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夏のホラー2023『帰り道』

流れ星

作者: 家紋 武範

 会社帰り、夜空を見上げてため息をついた。


 帰りたくない。


 会社では出世コースから外れてしまい、家に帰れば稼ぎが少ないと妻になじられ、同居の母には妻とのトラブルを聞かされる。

 子どもたちは部屋に閉じ籠ったまま、最近は顔も見ない。


 なんのための家なのか? なんのために働いているのか……。


「ああ、くそ! 帰りたくない! 帰りたくない! 帰りたくない!」


 頭を抱えて呻くように叫ぶ。すると、夜空に光輝く流星が見えた。


「あ、流れ星だ」


 流れ星を見るなんて、子どもの頃以来だ。懐かしくなり、スッと心に余裕が出来た気がした。


 この広い宇宙から見たら私の悩みなんて、なんてちっぽけなものだろう。

 そうだ。明日もある。明後日もくる。

 みんなみんな毎日を何かしら抱えて生きているんだ。


 私はそのまま空に向けて大きく伸びをして、顔を下げる。


「よし! 明日も頑張るz」


 しかしそこには、広大な砂漠が広がっていた。


 帰れない……。


 いや、流れ星。ここは願いを叶えなくていいんだよ……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 始めの願いが叶っちゃったのですね。 取り返しのつかない感じ、おじさんのペーソスと共に綺麗に表現されていると思います。 [気になる点] 特にありません。 [一言] 手遅れになってから学ぶ事っ…
[一言] ゴメン、補足です。 別の場所に行っちゃうのなら、 「こんなところはイヤだ!」 が、いいのでは?
2023/08/01 10:01 退会済み
管理
[気になる点] うーん。 「帰りたくない」のであれば、 「いくら道を歩こうと、タクシーを使おうと、絶対に家にたどり着けない」 展開になるのでは?
2023/07/31 23:29 退会済み
管理
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