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追放したんでしょ?楽しく暮らしているからほっといて  作者: だましだまし


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エピローグ

王宮の広い廊下を5人で歩く。

今日の公務は終わり、あとは休むだけだ。

「ディボラ様、明日から例の日ですね」

ウキウキと声をかけると「楽しみね」と良い笑顔を返して頂けた。



王子妃付き側仕えになる予定だった私達はディボラ様が王籍に入ったことで王女付き側仕えとなった。

セドム王子が居ない以外、あまり変わりなくほぼ予定通りの人生を歩んでいる。


あの断罪のあと、王家は白紙となったディボラ様の結婚先をいたく気にしていた。

なんせ影から魔法の威力を聞いている。

だが血縁の公爵家は既婚者ばかり、親戚筋の侯爵家は年齢の合う未婚の者がいなかった。

「ディボラ嬢はこの国の宝とも言える人物。なんとか王家と縁を繋げておきたい。男ならば公爵を叙爵しても良いのに…こうなれば法を変えるか…」

こんな事まで言い出す始末だった。


今までのサポートがディボラ様の功績と知った王太子様はそこで父王に進言したのだ。

「セドムはいなくなったが私はディボラ嬢のサポートを変わらずに受けたい。なのでセドムの持っていた王族の権利をそっくり与えては如何ですか?王籍を与え私の妹とするのです。そうすれば嫁いでも王家と縁があるままです。養子でなく王籍を与えるだけなので侯爵家へ帰るのも自由とすればエムセイノ侯爵家も頷いてくれませんかね?」

エムセイノ侯爵家としては元々嫁がせる予定だったので侯爵家の娘だが王籍となる事に異論無かったらしい。

ディボラ様が王女になってもご結婚される時に紹介される両親はエムセイノ侯爵夫妻のままになるらしいのだ。


しかしディボラ様が頷かなかった。

「私は追放された身なのでほっといてもらって構いませんわ」

まさかの返しに焦ったのは王様である。

「どうすれば王籍に入ってくれる?私に叶えられることなら何でも叶えてみせよう。だから我が国の為にこれからも力を貸して欲しい」



―――――――――



「今回こそ名前を間違えないで下さいね?私はサナ!ラナはラーナですからね?アリーはわかってるかなー?」

同じくウキウキとしたサマナにからかわれる。

彼女は最近弓にハマっている。

隠密の基礎を学んでいるだけあって中々の上達ぶりだ。


ディボラ様の出した条件は年に一度、1ヶ月の追放生活だった。

その間の私達は平民のアリー、サナ、ラーナ、レリー、そしてディーという冒険者になるのだ。

何者にも縛られない自由な生活。

住まいはもちろんあの小屋。

毎回再起動してから使うので足りないベッドは折り畳みを持参している。

もちろんあの鞄に入れて。


小屋は定期的に使うようになったので使わない間に他の人が入れないようディボラ様の土魔法で入口は塞ぐようになった。

パッと見は崩れそうなボロ小屋が岩に支えられて残っているように見えるので誰も近付いてないらしいが時々影の人が様子見に行ってくれている。

そんなことしなくても魔道具だし見つけても殆どの人にはどうにも出来ないんだけどね。



「実家に探してきてくれって薬草リスト渡されちゃいましたの…仕入れ扱いだと思いません?」

レリアーナの口調はボヤキだが表情は楽しみを隠せていない。


「私はあのクリームの店に行きたいですぅ…へへへ」

ラナ…表情が緩むのが早い。



私たちの絆が深まった追放生活。

きっかけは断罪だったけど年に一度のお楽しみ。

好きな相手を選んでいいからそろそろ結婚を…なんて言われちゃうけど私は今の生活が止められない。

弟にも呆れられてしまったけれど、つい

「楽しく暮らしてるのでほっといて!」

って言っちゃった。

セドム王子、様々!なんちゃってね。







おしまい

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