くろねこにひき。
立てつけの悪い扉を引きながらざわめく教室の中に入る。どうやら5限目は自習だったらしく、クラスはかなり騒々しい。
……まぁ、授業中だろうと構わずうるさいのがうちのクラスだしね。
着いて早々、私は寝る準備をする。
「ようやく学校に来ましたか、遅刻魔さん?」
「おはよん、しゃーちゃん。」
赤っぽい茶髪の髪をした『天宮 蘭』と、金髪を耳上で緩く結んでいる『長瀬 美華那』が、眠りにつこうとする紗亜音に向かって話しかけてきた。
「おはよ。蘭、みーちゃん。じゃぁ、おやすみ…」
構わずに寝ようとする紗亜音を蘭がそれを必死に止める。
…何なのだい、君たちは。
「どれだけ寝れば気が済むのよっ?!……まったく。紗亜音は目を離すと何時の間にか寝てるわよね」
…たしかに。
蘭の言葉に思わず自分のことながら、納得してしまった。
「まぁ、紗亜音ってなぁーんか野良猫みたいな感じだから仕方が無いか。自由気ままって言葉が似合うよ。」
「わかる~!しかも黒が絶対、似合うと思うの!」
蘭とみーちゃんが勝手に私の設定を決めていく。
盛り上がってるなぁ…。
そんな感じで過ごしていたら、何時の間にか6限まで終わっていた。