アルコール依存症者は敗者復活戦を勝ち残れ!
前置きはさておき、題名が『アルコール依存症から脱出する方法』ですから脱出方法を伝授致します。
私は埼玉県民ですので7回の入退院中の最後4回リピートした依存症専門病院は「埼玉県立精神医療センター」になります。大宮駅を起点としているニューシャトルという鉄道の丸山駅が最寄駅になります。自動車でも行けます。かなり大きな駐車場が整備されているのはお隣にあった旧がんセンターと同じ敷地にあるからです。
旧がんセンターは現在、少しだけ離れた場所に移転しています。今、敷地内にあるのは精神医療センターと強制入院施設(犯罪者収容病院)のみです。
この病院に繋がったのは私が書いた小説『生きる〜アルコール依存症と戦った日々〜』にもあるように市町村が運営している健康相談所に行ったことがきっかけになりました。
自分から相談所へ足を運んだのですから「自力ではもうどうにもならない」と悟っていたと思います。
この埼玉県立精神医療センターで私を担当した医師もナースもケースワーカーももう退職しています。その時の担当医から言われた言葉が忘れられません。
遠い昔、日本テレビで『アメリカ横断ウルトラクイズ』という番組があったのをご存知でしょうか?今は高校生クイズに引き継がれているようです。
このクイズ番組には『敗者復活戦』というルールがありました。
第1問目時の参加人数は1万人規模だったと思いますが、色々なカテゴリーの問題形式により参加者はふるいに掛けられ、最終目的地であるニューヨークに辿り着けるのはたったの2名だけです。この2名が最終関門の早押し形式によるクイズを勝ち抜いて王者となります。(今、放送中のクイズより相当に難しい、運が必要なのです)
思考を凝らしたクイズごとに下位3名ほどが脱落して、アメリカから日本へ強制帰国させられてしまうので人数はどんどん減っていきます。ただし、この時に用意されているのが『敗者復活戦』です。
負け組の三人のうちのたった1人だけは復活できて次のステップである州への切符を手にする事ができるというルールがありました。私が記憶している限り『敗者復活戦』から最後の目的地であるニューヨークまで行けた人はいないはずです。
でもです、敗者復活戦を勝ち残った者には次なるチャンスが与えられるのです。そう、次があるということは人生において素晴らしいことだと思いませんか。
「アルコール依存症者は社会から抹殺された負け組なんだ。負けを認めて敗者復活戦にエントリーするんだ。そして復活戦を勝ち進むしかないんだ、先にアルコールから逃げた者が勝ちなんだ」
この言葉の意味がお分かりになるでしょうか?
アルコール依存症者は敗者復活戦を勝って、また最後方から追いかけて、次のステップで負けてもいい。また敗者復活戦に勝って、次のステップにドン欠から金魚の糞のように踏ん張って生き残って、またクイズにチャレンジしていく。
優勝する必要なんてないのです。社会の一員として家庭を守り、給料をもらえるようになりさえすればずっとずっと参加者でいられるのです。
ただし、飲まなければです・・・




