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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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玲8歳 桂月-2

 着替え終わった馨が横になった私の様子を見に部屋に来たので、佳那は洗濯物を持って部屋を出て行った。


「宮比神様が楽しかったみたいで不安定だね。様子を見て調子が悪くなるようなら受け取ろうか」


 宮比神様が楽しんだのは間違いないと思う。ずっと早く舞いたいのかうずうずしてしょうがなかった。


「宮比神様早く自分でも舞ってみたいみたい」


「なら早めに体力つけないとね」


 舞は優雅に見えるが意外と体力が必要になる。佳那と庭内を歩いたりし始めているけれどまだまだだ。


「私が習うようになれば馨も一緒にしましょうね」


「僕が!?」


 馨がとても驚く。


「僕は覚えなくてもいいと思うけど」


「馨は覚えないといけないわ。宮比神様が馨も一緒に覚えるって言われていたもの。私が覚えて馨に教えてあげる」


「宮比神様がそう言っていたの?はぁ。皆に、特に貴祥様や晄様に内緒ならいいよ」


 馨はしぶしぶ受け入れてくれる。


 佳那が戻ってきたので聞いてみる。


「佳那別宅で舞のお稽古が出来る場所はある?」


「別宅で、ですか?……皋様に聞いておきます」


 皋様は忙しくすぐには難しいのだろう。


「分かったら教えてね。私が練習したいの。練習の時は馨に傍に居てもらうから大丈夫」


 馨が内緒にしたいと言ったので佳那にも教えない。


「分かりました。聞いておきます」


 馨が本当にするのかと落ち込んでしまっているが、本当にするのだ。


「はぁ。……あれ?天蓋つけたの?」


「えっ天蓋?」


 天蓋って何?と思っていると馨がレースのカーテンのような物を壁際から引っ張り出し、私と馨の間に広げた。


「天蓋を付けたのではなくて、ベッドごと変えました。体調によっては馨さんが添い寝されますでしょう。


そのことは綾様にはお伝えしませんし、使用人でも知らない者の方が多いのです。


まずないでしょうが、ドアが開いている時に綾様や使用人が中を見てしまっても大丈夫なようにつけることにしました」


 馨からお父様が怒っていたと聞いていたし、馨と一緒に寝るのは良くないことなのは分かっているので、皆に内緒にするのは当然だと思う。


「こちらのレースは虫よけとしてになりますし、添い寝している間はこちらの厚手の物を引いておきますから、外からは見えませんし冬場は寒さ対策になります」


 天蓋は四方に柱が立てられ、カーテンレールを隠すように厚手と同じ生地で上飾りが施してあり、その下にレースと厚手の物の2種類ついていて、用途に合わせて変えて使用するらしい。


 私が馨との間に広げられたレースを開けたり閉めたりしていると佳那が「玲様綾様に天蓋を付けたと言わないでください。綾様もつけたいと言われましたらいけませんから」と言う。


「なぜ言ってはいけないの?綾も欲しいならつけたらいいのに」


「もちろんつけるのは簡単ですが、贅沢品になりますので神に仕える者としても、財界の総裁をしている者としても、私室にまで贅沢にするのは良くないと皋様は考えられていますので」


 以前立場上威厳を保つためにもある程度の物を身に付けたり使用する必要があるが、私室や日々の洋服や食べ物などは慎ましくしておいて、何かの際には蓄えておいたもので立て直したりするのだと佳那に教えてもらったことを思い出した。


 綾も同じように教えてもらっていると思うが、理由を教えてもらえず私が許されて綾が許されないのは納得できないだろう。馨と添い寝していることを言えないのだから綾に話せないのはよく分かる。


「分かったわ。綾には言わないわ。ねぇ、私が今まで使っていたベッドはどうしたの?捨てたりはしないでしょうから誰かに譲ったの?」


「私でも許されるなら欲しいぐらいです。玲様の使用したベッドなど取り合いになって誰にも譲れません。


玲様のベッドはこれから馨さんがご両親の物を見たりしている時や、訓練後疲れて休憩したい時などに利用してもらえばいいと、馨様が貸して頂いている別棟に運び入れています」


 馨は佳那に「ありがとうございます。晄様との訓練は疲れやすいので休憩に使えると助かります」とお礼を言うだけで特に変わった様子はなかったので、馨がピクンと動いた気がしたが気のせいかもしれない。



読んで頂きありがとうございます。

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