク冒険者であるそなたであれば、あるいはグリフォンを仕留めることすらも可能だったのではないか?」


 そう訪ねたギリエイムだったが、これは彼を責めているのではない。

 ジャスパーの生還を正しく評価し、そして手放しに賞賛するギリエイムだったが、同じSランク同士の邂逅という事態を受けて、ギリエイムの好奇心がさせた問いだった。


 この問いに対してジャスパーは、苦笑いを作るとこう答えた。


「装備やパーティ編成が万全ではあれば、可能だったでしょう。元々ボクたちがタイローン山脈へ赴いたのは、生態系の調査依頼を受けたからでした。まさかグリフォンが住み着いているとは思わず、対空戦力となる魔法使いを王都で休ませたままだったのです」


 グリフォンを発見した当時、ジャスパーは数名の斥候職を連れていただけで、空を自在に駆け回るグリフォンに対する決定打を持ち合わせていなかったのだ。

 一対一の地上戦であれば無敵に等しい戦闘能力を持つジャスパーだが、相手が空にいたのでは流石に手が出せない。


 そしてもう一つ、ジャスパーがその場でグリフォンに手出しできなかった理由がある。

 それはグリフォンという魔物をSランク足らしめている、対策必須の凶悪な能力。

 俗にブレスと呼ばれる能力の存在である。

 グリフォンは体内に多量の可燃性ガスを取り込み、超高温の炎を吐くことができる。

 その骨をも残さない灼熱を前に、あらゆる防具は無意味だ。つまりグリフォンとまともに相対しようと思えば、耐火の魔力を込められた強力なマジックアイテムは必須なのである。


 空中のグリフォンを攻撃できる魔法使いと、耐火マジックアイテム。

 このどちらもが不足していたジャスパーは、仲間の無駄死にを避けるためにも、やむを得ずタイローン山脈から引くしかなかった。

 だがこれは、決して逃げたということではない。

 ジャスパーは既に昨日の時点で仲間の魔法使いに連絡を取っており、同時にマジックアイテムの調達も進めている。

 つまり不足していたものを全て揃えた上で、準備万端の体勢でグリフォンに挑むつもりだったのである。


 ジャスパーのもとに国王陛下の使者を名乗る人物が現れたのは、そんな折でのことだった。

 なんの要件かは知らされなかったものの、そこで自分が国王陛下に呼ばれていることを知ったジャスパーは二つ返事で了承。

 せっかくなので、すでに王都の冒険者ギルド本部には連絡済みではあるものの、こうしてジャスパーの口から直接、今回の件を報告したという次第であった。


 ジャスパーの答えを聞いたギリエイムは、うむ、そうか、と言った具合に頷いている。

 しかしそれを見てジャスパーは、はて、と思った。


 ギリエイムの反応が、どうにも上の空だったのである。

 ギリエイムのほうから訊いてきたことだというのに、まるでその答えに興味がないかのような振る舞いだ。


 いや、寧ろ……。

 ギリエイムはいま別の何かに手一杯で、ジャスパーの帰還も、グリフォンが住み着いたという情報すらも、小さく霞んでどうでもよくなってしまっているかのようではないか?


(いやいや。待て。グリフォンだぞ? その出現よりも重大な問題だなんてあり得ない。きっと陛下もお疲れなのだろう。そうに違いない)


 そう思い、小さく首を振るジャスパーの仕草にギリエイムからの声が重なる。


「あー……時に《透き通る音(クリスノート)》よ。そなたは、新たに現れた勇者のことを聞いておるか」

「……はい、聞き及んでおります国王陛下。なんでも先日、この王都にようやく辿り着いたとか」


 いやに言い辛そうに切り出したギリエイムに僅かな疑問を感じながらも、ジャスパーは淀みなく言葉を返す。


 実際、現在王都では勇者の噂で持ち切りであった。

 馴染みの宿屋の店主からも王都に残していた仲間からも冒険者ギルドの受付嬢からも同じ話を聞かされたものだ。曰く、膨大な魔力で東門付近の魔物どもを一掃しただの、教会に多大な寄付をしただの、ひどく好意的な噂ばかりだ。当代勇者は人々に好かれているらしい。

 だが、それはジャスパーにとって気分のいいものではなかった。

 ジャスパーはとある理由から、当代の勇者ルージュにまったくいい感情を抱いていなかったのだ。寧ろ敵意を抱いてさえいる。

 その感情は言葉にも現れていた。ジャスパーは「ようやく」という言葉を無意識に強調していたが、これは勇者の生まれ故郷と王都が遠く離れていることを示唆した隠喩だ。つまり、当代の勇者はそれほどの田舎者なのだとジャスパーは侮蔑したのである。もし仮にエイピアを含む一帯を収めるダグルス・レイライン辺境伯が聞けば、間違いなく怒り狂っただろう。


 ジャスパーの露骨な態度に、ルージュと面識のあるギリエイムらは眉をひそめる。

 それだけでも既にジャスパーの腹はある程度読めたのだが、しかしだからといって、これを訊かないという選択肢もまたギリエイムにはなかった。


 だが――


「実はな。当代の勇者……名をルージュと言うのだが。つい先日転移魔法を身につけたまではよいのだが、我がゴードグレイスから付ける従者がまだ一人定まっておらんのだ。そこでだ。そなた、近衛騎士のアグニと共に、勇者の従者をやってみるつもりはないか?」


 ――そう言い終わる頃には、ギリエイムは早くも「言わなきゃよかった」と後悔し始めていた。

 何故ならば、謁見の間に満ちる空気が、いつの間にか寒々と冷えきっていたからだ。


 空気が、急激に重みを増していく。


 ギリエイムが躊躇いがちに言葉を切ってからたっぷり三秒。ジャスパーは闇のような冷気を発散したまま沈黙し続けた。

 例え額に血管が浮き出ようとも、喉仏がびっくんびくん震えようとも、目じりがアップテンポで痙攣していようとも。ジャスパーは決してギリエイムの言葉を途中で遮るような真似も、また即答するような真似もしなかった。それは極めて不敬で、自らの品位を下げる行いだったからだ。

 だから奥歯をギリギリと噛み締めながらもしっかりとギリエイムの言葉を待ち、最低限じっくり考えるふり(・・)をしつつ、ジャスパーは努めて冷静で品位を保った貴族然としたイメージを守り抜いたつもりになりながらこう答えた。


「そのご期待には添えかねます、国王陛下」


 顔を上げ、にっこりと笑ったジャスパーのあまりの迫力に、ギリエイムは思わず彼を地下に『送還』しそうになった。


 ジャスパー・クリスノートにとって、勇者ルージュの話題は地雷である。

 そのことにギリエイムが気付いたときには、もう全てが遅かった。


「そもそも、ボクは今回の女神の選定に納得していないのですよ国王陛下。

 おっと、勘違いしないで頂きたいのですが、それはこのボク、自他ともに認めるSランク冒険者に相応しい名と実力を持つジャスパー・クリスノートが選ばれなかったが故の不満という訳ではありません。

 今回の勇者が女性だったということも、遺憾ではありますが問題ではありません。例えば、かの帝国に名高い『青薔薇姫』のように、名実共に世界から認められている女性であったならばボクも納得がいったでしょう!

 しかし! しかしですよ! 今回選ばれたルージュという娘は、なんの武勇も打ち立てていない、ただの町娘風情だと言うじゃあありませんか! それもとんだド辺境の田舎娘だ! エイピアのルージュぅ!? そんな名前は聞いたこともありません!

 どうして! 何故ボクではないんですか! 女神の目は曇っているっ! ボクが勇者の力を得れば、ボクの《水晶剣》は魔王にだって届くというのにっ!! そうすれば、薄汚い魔族を統べる魔王なんて、何代だろうと斬って砕いて踏み潰してやるのにぃぃっ!!」


 気付けば冷静で貴公子然としたジャスパー・クリスノートはもういない。

 ジャスパー・クリスノートの顔をした、ひどく傲慢で嫉妬に狂った一人の男がいるだけだ。


 天下のSランク冒険者が見せたまさかの豹変に、目を丸くする重鎮たち。

 しかしジャスパーはそれらの奇異の視線をものともせずにヒステリックにガンガン床を叩くと、血走った目をギリエイムに向けて叫んだ。


「決してっ、ボクが勇者に選ばれなかったのが不満ってわけじゃあないんですけどねっ!?」


 説得力という言葉が裸足で逃げ出すレベルであった。


「……そうか。妙なことを訊いたな、《透き通る音(クリスノート)》よ。今の余の言葉は忘れよ」

「はっ! 国王陛下におかれましても、当代の勇者のことなど早急にお忘れになるのが御為になるかと愚考します」


 一通り叫んで満足したのだろう。ぜいぜいと肩で息をしながら目に見えてクールダウンしていくジャスパーであったが、残念なことにその言葉の内容はまったくクールダウンできていない。

 国内にただ一人のSランクとは言え、いち冒険者の身でありながら忠言を装うジャスパーの物言いに、思わずギリエイムは呆れてしまった。エイクエスもその横で、処置なしと首を振っている有様だ。


 ジャスパー・クリスノートはまだ若い冒険者だ。Sランクに昇格してからまだ日も浅く、プライドも高い。

 そんな彼が勇者フセオテの死後、どのような想いで次の勇者選定を待っていたかは想像に難くない。


 きっと、次は自分が勇者になるということもあり得る。

 いや、寧ろ自分こそが勇者に相応しい。


 期待から確信。そしていつしかそうなって当然とまで思い上がっていた彼に突きつけられたのは、どこの誰とも知れぬ無名の町娘が次の勇者に選ばれたという信じられない知らせだった。


 もし。もし仮に彼の言うように、『青薔薇姫』などのジャスパーにも勝るとも劣らない有名人が選ばれていたとしても、ジャスパーは心に燃え盛る嫉妬の炎を消し去ることはできなかっただろう。

 だが、その炎がこれほどまでに強く、身を焦がすほどに大きくならずに済んだであろうこともまた事実である。


 そんな田舎娘の小娘よりも、自分のほうが遥かに勇者に相応しい。

 女神は間違っている! この自分を選ばないなんて、耄碌したに違いない!

 そうだ! これほどまでに勇者に相応しい自分が、あろうことか、小娘の従者になるなどあり得ない!


 それが偽らざるジャスパーの本心であり、その想いは、メラメラと燃え盛る彼の瞳を通して余すことなくギリエイムらに伝わっていた。


 ダメだ。この男は勇者の従者に付ける訳にはいかない。あまりに危険すぎる。

 ギリエイム、そしてエイクエスは、嫉妬に燃える彼の目を見てそう判断せざるを得なかった。

 ジャスパーをルージュの従者に付けることが女神の真意なのだとするエイクエスの仮説は、この時点で木っ端微塵に打ち砕かれたと言える。


 すると残る可能性は、昨晩女神が彼らに伝えた、ルージュが自ら見つけ出したという従者の存在だ。

 いったいルージュがどんな人物を見出したのかは、現時点では想像することもできない。

 彼らにできることはただ一つ。女神の言葉通り、約束された出会いに対して、心を強く持って備えることのみである。


(せめて、せめて勇者の連れてくる人物が、常識的で弁えた人物であればよいのだが……)

(この際、最低限の戦力であるとか、礼節だとかは望みません。ただ、ただ他国に恥を晒さぬ人物であることを祈るばかりです……!)


 それは祈りと呼ぶにはあまりにも切実なる思いであった。

 突然悟りを開いた聖職者のような顔つきになったギリエイムとエイクエスの二人に、どよめきの声が大きくなる。


 そうと決まれば、これ以上ジャスパー・クリスノートに用はない。

 それどころか、ジャスパーはたった今からあまり城に長居されても困る存在となってしまったのだ。特に、今の彼をルージュと会わせることだけはあってはならない。どんな激烈な変化を及ぼすか、分かったものではないからだ。


 元々、勇者ルージュの従者になる気があるのかないのか、ただそれだけを確認するためだけに招いたのだ。とっとと下がらせてグリフォンでも何でも倒しに行ってもらおう。そう思い、退場を命じようとギリエイムが手をかざした。


 その時だった。

 ギリエイムとジャスパーを結ぶその中間地点で、突如、膨大な魔力の輝きが起こったのは。


「なっ! これは、転移魔法!」


 エイクエスが叫んだ。それは転移魔法の発動を示す淡い燐光だった。

 突然のことにぽかんとするジャスパーだったが、その光に見覚えのある二人はそれどころではなかった。


(……えっ!? ちょ、このタイミングで!?)

(しかも謁見の間に直接転移ですってぇ!?)


 ギリエイムとエイクエスが、心の中で同時に悲鳴を上げる。

 頼む。今だけは止めてくれ。

 胸中の懇願もむなしく、燐光の向こう側から渦中の人物……当代の勇者ルージュが、呼ばれてもいないのに最悪なタイミングで姿を現した!


陛下(へーか)っ! 勇者ルージュ、ただいま戻って参りましたっ!」


 びしっ! と見よう見まねのてんでなっちゃいない敬礼を披露したルージュ。

 そのルージュの体からは相変わらず魔力がもやもやと溢れ出ていて、ついでにほこほこと湯気も立ち上っていた。

 どう見ても湯上がりの姿だった。お肌はツヤツヤとしているし、自慢の赤髪もほんのりと湿っており、似合わぬ色気を醸し出している。


 だが、そんなことよりもギリエイムの目を釘付けにしたのは、その勇者ルージュの隣にいる人物だ。


 ギリエイムだけではない。エイクエス、ジャスパー、この謁見の間に集う全ての人間が彼を見ていた。正しくは彼の顔と、彼の首元に視線が集まっていた。


「ひぐっ……ひっく……好きって……俺、好きって何度も言ったじゃないかぁ……っ!」


 少年であった。

 それも、フードを被っていてもなおそれと分かる美少年だ。だが、その美少年は少女のようにぺたんと尻と両手を床について、美貌を歪めてぽろぽろと悲しげに泣いている。

 よく見ると、その少年は首に首輪を付けていた。まるであつらえたかのようにピッタリな大きさの、ごつごつとした無骨な首輪だ。

 そしてその首輪に付けられたリードを視線で伝うと、これまた間違えようもなく、勇者ルージュがしっかと握り締めている。

 にこにこと笑いながら握り締めている。

 誤解の余地はなかった。


「お約束通り、私、自分で従者を見つけてきましたよっ!」


 そしてルージュは嬉しそうに、とてもとても嬉しそうにギリエイムに向けてそう言ったのである。

 疑いの余地はなかった。


 そして怒涛の急展開に、ついにギリエイムの脳は、それ以上深く考えることを止めた。


「ゆ、ゆ、ゆ、勇者が……勇者が……」


 ギリエイムは顔面を蒼白にしながら、ガタガタと震えて言った。


「勇者が、子どもをさらってきおったーーーーーー!!」

「ええぇえぇぇええぇええーーーーー!?」


 ルージュはまるで自分がツッコミ役だ! と言わんばかりに声を張り上げたが、その姿は残念なことに、どこからどう見ても犯罪者のそれであった。


艦これアーケードやりました! ゲームをプレイするまでに2時間待たされることを除けば面白いゲームだと思いました。

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