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初勝利
気がつくと、辺り一面人間の死体だらけだった。
血の鉄臭い匂いが、充満している。
手元を見ると、血に濡れた刀が握られていた。
(お、俺がこれをしたのか!?)
ここ数分の記憶が曖昧だ。
最後に覚えているのは、魔物の子供が殺されようとしている場面だった。
(そうだ、あの時無我夢中で子供を助けなきゃと思ってそれから、それから…。)
そこからの記憶がすっぽり抜け落ちている。
目の前にいる死体は脳天から股にかけて、真っ二つに斬り裂かれている。
これを自分がしたのだろうか?
混乱していると、魔物の子供が話し掛けてきた。
「たすけてくれて、ありがとう。」
そう言い頭を下げてきた。
この子を助ける事ができて、本当に良かった。
そう思っていると、水でできた大きな門が現れ、誰かが出てきた。
それは、先程の広間にいたカエルレウムとかいう名の少女だった。
「初勝利おめでとうございます。魔王様が御呼びです。城にご帰還下さい。」
そう言い、門に入るように促した。
黒野は子供の頭を撫でると、門に入った。




