ルーフス
入ってきたルーフスという女性は、カエルレウムよりも少し年上の大人の雰囲気を醸し出していた。
その瞳は髪と同じく真っ赤で、意思の強い勝ち気な感じがした。
鎧はカエルレウムと似ていたが、ルーフスの鎧は彼女のよりも分厚く加工されており、堅牢に見えた。
そして、背中には夢で見た双剣が吊るされていた。
剣は長さが左右で異なり、右が長剣、左が短剣だった。
その刃には、燃え盛る炎のような細工がされていた。
この女性が夢で見た騎士に間違えないと思った。
(この人と戦うのか。)
夢で見た通りなら、この後この女性ルーフスと戦うはずだ。
果たして、自分はルーフスに勝てるのか?
この時、黒野はかなりの不安にかられていた。
「まずはあんたの名前を教えてもらいたいんだが、救世主殿?」
随分とラフに話し掛けてきた。
「ルーフス、クロノ殿に対して失礼だぞ。」
レックスがルーフスに対して、少し怒気をはらんだ声で忠告した。
しかし、ルーフスはその佇まいを直そうとはしない。
「私は認めた相手以外は、特に対応を変えないようにしているんだよ。例えそれが自分の隊の師団長だろうとね。」
そう言って胸を張った。
「そうですか、まあ仕方ありませんよ。この人達から見て、私はよそ者ですからね。」
そう言っているが、内心かなりの焦りがあった。
これから一緒に戦っていく事になるのだから、早い内に彼女らとの距離を縮めて起きたいと思っていた。
「それでルーフス殿、どうすれば認めてもらえるのでしょうか?」
答えは分かりきっていたが、念のため聞いてみた。
ルーフスは待ってましたとばかり、一気に捲し立てた。
「私と勝負してもらおうか。救世主殿が勝てば、もうなにも言わないさ。只し、もし救世主殿が負けることがあれば、その時は…。」
ルーフスはそこで言葉を切った。
そして、背中の剣を一振り抜いて自分に突きつけた。
「覚悟してもらおうか!」
そう言い、自信ありげに微笑んだ。




