アグニさんがやってきました。
前回のあらすじ
バルドさんをぶっ飛ばして、冒険者のイロハを教わることになりました。
太陽が空を昇り切り、緩やかに高度を下げ始めてしばらくした頃。
多くの商店が並ぶエイピアの町の中央通りを一心不乱に駆け抜ける一頭の駿馬の姿があった。
「すまない! 退いてくれ! すまない!」
その声に慌てて逃げ惑う者、驚いて立ちすくむ者、退く者、退かない者、それらの間を縫うようにして駿馬は恐るべき速度で走る。走る。走る。
減速のげの字もない、未だ怪我人が出ていないことが奇跡とすら呼べるほどの、無茶にして無謀な馳騁。
騎手も異常だが、それに応える馬もまたよく訓練された、鍛え抜かれた軍馬だ。
いまその優れた軍馬には、二人の人間が騎乗している。
一人は白銀に輝く甲冑に身を包んだ、輝く黄金の髪を持つ騎士然とした男。手綱をしっかりと握り締め、眼光鋭く前を見ている。
もう一人は、ゆったりとした貴族服に身を包んだふくよかな男。騎士の音の腰に抱きつくようにして、馬から振り落とされないよう必死になっている。
一目見て高級なものと分かる彼の服装はたった半日の旅程でぼろぼろになっていたが、それ以上に男がぼろぼろだった。
視界は定まることなく常にがくがくと揺れて、胃の中身はとっくに空だ。
馬上の風圧をもろに受けて無駄にはためく布地の一切れ一切れが、男の精神と体力を根こそぎ削り取っていた。
「ああああああががぐにどのおおおおおまっまっまちなっそっそくっ」
アグニ殿! 町中なのだぞ! 速度を落としてくれ!
そんな男の心からの叫びは前の騎士には届かなかったようで、
「ええ!? なんですか、閣下! もっと大きな声で仰っていただかないと!」
「あぐにどのおおおおおおおおおあああああああ」
絶望とともに舌を噛み泡を吐きながら、レイライン辺境伯領領主ダグルス・レイラインはもう二度とアグニの駆る馬に乗るものかと固く心に誓った。
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つい今朝方までリエリアの邸宅にいたはずのダグルスが、なぜ今エイピアの町中で死にかけているのか。それには深くて浅い事情がある。
それはダグルスが今朝のお告げを受け、「ルージュって、誰? そんな人いた?」と頭を抱えていた時だった。
「頼もう!」
近衛棋士のアグニと名乗る男が、勅書を持って現れた。
その男は黄金の髪と燃えるような緋色の目をしていた。
ダグルスは一目で、アグニという騎士がただ者ではないことを見抜いた。甲冑の上からでも分かる引き締まった体躯は、細身にも関わらず重たい甲冑を物ともせずに自然体で立っていた。歴戦の騎士を思わせる佇まいだった。
勅書を確認したダグルスは、その内容に度肝を抜かれた。勅書には小難しい言葉で長々と、しかし要約すると大体このようなことが書いてあった。
『エイピアのルージュという名前の新たな勇者を、そこにいるアグニと一緒に今すぐエイピアまで迎えに行くように。呼びつけるのはダメ、絶対。ルージュは馬に乗れないようだから、何か別の移動手段を考えておくように』
「無茶苦茶だ」
無茶苦茶で、丸投げもいい所であった。
「お話は伺っております、閣下」
頭痛のタネを増やしたダグルスに対し、アグニは爽やかな笑顔で言った。
人の笑顔を大別するならば、それは二通りある。自然の笑顔と、作り物の笑顔だ。
王国の貴族社会で揉まれに揉まれて来たダグルスは、アグニのそれが前者であることに気がつき、心の中の警戒度を一つ下げた。
ダグルスとアグニはこの時初対面だったが、人間関係の暗い部分に漬かりきったダグルスはアグニという人物に対し、なんと清涼な人物だろうという印象を受けた。
アグニからは、同じ国の人間とはいえ最低限抱くべき警戒心や疑念というものがおよそ感じられなかったのだ。
そして同時に、ダグルスはアグニを侮ってしまった。この判断を、後にダグルスは深く悔やむこととなる。
「この度選ばれた勇者、ルージュ殿は馬に乗れないとか」
「う、うむ。そのように書いてあるな。しかし困った。代わりの移動手段と言われても、いったいどうすればよいのか」
「なれば、このオレにお任せください!」
アグニは右の拳で己の心臓の位置を叩き、進言した。ダグラスも周囲の者も、ちょっとビビる程の音が鳴った。
驚くべきことにアグニの左側の胸甲が歪んでいた。それは今の一撃によるものではなく、この仕草を日常的に行っている証だった。
アグニは胸に拳を叩き付けた姿勢のまま、はきはきと大きな声で続けた。
「オレのスキル『騎乗』にかかれば、馬が怯えることなどありません! 例えルージュ殿がどれほど馬に嫌われていようとも、必ずやルージュ殿をその背に乗せて駆けてみせましょう!」
「おお、それは真か!」
ダグルスの表情が華やぐのも無理はない。
アグニの持つスキル『騎乗』とは、どのような動物でも乗りこなすことができると言われる特殊なスキルのことだ。
騎乗された馬などの動物は騎手と深い同調を果たし、まるで自分の手足のように動かすことができるようになる。
そのスキルが持つ効果を知っていたダグルスは、この男を使者として送った国王に深い感謝を捧げた。投げっぱなしにしないでくれてありがとうと。
アグニの持つ『騎乗』に限らないことだが、スキルを持つ人間は非常に希少な存在である。
また、スキルの種類にもありふれたものと希少なものがあり、『騎乗』は中でもありふれたものの部類に含まれる。
先天的にスキルを持って生まれる者、日々の生活の中で後天的に授かる者など様々だが、中でもゴードグレイス聖王国の王家の血脈に代々受け継がれる『送還』は特に有名だ。
王位継承権の大前提となるこのスキルは、一度訪れたことのある場所に自分以外の誰かを送り届ける事ができるというものだ。
遠く離れた王都ディアカレスから辺境のリエリアまで、アグニという男を瞬時に送り届けたのは、誰あろうギリエイム国王その人である。
「実にありがたい申し出だ! 是非アグニ殿には馬を任せたい! 早速馬車を用意させよう」
「ありがとうございます閣下。して、リエリアからエイピアまでは、どれほどの距離なのでしょうか?」
「馬車でおよそ三日かかる距離だが、今は時間が惜しい。二日でなんとかさせよう」
その言葉に使用人たちが浮き足立つ。勘弁してくれという、領主の無茶な見栄と思いつきに巻き込まれた被害者の心境だ。
だが、更なる無茶を口にする男がここにいた。
「いいえ、閣下」アグニは小さく首を振り、有無を言わさぬ調子で進言した。「オレの馬ならば、それは半日の距離です」
「は? しかし」
「王は今すぐと仰せになられました! さあ閣下、ぐずぐずしてはいられません! すぐに参りましょう!」
そういうと、アグニはダグルスの腕を取り、力強く引きながらぐんぐんと早足で部屋を後にしてしまった。
あまりの勢いに使用人の誰もが口を挟めぬまま、あっという間に屋敷の外へ飛び出すと、アグニはダグルスに訊いた。
「さあ閣下、厩はどちらですか?」
「待て! 待て! アグニ殿! そなたの馬と言ったが、それは連れてきていないのか!?」
「オレの乗る馬が、オレの馬です! さあ閣下、厩はいずこに!」
「アグニ殿! アグニ殿!」
ダグルスは心底後悔した。安易な気持ちで「馬を任せる」などと言ってしまったことに。アグニという人物を見誤ってしまったことに。
アグニは裏表のない善良で常識的な騎士などではない。
裏表なく後先考えない常識知らずの騎士だったのだ。
ダグラスはせめて立派な馬を選ばせるため、大人しくアグニを厩へと案内した。
そしてまさか旅装を整える暇もなく、着の身着のままリエリアを飛び出すハメになるなど、完全にダグルスの予想の埒外であった。
そうして甲冑の騎士と肥満の領主という重たい荷を積んだ軍馬は、早馬もかくやという速度で街道を休憩なしでひた走り、僅か半日でエイピア入りを果たした。
領主の寿命を犠牲に。
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それはそう。
私とバルドさんが堅く堅くお互いの手を握り合っていた時でした。
「バルドさぁん! 気合い! 気合い入れるッスよお!」
「アニキィー! 頑張れー! 負けるなー!」
「あーキテる! メリメリいってる! メリメリいっているう!」
言い直します。腕相撲をしている時でした。
私がバルドさんと肌と肌の接触をしている事に、ことさら深い意味はありません。
簡単に経緯を説明します。
私が今朝バルドさんをぶっ飛ばしてしまった後、私を鍛えると言って剣を持たせてくれたのですが、私が試しに店の中で剣を振ってみたところ店の床が大変なことになった挙げ句に「お前は二度と剣を振ってはならない」と言い渡されました。
免許皆伝ですか? と聞いたら、どちらかというと破門に近いと言われました。酷くショックでした。よほど才能がなかったのでしょう。
お父さんは私よりもショックを受けていました。お店の修理代、国が出してくれるといいですね。一応私、勇者な訳ですし。
それは置いておくとして、どうやら私に戦闘に関わる事を教えるのは危ないということになったようで、冒険者の皆さんに囲まれながらひとしきり冒険あるあるだったりちょっとした雑学だったりを教わった後、バルドさんにこう言われました。
「お前は今から全力で手加減を覚えるべきだ」
ちょっと言葉がおかしかったですが、バルドさんは本気でした。
それがこの腕相撲という訳でした。
いま、私の周りにはまっぷたつになったり一部が粉砕されたテーブルが幾つも散乱しています。どれもこれもが堅固樫製のお父さん自慢の特注品で、例え酔った冒険者たちが大剣を振り回しても斬れない欠けない砕けない。そういう売り文句のテーブルでした。今は見るも無惨ですが。
え? じゃあ誰が壊したのかって?
ふふ。何を隠そうこの私です。
すみません。反省しています。
でも私、ちょっと勇者と魔王のスペックをナメてました。
いや、実はさっきバルドさんをぶっ飛ばした辺りで、なんかおかしいなとは思ったんですよ。
そういえば今朝から妙に目覚めがスッキリして、体も軽かった気がしますし。
バルドさんの動きもしっかり見えて、お盆を差し込めたりもしましたし。
どうやら私、いま身体機能が大変なことになっているみたいです。
『どう見てもその魔力の影響だがな』
『どう見てもその魔力の影響ですね』
「どう見てもその魔力のせいだわな」
女神と魔王とバルドさんがハモって言ってました。
そんな訳で、私はバルドさんの協力のもと、絶賛手加減の勉強中です。
やり方は簡単。
バルドさんの手をへし折らずに、きちんと腕相撲をして勝つこと。
調子はどうかって? 砕けて散乱している無数のテーブルの残骸たちが答えですよ。
というかバルドさんもよくこんな訓練に付き合ってくれますよね。いくらバルドさんが言い出しっぺとはいえ、砕け散ったテーブルの数だけ、バルドさんの右腕も砕け散っている訳なんですが。
「へへっ、気にすんな。それになんかだんだん気持ちよくなって来たんだ」
バルドさんがこれ以上先に進まないためにも、私は一刻も早く加減を覚えたほうがよさそうです。
あっ、でも痛い悔しいでもビクンビクン系のバルドさんもそれはそれで悪くありません。カップリングは無限の可能性を秘めているのですから。
それにしても、女神の回復魔法は凄いの一言です。もうコレ殆ど千切れてる! って感じの怪我でも一瞬で治癒してしまっています。
昔の古傷なども治ってしまっているようで、いまのバルドさんは右腕だけがアンバランスにツヤツヤしています。ちょっぴりキモいです。
そんな回復魔法を、女神さまは湧き水か何かのようにこんこんと繰り返すのですから驚きです。女神の魔力は底なしなのでしょうか?
『言うまでもないことですが、あなたの魔力ですよルージュ』
あ、そうなんですか?
そういえば確かに、さっきからキュッキュキュッキュ吸われてる感じはしてました。
これが魔力を使うって感覚なんですね。
私はちっとも魔力がなくて、魔法の才能もなかったのでなんだか新鮮です。
『うーむ、治癒効果も回復速度も異常の一言なのだが……まぁいいか』
魔王は何やら諦めた様子です。魔王の力を以てしても、思いのままにならないことがあるものなんですね。世の中は広いと言いましょうか。
さておき、今は手加減です!
このままだと私、うっかりミスで人を殺しかねません!
いま、ふっと脳裏にバルドさんの顔が浮かびました。違います。アレはノーカンですよ。だってバルドさんは元気に生きてるじゃないですか。やだなあ。
まぁそんな事を考えている時でした。
「頼もう!」
「いぎゃあああああああん!」
すみません!
いきなり物凄い大声上げてバタ戸を叩かれたものだから、ついうっかりバルドさんごとテーブルに叩き付けてしまいました。
バルドさんの体は腕を軸に回転して、酒場の床を貫く重体でした。
絹を裂くような悲鳴はもちろん、バルドさんでした。
『リザレクション』
よかったあ。かろうじてセーフでした。
ギュギュッと魔力を女神に吸われながら、私はもうもうと立ちこめる砂煙の中を歩いてくる一人の騎士さまを見上げました。
とんでもないイケメンがそこにいました。
輝く紅い瞳とキラキラ光る黄金の髪。砂煙が太陽光を乱反射させる光景は、まさに地上に舞い降りた美しきエインヘリヤルのようです!
なんという無垢で清廉で高潔な眼差し!
初夏に舞う風のような爽やかな美貌!
男の人には気持ちよくなるための穴があるってことなんて、絶対に知っていそうにありません!
万人が妄想する、理想の受けがそこにいました!
こっ、興奮してきた!
「ふむ、いまいち状況が掴めないが……」
理想の騎士さまのつぶやきを聞いて、私はハッと気付きました。
店の中は大変なことになっていました。
大きく目を引くのは、さっき剣を振り抜いた時にできた床の大穴でしょうか。
散乱している堅固樫のテーブルの残骸も、今日この場で何らかの暴力的行為が行われたことを如実に指し示しています。
そして何よりも明らかなのは、この場に置ける被害者バルドさんです。だって明らかに床を貫通して半分埋まってるんですから。
そんなバルドさんの右腕をばっちり握り締めているのはこの私。そう。この私です。
どう見ても言い逃れできる状況ではありませんでした。
冷や汗だらだらの私を余所に、理想の騎士さまは私、のびているバルドさん、乱暴されたような目で一筋の涙をこぼしているお父さん、いつも通りのお母さん、居並ぶ冒険者の皆さんの順に面々を見渡した後、納得したように言いました。
「真っ昼間から酒場で暴れる冒険者を、たったいま勇敢な勇者殿が取り押さえた。これはそういうことだろうか?」
そういうことにしておこう。
目配せひとつする事なく、私たちが一つになった瞬間でした。
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バルドさんは気絶したまま、数人の衛兵に連れていかれました。
常連さんが何名か事情聴取に同行していましたが、私も後で減刑の嘆願書を書かないといけませんね。
ほんの僅かな罪悪感を胸にそんな事を考えていると、騎士さまが私に話しかけてきました。
「ちょっとした事件はありましたが、ここは炎の燕亭で間違いありませんか?」
「はい、そうです。当分は営業できないと思いますが」
お父さんが泣き崩れました。お母さんが慰めています。
「そうか! よかった。オレは近衛棋士団所属のアグニだ。故あって、勇者ルージュ殿を迎える任を賜った。それで、やはり君が?」
「はっ、はい! ルージュです! あっ私、この私がです!」
私は少してんぱっていました。
「そうか! いや、一目見て分かった。それほどの魔力といい、逞しい冒険者を一蹴した手際といい、ルージュ殿は素晴らしい素質をお持ちのようだ! さてルージュ殿、早速だが今からオレについてきてくれ」
「は、はいい!?」
「君にやってもらいたことがあるんだ」
そう言うや、アグニさまは私の手をむんずと握ってきゃああああああああ!
えふっえふっ。握って、私を無理矢理! 外に連れ出しました!
「うぼろろろろ」
店の外で、手綱を握り締めたおじさんが路上に吐いていました。
アル中でしょうか? 店の前でそういうことをされては迷惑なのですが。
あと飲酒乗馬は危険ですよ。
「閣下! 大丈夫ですか」
「うぶっ。おお、アグニ殿。無様な所を見せてしまおぼろろろろろ」
「水です。落ち着いて口をゆすいでください」
アグニさまはおじさんに革袋を渡して、甲斐甲斐しく介護を始めました。
瞬時に私の脳内で、優しくされて勘違いしたおじさんがいたいけな騎士さまにのしかかるという妄想が展開されましたが、鋼の精神力で振り払いました。
というか、かっか?
「ルージュ殿。こちらダグルス・レイライン辺境伯だ」
あっ、そうだったんですか。
初めてみましたが、領主さまってアル中だったんですね。
瞬時に私の脳内で、酒に酔った領主さまが(中略)振り払いました。
「初めまして、ルージュです。領主さま、お酒はほどほどにと申しますように」
「ルージュ殿。その話はまた後にしよう」
「分かりました」
私は頷いて、一歩離れて見ていることにしました。慣れているとはいえ、あまり近寄っていたい臭いではありませんからね。
その閣下ですが、もう大丈夫かな? という頃合いになって初めてこちらを見まして、信じられない事にまた嘔吐きました。勢い良く。
乙女の顔を見てトシャるなんて、領主さまとはいえ許し難いのですが?
『おまえの魔力量にあてられたのだろう』
見る人が見ると吐き気を催すほどの魔力ってことですか? そう考えるとなんだか迷惑な話ですね。
少しして、まだちょっと顔色は悪いですが、だいぶマシになった領主さまが言いました。
「失礼した。私が領主のダグルスだ。君が新たな勇者……」
「では早速行きましょう閣下」
「えっ!?」
驚いたのは私もです。
アグニさまは領主さまの言葉を切って、とっとと馬に跨がってしまいました。不敬とかその辺、大丈夫でしょうか?
あれ? そういえば、この馬はさっきから、私を見ても逃げませんね。なぜでしょうか?
『この騎士はどうやら『騎乗』スキルを持っているようですね。馬の顔をよくご覧なさい』
あっ。女神の言う通り、この馬は普通と違って、なんかこう意識高い系の顔つきをしている気がします。
『スキルによって、馬はこの騎士の影響を受けているようですね。この馬であればルージュを乗せて走ることもできるでしょう。国王も中々いい仕事をしますね』
女神がお褒めの言葉を賜っておりますよ。国王さま、聞こえておりますか? グッジョブだそうですよ。
「あ、アグニ殿!? どこに行くというのかね!?」
「決まっております閣下。町の外です。勇者たるもの、魔物を討伐してこそ一人前。なれば、実戦以外に資質を見極める術などありません!」
「それって、つまり?」
「これからルージュ殿には適当な魔物を一匹、討伐していただきます。なぁに、それほどの魔力を持つルージュ殿なら楽勝ですよ! ハッハッハ!」
えー!!!
初次回予告で颯爽と嘘をついてしまいました。すみません。
書いてみると長かったので魔物討伐は次回に持ち越します。
次回、Take a step forward。