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星座の形は

作者: 花嵐世湮
掲載日:2026/01/22

 真冬の夜。二匹の子供の狼がキラキラとした星を見ていた。

「知ってるか、人間は星を繋げて、一つの生き物を作るらしいよ」

「はは。妄想力が強い奴らだな」

「いや、そうともいえないや。僕たち、狼も星座さ」

「星座?」

「そう、僕たちは星座さ。一人では生きていけないから、形をなして生きていくのさ」

「……なんか、嫌だな」

「そうか?」

「……ああ」

 シリウスのオリウス。

「さぁ、群れに戻ろう」

「ああ」

 そう言って二匹の子供の狼は群れに戻っていた。


 幾年が経った。


 二人は成長した。

 シリウスは強くなった。

 ある日の狩り。オリウスは足に傷をおってしまった。狩りの途中で転落し足を折ってしまったのだ。

 雪が降り積もった、夜の森の中。群れの周りを背の高い針葉樹が静かに上から見ている。

「コイツはもう、狩りができない。群れから抜けてもらう」

 リーダーである。オリンポスが無常にも言った。

「は?なんで?」

 シリウスが反応する。

「狩りができないからだ」

「……なッ!コイツは仲間だぞ!家族だぞ!」

「……いいよ。俺は抜ける」

 何ともないようにオリウスが呟く。

「なんで!」

 オリウスの発言にシリウスは困惑を浮かべた。その言葉を無視し、オリウスは静かに歩き出した。

「な!」

 すぐにオリウスを追いかけた。雪を弾き飛ばしながら走っていく。森は無常にも暗く冷たい。

 オリウスはずっと、ゆっくりと歩いていた。これは、傷による影響だ。

「オリウス!なぜなんだ!」

「もういいさ。お前も俺なんかに構うな」

 オリウスは何食わぬ顔で歩き続ける。足が折れているせいか、見るのも痛々しくノロノロと歩く。

「見ろ、走れないじゃないか。そんなんで、生きていけるわけないだろ」

 シリウスがオリウスの前に立ち塞がる。


「……俺は薄々、お前に劣等感を感じていたんだ」

 

 ついにオリウスの固まっていた雪が雪崩れた。

「お前とドンドン、力の差が離れていくことに耐えられない!これじゃあ、お前と友達だと思えなくなる」

 泣きそうな表情をしながら、歩き続ける。

「そんなことはない!」

 反論しないと、そんなの関係ないと言わないと心の底からシリウスは思った。

「力があろうとなかろうと、俺たちは友達だ。だから、そんな事いうなよ!」

 もっと何かを言わないと、けど、何を言って引き止めればいいのか分からなくて、言葉が詰まってしまった。

「俺は誇り持って死にたい!お前に助けられて生きていたくないんだ!」

「理解できない!」

 お互い、ドンドンと声が大きくなる。

「お前とは対等でいたいんだ!心の底から友達でいたいんだ!」

 もう、お互い相手の考えを理解できないだろう。二匹は成長した。複雑になってしまった。

「アアアアア!バイバイ!」

 シリウスは最高に吠えた。

「バイバイ!」

 オリウスも最高に吠えた。

 シリウスはオリウスの言葉の深さを何一つ理解出来なかった。けど、かつての友達がそこまで言うのならと理解したふりをしていた。

 これ以上、お互いが苦しまないように、嫌いにならないように、好きでいたいから思い出の中では好きでいたいから。どんなに子供の頃から、仲良くても、体はドンドンと差が出てしまう。

 彼らの星はもう二度と繋がることはないだろ。信じればよかったのに、自分達は繋がっていると形が無理矢理に見えたとしても、妥協すれば良かったんだ。何かの形に見えると。

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― 新着の感想 ―
切ないですね( ; ; ) 離れても二頭が幸せに生きられるといいなと思います!
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