自己紹介
黒野の答えを聞いて、レックスは大層喜んだ。
「おお、そうですか。ありがとうございます、クロノ殿!」
その勢いに若干引きながらも、黒野はレックスに話しかけた。
「それで、そちらの方達はどなたですか?」
黒野はレックスの側に立つフクロウの魔物と、先程の少女を交互に見ながら尋ねた。
「おお、紹介が遅れてすみません。ペトラニウス、カエルレウム自己紹介を。」
優雅に一礼をして、フクロウの魔物が自己紹介を始めた。
「私は魔王様の側近、ペトラニウスと申します。以後お見知り置きを。」
顔を上げると、猛禽類特有の鋭い眼が自分を捉えていた。
まるで、獲物を見つめるような眼をしていた。
次に、さっき自分を呼びに着た少女が自己紹介をした。
「私はテネブライ騎士団、ドラゴン師団第三部隊部隊長、カエルレウムと申します。よろしくお願い致します。」
堅苦しい挨拶だったが、聞き逃せない言葉を発していた。
「ドラゴン師団って事は……。」
「はい、あなた様の部下です。」
このような少女が戦えるのかと疑問に思った。
それが表情に出ていたのだろう。
レックスが自分に話しかけてきた。
「心配要りませぬ救世主殿、彼女はこう見えても既に戦場で数千の敵を葬ってきた戦士です。」
このような少女がもう、戦場で戦っているかと思うと複雑な気分になった。
「そして、彼女は我が軍に数十名しか居ない、魔族でもあります。
」
たびたび出てきたが、魔族とは一体何なのだろうか?
黒野はレックスに尋ねた。
「あの、魔族とは一体?」
「すみません。今、説明致します。私達の居る、ノックスエリアには、数多くの魔物が存在します。その中で、一定の力を越えて者を魔族と称します。魔族は皆特殊な力を持ち、ほとんどはそれぞれの師団の師団長や副師団長、部隊長を担っています。」
それを聞いて、黒野は頭を抱えたくなった。
その話が本当だとすれば、ドラゴン師団には少なくとも四人の魔族が居る事になる。
(大変な仕事を引き受けたかもしれないな。)
今更ながら冷や汗をかく。
「それに、魔族は皆人間体に成ることができます。彼女も本来は巨大なドラゴンなのです。」
道理で、人間に似てるわけだ。
黒野は納得した。
「それと、此方を。」
レックスが合図をすると、ペトラニウスが奥から大きな鎧を持ち出してきた。
「前のドラゴン師団、師団長が身に着けていた黒竜の鎧でございます。どうかこれをお使い下さい。」
それは、夢で見た竜騎士が纏っていた鎧だった。




