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くろねこななひき。








目が覚めて最初に見たものは、大きな天蓋付のベットの天井だった。


…はい?ここどこですかぁ?


部屋の中は薄暗くベットの横のテーブルにアロマキャンドルが置いてあり、淡い光を照らしているだけだった。アロマキャンドルはほんのりと甘い匂いを漂わせている。それが紗亜音の緊張を緩和させていた。


…えと、何か猫ちゃん追いかけていたら大きなお城に這入っちゃって…そっから夢の男に会ったんだっけ……。そこからどうしたんだろ、私…


曖昧な記憶を自分の言葉と共に照らし合わせながら確認していく。


すると部屋のドアが2度程ノックされ、ガチャリと音を立ててドアが開いた。そして紗亜音の寝ているベットの方へと近寄ってくる。


…誰?あの男の人かしら…。もしかして勝手に這入って怒ってるのかも…


ベットの中からは、黒いレースのカーテンがしてあり外の様子を見れず、相手の様子を確認できなかった。だが影の形からして背の高い男であることが分かる。


男はベットに近づくと、ゆっくりとカーテンを開く。そしてに紗亜音優しく言葉をかける。




「あぁ、起きてらしたのですか。お体の方は大丈夫ですか?」




男は柔和に微笑みながら問う。だがそんな優しい言葉も耳に入らないくらい紗亜音は男の姿に驚いてた。そして答えになっていない答えを返す。




「……しっぽと耳。なんで?」




闇を思わせるような黒髪に銀の眼。そして髪の間から黒色の耳が覗いていて、腰の後ろ辺りから同じ黒色の長いシッポがふよふよと揺らいでいた。男はあぁ、と一声呟いてから説明する。




「シャーネ様はこちらの記憶が無いんでしたね。えっと、どこから説明したら良いんでしょうかね…。とりあえず一つだけ言っておくとしたら、ここは夢では無いですよ?そしてあなたはこの国の魔王の元花嫁です。」




………What's?この人(?)何言ってんのさ?


一向に理解してない紗亜音を横目に男は再び話し出す。




「あ、申し遅れました。私の名前は『シャンダルム=レフェグト』と申します。生前のように気軽にシャムとお呼び下さいな。ちなみに魔王の側近をやっております。まったく魔王ときたらあなたを失ってからというもの我を忘れる様に仕事をなさって…。もう体を壊すんじゃぁないかと城の皆はヒヤヒヤしたものですよ。まぁ、シャーネ様がおられた時は仕事しなさすぎてある意味ヒヤヒヤしたものですけどねー。……っと、シャーネ様。ついて来られてますか?」



シャムのマシンガントークに紗亜音は驚いて目を開いたままだった。シャムが一呼吸つくと、紗亜音は今一番気になっていることを聞いてみる。




「……あの、一つ聞いてもいいですか?」


「何で御座いましょう?」


「私が気を失ったあと……いったいどうなったんですか?」


「あぁ、その事ですね。いやぁ、シャーネ様が私に付いて来たとこまでは良いとして、バラ園に我が主人がいたというのは計算違いでしたねぇ…。せっかくのサプライズが…」


「ちょっ!っちょと!」


「はい?如何されました?」


「『シャーネ様が私に付いて来た…』って私はあんたなんかに付いて来た覚えは無いのよ?……てかあの猫ちゃんはどこにいったの?」


「それはですねー…。この姿を見ていただけると分かってもらえますかねぇ」




そう言うと、短かく何か言葉を呟く。すると、その場からシャムの姿は消え、床にはシャムの衣服が散らばる。




「へ?シャム……さん?」


「にゃぁーっ!」




衣服の間から見覚えのある猫が這い出てきた。だが目の色が金から銀に変わっている。


そしてすぐに猫は再び等身大の姿に戻った。


…が、戻ったのは良いが残念ながら裸の姿だった。


どうにもこうにも今まであまり男というものに免疫が無かった紗亜音はその姿に顔を赤らめ、叫びだす。




「きゃー!変態がー!!どうせ戻るなら服を着たまま戻りなさいよー!」


「…っちょ、シャーネ様、無理を言わないで下さい!だって分かってもらうためには必要かと思いまして…。…そんなに叫ばれましたら、我が主人が…」





シャムが必死に言い訳をしていた途中、ばんっと大きな音を立てて、大きく扉が開かれる。




「…何事だ。」




現れたのは夢の中で何度も見た《愛しい人》だった――――――…









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