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くろねこはっぴき。








…やっぱりこの人、あの夢の男だ


そう理解した瞬間、紗亜音は男の腕の中に抱かれていた。




「…シャーネっ!我が《愛しい花嫁》、会いたかった…っ!」




夢の中以外で初めて会ったはずなのに、心は不思議と嬉しくて、涙が零れ落ちてきた。今までからっぽだった心が温かく満たされていくように感じる。


…なんでだろ?不思議な気持ち…


少しだけ彼の背中に腕を回してぎゅっと力を込めてみる。


すると呼応するように彼もまた、紗亜音の体を力強く抱きしめる。




「あのー…。私の事、忘れてませんか?」




ぐいっと紗亜音と男の間に腕を挟み込みながらシャムが問いかけてくる。

目の前の男は形のいい眉を潜めて、シャムの方を見る。


何とも言えない空気に紗亜音は困惑してしまいそうだった。




「魔王様…。そんなに私を見つめたって何も出ませんよ?」


「うるさい。黙れ。俺は睨んだんだ。そしてお前がこの部屋から出ていけば良い。あと、勝手にこの部屋に入るなと皆に申したはずだが…?」


「きゃー魔王さまったらひどいわ~。…っと、ふざけて入った訳ではありませんよ?だってこの世界にシャーネ様を連れてきたのは私ですし、それにシャーネ様は私の唯一の姉君で御座いますもの。」




…んん??今、姉君って聞こえましたよね??へ?この猫もどきと私が姉弟ぃ!?


思わず目を見開いてしまった。


すると目の前の男が優しく腕を回してきて、紗亜音の頭を撫でる。優しくて甘い美声が紗亜音を安心させる。




「大丈夫だ…。シャムはこんなんだが嘘は絶対に吐かない奴だ。今までの事は追々、話すとして…。とりあえずシャーネ、今は体を休めておいた方が良いだろう。眠れないのなら俺が安眠の魔法をかけてやろうか?」




魔法、という耳慣れない単語に少々驚いたものの、ここは異世界だったと改めて納得する。


何故、目の前の男はどうしてこんなにも私に優しいのだろうか…?疑問が湧き上がる。




「えっと…。魔法…は大丈夫、です。」


「そうか。…どうした?何か言いたそうだが…?」




男が端正な顔を潜めて問うてくる。


紗亜音はそれに少しだけ困ったような笑みを浮かべてしまった。




「あの…。記憶が無いとか、よく分かんないです。それと1っだけ聞いても良いでしょうか?」


「なんだ?」


「あなたの……名前は何ですか?」


「……今は教えることができない。すまん。だが絶対に、いや、すぐに教えてやる。俺の真名をな…。ここや、他の奴がいる間では俺の事は『リュオン』と呼べば良い。」





少しだけ残念そうな、悲しいような顔をした後リュオンは、再び顔を引き締め、何か用があったらそこにいるシャムに聞くと良いと言い、部屋を出て行ってしまった。








7話目で紗亜音が全部シャーネになってたみたいで

混乱した方はすいませんでした(´・ω・`)


一応、私の中では紗亜音は元の世界では紗亜音で今の世界ではシャーネと呼ばれるという設定です。


これからも頑張って投稿して行こうと思いますのでよろしくお願いします♪

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